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飲食の適量
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「少し足りないかな」と思うくらいが適量。 人体を構成する“元気”には、先天的なものと後天的なものがあるとされます。 そして、後天的なものの材料となるひとつが、「水穀の精微」、すなわち水や食事などから生成されるもの。
“元気”の材料となるため、飲食にも気をつかっていきましょう。
貝原益軒は、著書『養生訓』のなかで、「元気は生命の本(もと)なり。飲食は生命の養いなり。」とする一方で、「好めるに任せ、ほしいままにすれば、節に過ぎて必ず脾胃をやぶり、諸病を生じ、命を失ふ」と、節度のない飲食をいましめています。
おいしいものに出会うと、それをほどほどにしておくことは難しいですが、「酒食茶湯、ともによきほどと思ふよりも、ひかえて七八分にてなおも不足と思ふ時、早くやむべし。飲食して後には必ず十分に満つるものなり」と、食後には必ず満足するのだから、“腹八分目”でやめておくことをよしとしています。
食べ過ぎないことにより、脾胃(消化器官)にすき間ができ、“元気”がめぐりやすくなるとともに、消化しやすくなります。逆に、脾胃にすき間がないと、“元気”のめぐる道をふさいでしまうので、病気になりやすい、というのがその理由とされます。
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「五味」をバランス良く、ほどほどにとることが大切です。
飲食のバランスも重要です。 五行説では、食べるものの味を「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹(塩からい味)」の「五味」に分類していて、益軒はこれらのうちどれかに偏ること=「五味偏勝」をすると体調を損なうため、すべての味をほどほどにとると良い、と述べています。
また、バランス良く食べるためには、食事のなかでも順序に気をつけると良い、というのが益軒の考え方にあります。
最初はお吸い物を飲み、肉や魚をとらないようにしてご飯を食べると、ご飯の本来の味がよくわかるとされます。肉や魚はあとから食べることで“気”を養うことができるばかりでなく、おかずが少なくても気にならないとも言われます。
自宅では実践できても、宴会ではなかなかそうはいきませんよね。
益軒は、「花は半開に見、酒は微酔に飲む」という言葉をあげ、いくら楽しい席でも節度を守ることを推奨しています。