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便秘になってしまう原因は?
メカニズムから、おすすめの対策・解消方法

2023年11月17日

便秘になってしまう原因は?メカニズムから、おすすめの対策・解消方法

多くの人が悩んでいる便秘。便秘が続くと、お腹が張って苦しかったり、おならが続いたり、皮膚に吹き出物ができたり、いろいろなトラブルが発生します。
便秘が続くけど原因や対処法が分からない、そう思っている人も多いはず。そこで今回は、便秘になるメカニズムやその原因、解消方法をご紹介します。
便秘とさよならして、スッキリ気持ちいい毎日を迎えましょう!

「慢性便秘症診療ガイドライン2017」の定義では、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態を便秘」としています。

通常は1日に1~2回排便がありますが、3日に1回だとしてもスムーズに排便でき、スッキリ感があれば便秘ではありません。逆に毎日出ていても、残便感があってスッキリしない、便が硬く、お腹が張って不快感があるなら便秘と考えられます。
つまり、便秘は人それぞれのすっきり感が基準と言えます。

では、一体なぜ便秘が起こるのでしょう。
ここでは、便秘を「機能性」と「器質性」の2種類に分け、そのメカニズムを説明していきます。

機能性便秘

便が作られる過程や排便の仕組みに障害があるケース。

1. 弛緩性便秘
加齢や運動不足などで腹筋が弱くなったり、刺激性の便秘薬などを乱用したことによって、大腸のぜん動運動の動きが低下して便を押し出せなくなり、大腸内に便がたまります。その結果、便から水分がなくなっていき、やがてカチカチに硬くなり出にくくなります。便秘の中で最も多い種類です。

2. 痙攣性便秘
交感神経が優位になると腸は動きが鈍くなり、副交感神経が優位になると腸の動きがよくなります。精神的ストレスや過敏性腸症候群などで、その自律神経のバランスが乱れると腸管が緊張・痙攣し、便がうまく運ばれなくなると、便がうさぎのフンのように小さなコロコロのものになります。

3. 直腸性便秘
便が直腸に到達しても排便のサインが起こらず、直腸に便が停滞してしまう状態です。排便を我慢することが原因となるほか、高齢者や寝たきりの人に多いのが特徴

器質性便秘

大腸の炎症やがん、手術後の癒着などが原因で、消化管に通過障害が起こっているケースです。血便、激しい腹痛、嘔吐などがあれば、すぐに病院へ行って診察を受けましょう。

さまざまな症状の便秘を見てきましたが、それらが起こる原因には、加齢やストレス、生活習慣などがあります。あなたはどれに当てはまりますか?

大腸の便を送り出す力が弱っている

便秘の根本的な原因のひとつが、大腸の便を押し出す力が弱っていること。便が腸にあるのに、押し出せないことで便秘になってしまっているのです。便を押し出す力が弱る要因はいくつかあり、ストレスで腸が緊張状態になること、忙しくて便意を我慢することで直腸の反応が鈍くなること、そして運動不足があげられます。

便秘を引き起こす原因1:ストレス
腸は、自律神経と深い関わりがあり、交感神経が優位の時は腸が動きにくくなります。体にストレスがかかって交感神経が優位になると、腸の働きが抑制され便秘になりやすくなります。また、ストレスがかかると腸の悪玉菌も増加。ストレスで下痢を起こす場合は、自律神経が乱れて腸が過敏になること、腸内細菌のバランスが悪くなることが原因と考えられます。

便秘を引き起こす原因2: 便意の我慢
「トイレに行きたい!」と感じても、忙しいからと便意を我慢してしまうと、便意をもよおすセンサー「排便反射」が鈍くなってしまいます。便が直腸に送られてくると脳に指令がいって便意をもよおすのですが、我慢しようと思えばできてしまう微妙な感覚です。そのため「あとでトイレに行けばいい」と我慢するのを繰り返すと、便意を感じにくくなり便秘になってしまいます。

