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便秘に効くツボや体操
便秘太りの解消にも効果的!

2023年12月21日

便秘になる原因はさまざまですが、そのどれにでも対処することが可能なツボ押し。

ツボというのは、東洋医学の「気」に基づくもの。気は、体内を巡っている経絡を通って内臓や筋肉、皮膚などに働きかけます。ツボは、経絡を結ぶ中継地点のようなもの。そのため、ツボを刺激することで気を調整して、経絡で繋がっている部位を活性化します。

ツボを刺激する方法には鍼や灸などもありますが、まずは自分の手を使って、いつでもどこでもできるツボ押しを試してみましょう。

もちろん、便秘解消にもツボ押しが効果を発揮します。手のひらや足には腸とつながっているツボがあります。そこを「気持ちいい」もしくは軽く「痛気持ちいい」と感じる程度の強さで押すのがコツ。リラックスしてゆっくり呼吸をしながら、数秒かけてゆっくり押したら、また数秒かけてゆっくり戻すというのが基本の押し方になります。

ツボの位置によっても変わりますが、グリグリと強く押したからよく効くというものではありません。また、ツボを押している時に呼吸を止めないこともポイントです。

どのくらいの強さが自分にとって「気持ちいい」のかは、やりながらわかっていきます。
ツボを押したところに爪の後がつく場合は、爪を短くしてから行いましょう。

手で押すのが大変な場合は、ツボ押しグッズなどを使うようにすると、効果的にツボ押しすることができます。
ツボ押しグッズはシリコンや木製など、触った時にひんやりしないものがおすすめです。また、ツボの場所によってはゴルフボールなどでも代用できます。手の指よりも硬い素材で強く押しすぎないように気をつけましょう。

便秘の種類には主に3つあります。これらが原因で太ってしまうということもあるのです。

  • 腸のぜんどう運動が弱く、便を押し出せない「弛緩性便秘」
  • 腸のぜんどう運動が強いためにけいれんが起こり、便が通りにくい「けいれん性便秘」
  • なかなか便意が起こらず、便が直腸に達しても便意が起こらず、直腸に便が停滞してしまう「直腸性便秘」

それら便秘のどれにも関わるのが自律神経です。自律神経は活動モードの交感神経と、リラックスモードの副交感神経の2つがバランスをとり、日中は活動モードの交感神経が優位で、夕方から目覚めるまでは副交感神経が優位になる…これが1日の自律神経のサイクルです。
そのように眠っている間は副交感神経が優位になっていますので、腸が排便の準備をしている時間。しっかり眠れたならば、体を起こすとぜんどう運動が始まって便を下に押し出してくれるはず。

「弛緩性便秘」の場合
ぜんどう運動を後押しするためにも、朝起きたらすぐにツボを押しましょう。また「弛緩性便秘」は、主に食生活や運動不足などが原因と言われますので、しっかり食事を取り、運動することをおすすめします。

「けいれん性便秘」の場合
ストレスの蓄積や長期化により、逆に腸の運動をサポートする副交感神経の一種が過剰に興奮することで起こります。便秘や下痢を繰り返すことも多くあります。
自律神経のバランスをとるツボを押すのが良いでしょう。

「直腸性便秘」の場合
トイレを我慢したりして直腸の神経を鈍くしているときに起こりやすいので、朝は時間に余裕を持って、コップ1杯の水を飲んでからトイレへ。そこでゆっくりとツボを押すと良いでしょう。

ツボ押しには血流も関係していますので、寒くなってきたらコップ1杯の白湯を飲んで、胃腸を温めるのも効果的。ツボを押しながら深呼吸するのも、よりツボの効果を高めます。

便秘に効果的なツボとその押し方を詳しくイラスト付きでご紹介します。手のツボはいつでも押すことができるので、とっても手軽です。便秘解消に効果的なツボなので、いつでもトイレにいける環境で押すのがおすすめ。また、そのほかの便秘解消のツボがある足首やひざ、お腹まわりは、普段から冷やさないことも大切です。靴下はもちろん、腹巻をしたり、下半身が冷える人は、膝掛けなどを利用してお腹から下を温めるように意識しましょう。

・合谷(ごうこく)
合谷のツボは、親指と人差し指のつけ根にあり、2つの骨が交わるところの内側に位置します。反対側の手の親指でツボをギュッと5回押してはなしましょう。反対側の手も同様に行います。

・神門(しんもん)
手のひらを上に向けた時の手首の小指側にあるのが神門のツボです。骨と筋のあいだにくぼみとなっているので、親指と人差し指で挟むように押すのを左右5回繰り返しましょう。親指を立てて行うと刺激が入りやすいです。

・三陰交(さんいんこう)
足の内側のくるぶしから指4本分上にたどり、スネの骨の後ろのくぼみにあるのが三陰交。両手で足をつかみ、両手の親指の腹をツボに当てて3回押しましょう。反対側の足も同様。

