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ストレスとは?
原因や症状、対策方法を解説

2023年12月21日

現代はストレスが多い社会と言われていますが、単にストレスといっても、人によって捉え方が違うようです。
大きい意味でのストレスとは「外部からの刺激を受けて生じる緊張状態」のこと。ストレスを起こす外部の刺激にはたくさんの種類があります。

ストレスの状態はよく風船に例えられます。風船を指で押さえる力が、ストレッサー(外部刺激)です。このストレッサーによって風船が歪んだ状態がストレス反応になります。

弱いストレッサーによる歪みは、通常ならばストレッサーがなくなれば自然と丸く戻りますが、弱い力でも簡単に風船が破裂してしまう人もいますし、さらに強い力だと戻りきれなかったり、破裂してしまったりすることになります。

これは、強いストレス反応のことを表します。力が風船に及ぼす影響や、風船が凹みやすいかどうかは、その人の性質によって異なります。

ストレスを起こす外部刺激の種類

ストレスが起こるきかっけとなる外部刺激。どの刺激に弱いかは、個人によって異なります。

●物理的ストレッサー
自動車や工事などの騒音、室内の照明やスマホのディスプレイ、振動など。
また、気象の変化による温度の高低、寒冷、気圧の変化など。

●化学的ストレッサー
酸素の不足や過剰、たばこなどの空気汚染や悪臭、強い香料、薬品、花粉など。

●人間関係ストレッサー
職場や家族、親戚、近所、友人関係のトラブルなど。

●社会的ストレッサー
多忙、夜勤、残業、責任のある役職、就職・転職、借金、転居、入学など。

●肉体的ストレッサー
病気、けが、不規則な生活、睡眠不足、疲労、過度な運動など。

●精神的ストレッサー
家族など近しい人の病気や死、失恋、解雇、倒産、挫折など。

外部刺激によって起こるストレス反応

ストレスを感じると心身に起こる症状です。

●心理面
やる気・集中力の低下、イライラ、不安感、抑鬱状態など。

●身体面
頭痛、腰痛、胃痛、関節痛、肩こり、眼精疲労、動機や息切れ、食欲低下、便秘や下痢、不眠など。

●行動面
飲酒・喫煙の増加、仕事のミスや事故の増加など。

昔と比べて経済的に豊かになり、生活が便利になっている現代ですが、より情報量が多くなり、スピード感や正確性が求められるなど、様々な外部刺激によってストレスを感じやすくなりました。
このようなストレス反応が出る前に、自分はどういった刺激に弱いのか知ることも大切です。

ストレスというと悪いイメージですが、適度なストレスは私たちにやる気をもたらしてくれる効果もあります。

例えば、ある仕事の担当になった時、「よし、がんばるぞ!」と張り切ることができたり、自分を奮い立たせてくれる場合は、いいストレスです。いいストレスは、それを乗り切ることで心身を成長させてくれます。

逆に、「自分にはできるだろうか」と大きな不安を抱えたり、やる気をなくしてしまう場合は、悪いストレスになります。ストレスの起因となるストレッサーが同じでも、その人がどう受け取るかによって、いいストレスにもなり、悪いストレスにもなるのです。

一概に、こういう状況だとストレスに感じるとはいえないのがストレスの難しいところでもあります。

3年ごとに行われている厚生労働省の「国民生活基礎調査」で、悩みやストレスがある人は約半数近くにのぼることがわかっています。

<年別 悩みやストレスがある人の割合>

平成25年48%
平成28年48%
令和元年48%
令和4年46%

令和4年の調査から年代別に悩みやストレスがある人の割合を見ていくと、35~39歳をピークに前後の年代で多く、55~59歳までストレスを抱える人が半数近くにのぼることがわかりました。

<年代別 悩みやストレスがある人の割合>

12~14歳28%
15~19歳35%
20~24歳40%
25~29歳47%
30~34歳51%
35~39歳53%
40~44歳52%
45~49歳52%
50~54歳52%
55~59歳52%
60~64歳46%
65~69歳41%
70~74歳39%
75~79歳41%
80~84歳47%
85歳以上50%