便秘を引き起こす原因3:運動不足
体は排便で腹筋に力を入れていきむことで、スムーズな排便ができるようになっています。運動不足だと、腹筋が衰えてしまい便を押し出す力も弱くなります。運動は、腸全体に刺激を与えて動きを活性化しやすくするので、便秘解消におすすめ。激しい運動でなくても大丈夫。ウォーキングでも、インナーマッスルに繋がる太ももの筋肉を大きく動かすので効果があります。

便秘を改善するには、便について正しい知識を得ることが必要です。
一体、体内でどうやって便が作られるのか、その仕組みを見てみましょう。

健康な人の場合、便の約80%が水分でできています。そして、残り20%のうち、1/3が食べたもののカス、1/3が生きた腸内細菌、残りの1/3が腸粘膜の剥がれ落ちたものでできています。
このうち、大切なのは便に含まれる腸内細菌。わずか(乾燥した状態で)1gの便に、約1兆個もの腸内細菌が含まれているといわれています。
よく「腸内環境を良くしましょう」と言われますが、それは腸内環境を作る腸内細菌が体の健康に大きく貢献しているからです。

腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分けられ、健康な人の腸内は、腸内の菌バランスが一定の条件で保たれています。

この3種類の働きは、
(1)善玉菌:悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促したりする。
(2)悪玉菌:腸内の内容物を腐らせ、有毒物質を作る。
(3)日和見菌:善玉菌が優勢の時は善玉菌の味方を、反対に、悪玉菌が優勢の時は悪玉菌の味方をする。
と言われています。

便には、こうした腸内細菌が生きたまま含まれていますから、便を見ればその人の健康状態がわかります。理想の便は、バナナのような形状。量はバナナ2〜3本分くらいで、臭いはきつくなく、硬さは練り歯磨き程度。いきむことなく気持ちよく出て、水に浮くくらいの軽さがベストとされています。
こうした状態の便が出ているということは、腸の中で菌のバランスが保たれていて、健康である証拠と言えます。

反対に、ガチガチ・コロコロの硬い便や、水分の多いビシャビシャの便、あるいは、ヒョロヒョロと細長く、ゆるい状態の便であれば、腸の中で悪玉菌が優位であったり、ストレスなどが原因となって、腸の働きが鈍くなったりしていることが疑われます。

しかし、これらの状態は、便秘ではなく別の疾患の可能性もありますので、気になる場合は早めに病院で検査を受けましょう。

大腸では、ぜん動運動によって便が体外へ送り出されますが、このぜん動運動が始まるきっかけとなるのは、私たちが何かを食べたり、飲んだりしたとき。つまり胃に物が入ると、その刺激をきっかけに大腸のぜん動運動が始まります
これを、「胃・結腸反射」と呼びます。

ぜん動運動によって大腸のS字結腸に送られた便は、直腸へ。すると、便が直腸の壁に押し付けられ、その刺激によって、肛門にある内肛門括約筋が緩みます。同時に、大脳にサインが伝わり「便意」が起こります。

これで排便準備が完了。大脳から「便を出しなさい」という指示が出されると、内肛門括約筋の外側にある外肛門括約筋が緩み、排便します。

しかし、便意を感じても「朝時間がないから」とか「仕事で忙しいから」などの理由で、たびたび、無視していると次第に便意が感じられなくなります。
直腸に便が貯留して硬くなり、直腸性便秘になってしまいます。

便秘が続くと、他にさまざまな症状が出てくることがあります。

腹部膨満感・腹痛

まず、多くの人が感じるのが、腹部膨満感、いわゆる、お腹が張った状態です。
便秘の場合、腸内で悪玉菌が優位な状態になっていると考えられますから、食べたもののカスが腐敗し、悪臭のガスを発生しやすくなります。そうすると、見た目にもお腹がパンパンに張った状態となって、苦しい状態が続くことになります。

また、便秘になると腹痛も起こしやすくなります。腸に溜まった便やガスは、いわば出口が完全に塞がれ、狭いところに閉じ込められた状態。腸の口側から便やガスを肛門側へ送ろうとしますから、そのとき、痛みを生じやすくなるのです。特に、腸のたるみが多いS字結腸の部分に腹痛を起こしやすくなります。

