気管支ぜんそくはどんな症状か、ご存知ですか? 医師100人アンケートから知る「せき」

最終更新日 2016年10月01日

ここでは、「せき」について医師100人に聞いたアンケート結果をもとに、注意したいせきが出る
「気管支ぜんそく」の症状や発生するタイミング、メカニズムや対処法などをご紹介します。
しつこいせきは気管支ぜんそくのサインかもしれません。重症化する前に必要な処置をとるようにしましょう。

しつこいせきは要注意!
もしかすると「気管支ぜんそく」かも

アンケート結果から、医師が考える「気管支ぜんそく」が見えてきました。
ここではその結果をもとに、「ひどいせき」が起こりやすい「気管支ぜんそく」についてみていきます。

気管支ぜんそくと疑われる「せき」が出るタイミングや環境は? 
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気管支ぜんそくと疑われる「せき」が出るタイミングや環境は?

まず、気管支ぜんそくと疑われるせきが出るタイミングや環境ですが、「夜間や早朝にせきが出やすい」「季節の変わり目などにせきが出やすい」「花粉や黄砂の影響でせきが悪化する」といったことが上位にあげられています。
「夜間や早朝」のせきは、自律神経(からだを制御する交感神経と副交感神経)のはたらきが影響しています。気管支の場合は、交感神経のはたらきが強くなると気管支が拡がり、副交感神経のはたらきが強くなると収縮、つまり気道が狭くなってせき込みやすくなります。「副交感神経のはたらきが強くなる」のは、簡単にいうとリラックスした状態のときで、眠っているときなどがそれにあたります。寝る前や起床時にせきが出やすいのはこのためです。
次の「季節の変わり目」や「気温差」ですが、これは環境の変化が大きいときといえます。気温や湿度などの変化が、のどが敏感な人には刺激となると医師が考えていると思われます。
「花粉や黄砂」については、これらがアレルギー物質となってせきをするということがいえるでしょう。

気管支ぜんそくと思われる症状

気管支ぜんそくと思われる症状であがったのが、「呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音が出る」「呼吸困難」。これ以外に目安となるせきの症状として、「発作性のせき込みがある」「せきが頻発する」「激しくせき込む」などがあげられています。こうした症状が起きたときに、医師は気管支ぜんそくの可能性を考えるようです。

目安となる咳の症状TOP3は? 
(複数回答) <n=104>

目安となる咳の症状TOP3は?

目安となる咳以外の症状TOP3は? 
(複数回答) <n=104>

目安となる咳以外の症状TOP3は?

そもそも「気管支ぜんそく」って、
どんなもの?

では、そもそも「気管支ぜんそく」って、どんなものなのでしょうか?
ぜんそくの症状が起こることを「ぜんそく発作」と呼びます。アレルギーなどによる炎症が原因で気道が狭くなり、呼吸が苦しくなる状態で、具体的には下の図のようなことが起きていると考えられています。

ぜんそく発作のとき、気道は……?

気道 気道粘膜
  • 気管支自体が
    収縮する

  • 気道粘膜が
    腫れる

  • たんが増える

気道が狭く(呼吸しづらく)なる

1つめは、気管支自体が収縮している状態。気道が狭くなり、呼吸がしづらくなります。
2つめは、気管支の大きさは変わらず、内側の粘膜が腫れてしまう状態。
内部が腫れてしまった結果、気道が狭くなります。
3つめは、たんが増えてしまった状態。気管支の大きさは変わらなくても、たんが増えた結果、空気の通り道が狭められ、ゴホゴホとせき込みも増えて息苦しくなります。
アレルギー物質などの影響で、これらが複合的に起きることで、気管支ぜんそくになると考えられています。

「気管支ぜんそく」の対処法は?

気管支ぜんそくの対処ですが、アレルゲン(アレルギーの原因物質)を遠ざけることをはじめ、狭くなった気管支を拡げる・気道粘膜の炎症を鎮める・たんを切る、などの効果がある薬を使う、といった方法があります。
せきが続いても、発作というほど状態が悪くないために「ただのせきだ」と放っておくと、慢性化したり、重症化したりすることもあるので、長引くせきには注意が必要です。とくに、気管支ぜんそくは「なんとなく息苦しい」と思っているうちに、重篤な状態に陥り、窒息することもある病気です。「ただのせきだから」と安易に考えず、せきがひどくなったり、長引いたりしてなかなか治らない場合は、医師の診察を受けるようにしましょう。

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