悩みやストレスを内容別にみると、「自分の仕事」が一番多く、ついで「収入・家計・借金等」、その次が「自分の病気や介護」でした。仕事、お金、健康に関することの悩みとストレスがトップ3となることがわかりました。

<内容別 悩みやストレスを感じている人(複数回答可)>

令和4年の「国民生活基礎調査」の「悩みやストレス」のデータを男女別で見ると、悩みやストレスがある人の割合は男性41%、女性51%。男性は35〜59歳で「悩みやストレス」の割合は47〜48%ですが、女性は30〜59歳で57〜58%と、男性と比較すると女性の方が10%ほど多くなります。また、女性は男性と比較して、5歳ほど早く「悩みやストレス」のピークを迎え、その後引き続き60歳頃まで約6割近い女性が「悩みやストレス」を抱えていることがわかりました。

項目別で見てみると、男女ともにトップ3は変わらず、1位「自分の仕事」、2位「収入・家計・借金等」、3位「自分の病気や介護」。ただし、4位になると男性は「家族以外との人間関係」になるのに対し、女性は「家族との人間関係」となります。女性の社会進出が進んだ今も、定年まで働くのは男性が多く、家庭の主なことは女性がおこなっていることが多く、その背景がデータに表れていると考えられます

<男女別 悩みやストレスを感じている人の割合(複数回答可)>

出典:国民生活基礎調査 平成25・28年、令和元・4年のデータをもとに集計 統計表名「世帯人員(12歳以上),悩みやストレスの有-悩みやストレスの原因(複数回答)-無・性・年齢(5歳階級)別」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search?page=1&toukei=00450061

たくさんあるストレスの原因について、主なものの解説をしていきます。

●人間関係
ストレスの原因で一番多いとされているのが、人間関係。仕事関係では、上司、後輩、同僚、クライアントとの関係でストレスが生じます。また、プライベートでは、親子、近所付き合い、ママ友、同級生などによってもストレスを感じます。

自分の思い通りにならないことや、人に合わさなければならない、相手を立てなければならないといった気遣いをストレスと感じる人も多くいます。

●仕事
忙しすぎても、暇すぎてもストレスを感じるのが仕事です。多忙な場合は、残業が多い、ランチの時間が取れない、休日・有給がとりにくい、仕事量が多い、責任が重いなどの時に生じます。また、自分の仕事にやりがいを感じることができず、やる気がでない、このままでいいのか将来が不安といったこともストレスになります。

●家庭
核家族化が進み、人の手をかりるということがしにくくなっている現代の環境は、家庭でもストレスを感じます

掃除、洗濯、食事といった家事全般、育児など、たくさんある家庭の事柄をストレスに感じる場合もあります。出産や子育て、子供の受験などのライフイベントもストレスの要因になります。

●睡眠不足
睡眠不足は心身ともに疲弊するためにストレスとなります。睡眠が足りないと、日中に疲労感を常に感じ、集中力が続きません。これが慢性的に続くと不眠症から抑うつ状態になる恐れがあります。

●性格
ストレスは、人によって感じ方が変わります。なかでも、真面目で几帳面な人、完璧主義、心配性の人は、自分の気持ちを心に溜め込みがちなのでストレスを感じやすいといえます

●テクノストレス
IT化が進み、スマホ、タブレット、PCが生活の必需品となりました。職場でPC、通勤中にスマホ、家ではタブレットと、これらの機器を常に使っているという疲労からストレスが生じます。また、PCやスマホなどを使えない人は、時代に置いていかれている、社会に適応できていないといった不安を感じ、それもストレスにつながります。

仕事のストレスは、年代によっても変わってきます。年代によりライフステージが変わり、それに伴い生活環境も変わるためです。それぞれの年代でどういったストレスが起こりやすいか解説していきます。

●新社会人~30歳くらいまで
学生を終え、社会にでて仕事を始めるのがこの年代です。学生から社会人と、大きな環境変化を伴います。新しい環境で、仕事や人間関係に慣れることが必要で、それに慣れるまでストレスを感じます。自分に合った仕事は何か考える時期でもあり、職業選択の悩みもストレスに。