食欲不振

便秘が続くと腸全体の働きが悪くなって、食欲不振も起こりやすくなります。また、腸全体の動きが悪くなることで消化液が消化管に貯留しやすくなり、吐き気を起こすこともあります。

肌トラブル

腸内で老廃物が次第に腐敗し、そこから毒素が出ることで、肌に吹き出物やシミ、ニキビができることもあります。

さらに、イライラ、不眠、頭痛、肩こり、めまいなどを引き起こすこともありますし、硬い便を一生懸命排泄しようとすることで、痔が起こることも。

このように、便秘は全身にさまざまなトラブルを引き起こすリスクがあるのです。

それでは、便秘やそれによって起こるトラブルを改善するにはどうしたら良いのでしょう。

これまでみてきたように、便秘の原因は大腸内のトラブルです。つまり、大腸の中に食べたもののカスが何日も止まってしまったり、水分が腸壁に過剰に吸収されて便がカチカチになってしまったり、大腸そのものの働きが弱まってしまったりすることが原因となって、便秘が起こっているのです。

ということは、逆に考えれば、大腸を健康にすれば便秘は改善できるということになります。

覚えておきたいことは、「腸はリズムを大切にする臓器である」ということ。

よく、「旅行先で便秘になってしまう」という人がいますよね。それは旅行に出かけると、生活環境や食事の時間、睡眠の時間帯などが変わってしまい、体内リズムが乱れてしまったことが原因。
つまり、不規則な生活を続けると腸のリズムが乱れ、働きが弱まってしまうのです。

便秘を改善したいと思ったら、まずは、食事や就寝、起床の時間を一定にそろえることが必要です。
また、日常的にストレスを感じている人も、自律神経のバランスが乱れやすくなり、腸の働きが鈍くなってしまうことが多いので注意。
ストレスをためず、心身ともに規則正しい生活を送ることが、便秘解消の第一歩なのです

それでは、便秘になった時、一体どのように対処すれば良いのでしょう。あるいは、便秘にならないように予防するには、どのような心がけが必要なのでしょう。
ここでは、「運動・マッサージ」「食べ物」「薬」という3つの観点から考えてみます。

1:運動・マッサージ

多くの場合、便秘は運動不足から起こります。特に、体力や筋力が低下したことが原因で起こるのは、「弛緩性便秘」。
このタイプの便秘の人は、日常的に運動する習慣を取り入れるだけで、症状を改善しやすくなるでしょう。

便秘に一番関わりのある筋肉は、腹筋。腹筋が衰えると、便をスムーズに押し出す力が弱くなります。

とはいえ、特別に筋トレを頑張る必要はありません。
おすすめは、“ちょい起き”の腹筋運動。仰向けになって両手を頭の後ろで組み、ゆっくり息を吐きながらつま先を見るようにして、頭を少しだけ起こします。

この時、お腹をできるだけ薄く引き締めるのがポイントです。
5秒くらい数えたら、再び頭を元の位置へ。これを毎日10回くらい続けることで、適度に腹筋を鍛えることができるでしょう。朝、目を覚ましてベッドの中でやってみたり、テレビを見ながらやってみたり、日常の隙間時間をうまく活用してみましょう。

もちろん、ウォーキング、水泳、ジョギング、ヨガなどの全身運動もおすすめ。
適度に筋肉を鍛え、排便の力を養いましょう。

腹部のマッサージも便秘には効果的。腸を刺激し、排便を促すことが期待できます。
仰向けになって、両手の人差し指から薬指までの4本を使って、おへその周りを時計回りにマッサージします。この時、ひらがなの「の」の字を描くように30回くらい、ゆっくりマッサージすると良いでしょう。
寝る前のリラックスした時間や、入浴したあと、体がポカポカと温まっている時間に行うのがおすすめです。