・足三里(あしさんり)
ひざから足の外側に指4本分下の、すねの骨のへりがツボです。人差し指と中指をつかって、骨のへりにぐっと押し込むように押しましょう。各3回。

・天枢(てんすう)
おへそから指3本分外側の両脇にあります。人差し指と中指、薬指を添えて、左右両方のツボを同時に3回押します。お腹が軽く凹む程度の力が目安です。

・大巨(だいこ)
天枢(てんすう)のツボから指3本分下のところが大巨です。両手を腰骨に置き、親指で左右両方のツボを同時に3回押します。こちらもお腹が軽く凹む程度の力で行ってください。

・便秘点(べんぴてん)
背中にあるツボで、肋骨の一番下の骨から指2本下がった場所で、背骨から外側に指4本分くらいのところが便秘点です。ウエストに手を置き、背中のツボの位置に親指を置いたら、体を左右にひねります。これを5回繰り返しましょう。体をひねることでツボを刺激します。

・大腸愈(だいちょうゆ)
腸骨の上の部分の位置で、背骨から指2本分外側の左右両方にあるのが大腸愈です。まず仰向けになり足の膝を立てます。両手でこぶしを作り背中の大腸愈に当てたら、足を左右にゆっくりと動かします。この時、大腸愈のツボに圧がかかっているか確認を。10秒を目安に行いましょう。ゴルフボールやテニスボールを使っても押しやすい。

・湧泉(ゆうせん)
足の指をぎゅっと曲げた時にくぼむところを、両親指で刺激します。

朝起きて布団の上でできる便秘体操を2つご紹介します。

足を動かすことで腸を刺激する体操です。これにより、腸のぜん動運動が起こりやすくなり朝のお通じがスムーズに。両方行っても1分程度で終わるのでとっても簡単です。

1)うつ伏せに寝て、バタ足
うつ伏せになり、腕を顔の前で組みます。ひざを曲げないようにして、ゆっくりと大きくばた足をするように動かします。これを10〜30秒行います。

2)かかとでお尻をたたく
同じ姿勢のまま、次は左右交互に足のかかとで軽くお尻をたたきます。お尻にかかとが届かない人は、できるだけお尻にかかとを近づける意識を。これも10〜30秒行いましょう。

便秘が原因でのぽっこりお腹が気になる…。そんな方に、手軽にできるツボ押しは強い味方です。

自分が「気持ちいい」と感じる程度の強さでツボを押すのがコツ。ツボにより押し方は多少変わりますが、ゆっくり押したら同じ時間をかけて、ゆっくり手をはなしていくのが基本です。強く押したからといって、効果が高くなるわけではないのでご注意を。

便秘に効くツボはいろいろありますが、一番押しやすいが手元のツボ「合谷」です。朝、お通じをつけたい時は、便秘に効く体操の前後に行うのがおすすめ。

ツボ押しや体操をしている間に腸が動いたり、お腹がゴロゴロ音を立てたらすぐトイレへ。朝は忙しいですが、トイレの時間をたっぷりとっておくことも便秘解消のコツです。

また、ツボや体操で腸のぜん動運動の動きをサポートして便秘を解消するほか、漢方薬も便秘に効果があります。漢方薬局やドラッグストアで購入が可能です。

便秘がちで、また余分な脂肪もたまった人には漢方薬で改善する方法があります。

西洋医薬では、便と余分な脂肪、それぞれ局所的に対処していますが、漢方は便秘と脂肪の関係性から、体全体を整えて症状を一緒に改善します。
複数の生薬を組み合わせた「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」と「大柴胡湯(だいさいことう)」の2処方は便秘のほか、脂肪にも効果があることでよく用いられています。
ただし、それぞれ使う体質がちがうので、まずは自分の体質に合わせて処方を選ぶことが大切です。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」のタイプ:食べ過ぎや間食が多く、代謝が追い付かなくなることでお腹まわりに脂肪がつきやすくなるタイプ。このタイプは胃腸の働きが乱れて便秘にもなりがちです。
大柴胡湯(だいさいことう)」のタイプ:年を重ねることやストレスなどでホルモンバランスが乱れ、脂質代謝が低下し、上半身を中心に、筋肉の少ない二の腕・脇腹に溜まりやすいタイプ。また、このタイプは食生活が乱れやすく、便秘にもなりがちです。
「防風通聖散」と「大柴胡湯」の2処方は、ドラッグストア等でクラシエ薬品のコッコアポとして販売されていることがあります。漢方薬で自分にあう脂肪の減らし方を探したいときは、ぜひチェックしてみてください。

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からだにいいこと
記事監修
からだにいいこと編集部
創刊18周年を迎えた女性向けの健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。