葛根湯はいつ飲む?
適切なタイミングと
かぜの
ひきはじめに効果的な飲み方
最終更新日 2024年12月25日
かぜ症状の改善に広く用いられている「葛根湯」は、生薬の力で身体を温めてかぜを治してくれる、代表的な漢方薬です。
今回は、葛根湯の効果的な服用のタイミングについて解説するとともに、葛根湯を服用するにあたっての注意点についてご紹介します。
葛根湯は一日のうちいつ飲む?
葛根湯は、一般的な漢方薬と同様に食前(食事の30分~1時間前)または食間(食事と食事の間、2時間程度)の、胃に食べ物が入っていないときに、水または白湯で服用します。
なお、一日に何回服用するかについては商品によって異なるため、用法・用量をご確認ください。
そもそもなぜ、空腹時に服用することが推奨されるのでしょうか?
その理由として、漢方薬に使用されている生薬の中には胃の中で食べ物と混ざることで吸収率が下がって薬効が発揮できないものや、逆に想定よりも吸収率が上がってしまい副作用が出やすくなるものがあるためです。服用について指示がある場合は従うようにしましょう。
かぜの「ひきはじめ」に飲むのが
効果的?
葛根湯は、身体を温めてかぜに対する抵抗力を高めて症状を改善する漢方薬です。
そして私たちの身体には、かぜウイルスの侵入や増殖を防ぐための免疫機能が備わっており、この免疫機能は体温が上がると活性化する特徴があります。
免疫機能がかぜウイルスと戦い始めたタイミングで葛根湯を飲むことで、身体を温め、「かぜと戦う力」を引き上げて症状を改善する効果が期待できます。
そのため飲むタイミングとしては、かぜウイルスが侵入し、ゾクゾクとする悪寒や発熱、せきやくしゃみ、喉の痛み、倦怠感などのかぜの代表的な初期症状があらわれはじめたタイミングが効果的といわれています。
「あれっ?かぜかな」と思ったときにすぐ服用できるよう、葛根湯を常備しておくとよいですね。
葛根湯についてもっと詳しく知りたい方はこちらのサイトも参考にしてみてください。
葛根湯の服用はいつまで?
飲み合わせは?服用の注意点
かぜの症状の改善を目的に葛根湯を服用する場合、数日を目安に服用しましょう。
もし数日間服用しても症状が改善しない、または悪化している場合は服用を中止し、医師や薬剤師または登録販売者に相談してください。
葛根湯を使用する際は、飲み合わせにも注意が必要です。
例えば、葛根湯と他のかぜ薬や解熱鎮痛剤などを併用すると、人によっては体力を消耗してしまったり、思わぬ副作用があらわれたりすることあります。
自己判断での併用はやめ、必ず医師や薬剤師または登録販売者に相談してください。
榎本 蒼子
医学博士、医学研究者。2015年まで公立医科大学にて医学研究および医学教育に従事。在職中は医師・研修医向けの東洋医学セミナー等を担当。現在は医療ライターとして、健康に役立つ情報や最新の医学研究に関する情報を発信している。