●30代
仕事がある程度、軌道にのってくる年代です。職場の後輩や仲間も増え仕事に慣れる一方で、責任は増します。また、私生活では結婚など、ライフステージが大きく変化するとき。仕事と家庭の両立に忙しく、睡眠不足になったりすることも。多忙な状態がストレッサーになります

●40代
職場で役職につくなど、さらに仕事への責任が増加。チーム全体を統括する立場など、管理する範囲が広がります。いわゆる中間管理職で、上司と部下の板挟みでストレスを感じることも。独立した人や自営業の人は、忙しく働くのが安心につながり、忙しくないと不安でストレスに。年齢的に少しの睡眠不足でも、翌日大きく影響がでるようになります。無理を続けると心身ともに、急に症状がでやすい年代でもあるので注意したいところです。

●50代
社会的地位のある人とない人の差が、はっきり出てくる年代です。どちらの場合でも仕事のストレス、人間関係に悩みが多くなります。定年後の仕事を視野に入れて考える必要があるほか、親の介護、子供が思春期や受験期に差し掛かるという人も多く、プライベートでの悩みも増えます

どんな年代でも、ストレッサーとなるものはでてきます。ある程度、どんなことが起こるのか年代別に知っておくことで、予測できストレスに対処することもできます。また、自分はどんなタイプのストレスに弱いのか、強いのか知っておくことも、ストレス対策に有効です。

ストレスは心の病気だけでなく、体にも影響を及ぼします。

普段生活している上で、私たちは何かしらのストレスを感じています。適度なストレスは、自分の力で対応することができ、たとえ数日心が落ち込んだとしても回復します。

しかし、長期的にストレスを感じている場合や、自分で対処できないほどのストレスを感じた時は、ストレス反応が慢性化します

ストレスが慢性化し、逃げることができないとなると、自律神経の反応によって今度は心身がフリーズして膠着状態となり、がんばることが全くできなくなります。自律神経の防衛反応で心身に様々な症状が起こるのです。

すると、心の落ち込みを回復させることができず病気になってしまうほか、体の不調も引き起こす場合があります。心身に起こるストレス反応も、フリーズ反応も、いずれも、防衛反応として、自律神経の働きによって起こるものです。

一見ストレスに関係ないと思われる一般的な病気も、実はストレスが原因だったというケースも多くあります。ストレスが強い環境にいる人は、気になることはすぐに、専門家に相談してみましょう。

ストレスによる主な心の病気

●自律神経失調症
ストレス反応やフリーズ反応は、自律神経のコントロールが乱れることでいずれも発生します。

全てが自律神経の失調によって起こるものですが、その中でもなかなか病気とは診断されづらい漠然とした心身の様々な不調を「自律神経失調症」と呼ぶことになります。自律神経は、私たちが意識しなくても体の機能がうまく働くように調整している神経です。自然に呼吸ができ、心臓が常に動いているのも自律神経がコントロールしているためです。

自律神経失調症は、この自律神経がコントロールしている機能がうまく働かなくなるもので、倦怠感、頭痛、肩こり、多汗、動悸、めまいなどが起こります。症状には、不安感や緊張、躁鬱なども。自律神経は体のあらゆる機能をコントロールしているので、自律神経失調症の症状も多岐にわたります。

●うつ病
過度なストレスが長期化することからくる代表的な病気のひとつです。気力が低下し、常に疲れやだるさが残るといった状態が長く続き、自分の力だけでは回復できなくなります。いつも楽しんでやっていることが楽しくない、寝つきが悪い、自分は価値のない人間だと思うといったことも、うつ症状の特徴です。

うつ病にも軽度、重度があり、軽度のうちに精神科や心療内科を受診した方が回復も早く見込めます。軽度だからと仕事を続けるのではなく、思い切って、まとまった休みをとりしっかり休養することが大切です。