また、便秘で苦しい時は、便秘に効くツボを刺激するのも良いでしょう。
おなかが張って苦しい時は、手首にある「間使(かんし)」のツボを押してみます。場所は、腕の内側の、手首から指4本分上がったところ。左右の腕の両方にあります。親指をツボにあて、残りの指で腕を支えるようにしながら、2~3分ずつ、ゆっくりもんでみましょう。
次第に腸の動きが活発になってくるはずです。

さらに、寒さや冷えがストレスとなって、交感神経が優位になりすぎることで腸の活動が衰え、便秘になっているかもしれません。特に、冷えが気になる人は使い捨てカイロを使ったり、重ね着をしたりして、冷えを防ぐように心がけましょう。

2、食べ物

便秘の対策で大事なのは、「食べ物」です。
特に、日頃から便秘になりやすい人は、まず食生活を見直すことが必要です。
その際には、次のようなポイントに注意してみましょう。

食物繊維と水分を十分摂る
食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にし、便を排出しやすくしてくれます。
穀物、いも類、豆類、ひじき、寒天、果物など、食物繊維を豊富に含む食品をしっかり摂りましょう。

また、水分の摂取量が少ないと便が硬くなり、排出しにくくなります。こまめに水分を摂ることを意識しましょう。特に、朝、水や白湯などをコップ1杯飲む習慣をつけると、腸が目覚め、ぜん動運動が活発になります。

腸内環境を整える食品を摂る
排便は腸内環境のバロメーター。腸内環境が整っていると、便の状態も良くなりますから、日頃から腸内環境をよくする食べ物を意識して摂るようにしましょう。

たとえば、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトや、納豆などの発酵食品、ビフィズス菌など善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖は、腸内環境を整え、便秘を改善してくれる効果が期待できます。

極端なダイエットはNG。バランスのとれた食生活をキープ
「痩せたい!」と思って極端に食事量を減らすと、食物繊維や水分も不足してしまい、カチカチに硬くなり、出にくくなります。

さらに、ダイエットのために油の摂取を控えると、便の滑りが悪くなって、ますます出にくくなることも。便秘になると、皮膚にニキビや吹き出物などのトラブルが発生しやすくなりますし、膨満感で苦しむこともあります。ダイエットを行なっているつもりが、かえって美容と健康に害を及ぼすこともありますから、極端なダイエットは避け、バランスのとれた食生活を意識しましょう。

食事のリズムを整える
朝昼晩の3食をきちんと摂って、内臓の働くリズムを整えることも便秘改善にはとても大切。特に、朝食を抜いてしまうと、胃腸の働きが鈍くなり、便秘を引き起こしやすくなります。
毎日同じ時間に食事を摂るようにして、体内のリズムを一定に保ちましょう。

3、薬

便秘の対策として、生活習慣だけでなく便秘薬を使用する人も多くみられ、ドラッグストアなどでもさまざまに販売されています。
ここでは便秘薬の種類や特徴についてお話していきます。
一般的に便秘薬は作用のメカニズムによって、主に次の4種類に分けられます。

1:塩類下剤
腸管内に水分を呼び込み、便を柔らかくすることで排便を促します。便が固く、便意を感じてもコロコロ便しか出ないような痙攣性便秘、便秘薬でお腹が痛くなりやすい人などに適しています。また、基本的に習慣性がなく、比較的緩やかに作用を示しますが、高マグネシウム症をきたすこともあるので、高齢者や腎臓障害の患者は漫然に使用しないように注意が必要です。

2:膨張性下剤
薬剤が腸管内の水分を吸収して、便のかさを増やすことで排便を促します。高齢者や軽症便秘患者など、食事量が少なく便量が足りないような弛緩性便秘に効果的です。食物繊維と同様に、自然排便に近い作用を持ちますが、作用は緩やかで効き目が弱いという欠点もあります。

3:浸潤性下剤
水分を吸着させる界面活性作用によって便を柔らかくし、排便しやすくさせます。他の下剤と比べて作用が緩やかなため、下剤を初めて服用する方にも適しています。ただ、浸潤性下剤成分のジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)単体では作用が弱いため、市販されているものは他の下剤と一緒に配合されていることが多いです。

