子どもがせきをしているとき、
どうすればいい?
最終更新日 2016年10月01日
「ゴホン、ゴホン」「コン、コン」…「せき」といっても、その種類はいろいろあります。せきは、体に何らかの異常があるというサイン。ここでは、子どものせきの主な種類と病気との関係についてみていきます。
せきの原因はいろいろ
せきは、気管に「異物」が入ってしまい、気管や気管支に何らかの異変が起こったときにそれらを排除しようとして反射的に出るものです。つまり、人間の体に備わった防御反応のひとつなのです。せきの原因となる「異物」には、ちり、ほこり、冷たい空気、細菌、ウイルスなど、たくさんの種類があります。
これらの異物によって、気管支などに炎症が起きたり、感染したりすると、さまざまな症状とともにせきも出るようになります。
どんな病気があるの?
子どもの場合、せきをともなう病気として主にあげられるのは、かぜ、副鼻腔炎、クループ症候群、気管支炎、肺炎、百日咳などです。それぞれの特徴をみてみましょう。
せきをともなう主な病気
- かぜ
- かぜの正式名称は「かぜ症候群」といい、そのほとんどはウイルス感染によって引き起こされます。一般的に、数日~1週間程度で自然に治ります。
症状として、せきのほか、くしゃみ、鼻水、のどの痛み、たんなどの呼吸器症状や、発熱、関節痛、全身倦怠感などの全身症状が組み合わさって現れます。 - 副鼻腔炎
- 鼻の周りにある骨の空洞部分のことを副鼻腔といいます。ここがウイルスや細菌の感染などによって炎症を起こすことを副鼻腔炎といいます。副鼻腔炎になると、たんをともなうせきのほか、鼻づまりや顔面の痛み、黄色や緑色の膿が出ることがあります。発熱や悪寒をともなう場合は、感染が副鼻腔を越えて広がっていることが考えられます。
- クループ症候群
- 「ケン、ケン」と犬が吠えるようなせきが特徴的なウイルス感染症です。せきのほか、発熱や鼻水といった症状が出ます。とくに、生後6カ月~3歳の小児に多くみられます。たいていは自宅療養となり3~4日で回復しますが、重症になると入院が必要です。
- 気管支炎
- 気管支が炎症を起こした病気で、急性気管支炎の場合、原因のほとんどがウイルスによるものです。細菌によって起こる場合、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳菌などが原因です。かぜの症状がみられたあとにせきが出る場合は、急性気管支炎が疑われます。通常、数日~数週間症状が持続します。
- 肺炎
- 肺炎は原因菌が肺にある小さな空気の袋(肺胞)や、その周辺組織に発生する感染が代表的ですが、感染以外にもアレルギー性、食べ物や唾液が原因の場合もあります。肺の中に炎症が生じ、38度以上の高熱や激しい咳や痰、呼吸が苦しいといった呼吸器の症状がでます。
- 百日咳
- 百日咳菌による感染症で、初期はかぜのような症状がみられますが、徐々に発作のようなせきが出るようになり、長期間続くのが特徴です。予防接種によって百日咳の予防を行うことができ、予防接種による効果は5~10年程度といわれています。なお、近年は成人の発病が問題にもなっています。
どうやって対応するの?
まずはどのような症状があるかをチェックします。熱はあるか、どんなせきか、どれくらいせきが続いているか、せき以外の症状はあるか、などです。
子どものせきの場合、医師の診断を受けさせることが優先です。やむを得ない場合には、せき止め薬などを使って応急的に対応したのち、病院へ行くようにしましょう。
せき止めには、デキストロメトルファンやノスカピンなどのせきを抑える成分のほか、小青竜湯や五虎湯、麦門冬湯といった漢方薬が使われます。ただし、年齢によって服用できないお薬もありますので、薬剤師や登録販売者に相談したり、添付文書を確認したりしましょう。
また、ご家庭では、加湿器を使うなどして湿度を適切に保ったり、部屋の換気をこまめに行ったりするとよいでしょう。
子どものせきは、体の異常を伝えるサインですので、注意深く見守るようにしてください。