4:刺激性下剤
腸に刺激することで活動を活発にさせて、排便を促します。小腸刺激下剤と大腸刺激下剤の2種類がありますが、使い方が違います。小腸刺激下剤はオイル類がメインで、便秘を解消するより食中毒や腸炎などを発症した際、毒素を体外へ排出する目的で使われることが一般的です。一方、大腸刺激下剤は市販でよくみられる刺激性下剤で、大腸を刺激することで便通を促します。
大腸刺激下剤は、5日以上排便がないなど頑固な便秘、早くすっきりさせたい、どうしてもつらい時に使用することに適しています。効き目が早く一時的な便秘に効果的ですが、長期的な服用で習慣性がつき、かえって慢性便秘をきたす可能性があるので注意が必要です。

このように、症状によって適した下剤が異なるので、自分のタイプに合わせて使用することが大切です。

また、便秘薬を使う時に特に注意すべきなのは、日常的に大腸を刺激するタイプの刺激性下剤を使用すると、腸の動きが鈍くなり、「便秘薬がなければ排便できない」という状態になりかねないことです。これを薬剤性便秘と言います。刺激性下剤の長期連用はなるべく避けてください
また、便秘薬を使って激しい下痢や腹痛が起こる場合は、使用をやめて早めに医師の診察を仰ぎましょう。

そのほか、生薬を使用した漢方の便秘薬もあります。
西洋医学では便が出るように、局所的に対応していきますが、一方、漢方薬は腸の働き全体を整え、症状を改善していきます。

複数の生薬を組み合わせた「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」「大柴胡湯(だいさいことう)」などの漢方薬も、便秘に効果が期待されるものとして、よく用いられています。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」と「大柴胡湯(だいさいことう)」の2処方は便秘を改善して、脂質代謝も上げて余分な脂肪を分解・燃焼する効果がありますが、それぞれが使う体質が違うので、まずは自分の体質に合わせて処方を選ぶことが大切です。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」のタイプ:食べ過ぎや間食が多く、代謝が追い付かなくなることでお腹まわりに脂肪がつきやすく、内臓脂肪で腸管運動が悪くなり便秘になりがちのタイプ。
大柴胡湯(だいさいことう)」のタイプ:年を重ねることやストレスなどでホルモンバランスが乱れ、脂質代謝が低下し筋肉の少ない上半身、特に二の腕や脇腹に脂肪がつきやすいほか、自律神経の乱れで便秘になりがちのタイプ。
「防風通聖散」と「大柴胡湯」の2処方は、ドラッグストア等でクラシエ薬品のコッコアポとして販売されていることがあります。ぜひチェックしてみてください。

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便秘を改善するためにも防ぐためにも、大切なのはバランスの良い食生活と適度な運動。
無理なダイエットで極端に食べる量を減らしたり、「太るから」といって穀類や脂肪を摂らなかったりすると、便になる原料そのものも減ってしまいますし、便をスムーズに排泄するための潤滑油も失われてしまいます。
あるいは、運動不足が続くと、腹筋が弱まり、便を体外へ押し出す力が不足してしまいます。

便秘に悩んでいる人は、まず、食事や運動などの生活習慣を見直すところから始めてみましょう。
また、便秘薬などの服用をする場合、まずは自分の便秘タイプをよく理解した上、最少量から摂取してみると良いでしょう。

万が一、便秘の症状が続いて、下痢と便秘を繰り返したり、血便、発熱、強い腹痛のほか腹部の膨満感などの症状が伴う場合は、市販の下剤に頼らず、早めに病院へ。
便秘の原因として糖尿病や甲状腺の疾患、大腸がん等があります。気になる場合は一度、病院で検査を受けるのが良いでしょう。

「便」は漢字で、「便り(たより)」と書く通り、「健康の良い“お便り”」です。
毎日スッキリ、気持ちよく便を出すことができるように、できることから生活習慣を見直してみましょう。

からだにいいこと
記事監修
からだにいいこと編集部
創刊18周年を迎えた女性向けの健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。