また、強いストレス下に置かれている人は、その状態が日常化し自分がストレス下にいることにすら気づけない場合があります。こういった人は、「朝、いきなり起きられなくなった」など、急にフリーズ状態になり発症する場合もあるので、まわりの人がはやめに手を差し伸べたり、会社組織で過度なストレスがないように、調整する必要があります。

●アルコール依存症
お酒を飲む量や、タイミングを自分でコントロールできなくなるほど、お酒に依存している状態になる症状です。ストレスのはけ口として、お酒を飲むということを習慣化していた結果、自分では気づかないうちに依存にまで至っていたというケースも少なくありません。

症状が進行すると、お酒を飲まないと手に震えが起きたり、汗をかいてしまうといった症状がでます。なんとなく毎日お酒を飲んでいるという人は、週に2日以上は休肝日をつくったり、平日はお酒を飲まないなど、お酒を飲む日と飲まない日のメリハリをつけてみましょう。

●燃え尽き症候群
ワーカーホリック(仕事中毒)の人に起こりやすい症状です。熱心に取り組んでいた仕事が終わった途端、突然に意欲を失ってしまうのです。思うように結果が出なかった場合や、目標達成により打ち込めるものがなくなった場合に起こります。

●無気力症候群
アパシーシンドロームとも呼ばれ、意欲や自発性が低下し、特に本業に対して無気力になっている状態のことです。そのほかの趣味などには、興味を示しやる気があるので、本人含め周りも気づきにくい症状です。怠けているとまわりから誤解を受けると、さらに症状が悪化します。

●不眠症
眠りたいのになかなか眠れない、寝ても途中で起きて眠れなくなってしまうといった症状が出ます。日中に睡魔に襲われたり、疲労感が残り体調不良になるといった、日々の生活に支障がでるものが不眠症と呼べるものです。

●テクノストレス症候群
スマホやPC、タブレットを使い続けることで、目を酷使し、目から直結する脳中枢を刺激します。これが脳のストレスとなり、自律神経が乱れるものです。目のかすみや、耳鳴りなどが突発的に起こります。

そのほか、ストレスによる病気を部位別に紹介します。

ストレスによる病気は心の病気だけではなく、体のあらゆる部位に影響。胃腸の病気だけでなく、喘息や糖尿病、腰痛などもストレスの影響を大きく受けている場合があります。

ストレスに関係する身体的病気

ストレス反応やその後のフリーズ反応によって、様々な身体的症状が起こります。

●呼吸器系
・気管支喘息
・過喚起症候群

●循環器系
・本態性高血圧症
・冠動脈疾患(狭心症,心筋梗塞)

●消化器系
・胃・十二指腸潰瘍
・過敏性腸症候群
・潰瘍性大腸炎
・心因性嘔吐

●内分泌・代謝系
・単純性肥満症
・糖尿病

●筋肉系
・筋収縮性頭痛
・痙性斜頚

●皮膚科領域
・慢性蕁麻疹
・アトピー性皮膚炎
・円形脱毛症

●整形外科領域
・慢性関節リウマチ
・腰痛症

●泌尿・生殖器系
・夜尿症
・心因性インポテンス

●眼科領域
・眼精疲労
・本態性眼瞼痙攣

●耳鼻咽喉科領域
・メニエール病

●歯科・口腔外科領域
・顎関節症

厚生労働省「こころの耳」より
https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh002/

ストレスに負けない心身にするためには、ストレスを解消する習慣やストレスをかわす方法を身につけることが有効です。小さなことですが、日々のストレスを溜めないコツをご紹介します。

●意識的に休息をとる
ストレスの耐性を強くするためには、心身ともに健康であることが大切です。疲労があるとストレスにも弱くなります。「1時間に1回10分休む」など、意識的に休息を取り入れて、心身の疲れを溜めないようにしましょう

また、休息をとる時間がない人は、今かかえている仕事のなかでの優先順位をつけて、「絶対にやらなければならないもの」以外は、勇気を持って後回しにすることを試してみましょう。しっかりと休息を取った方が、結果的に効率よく働くことができることがわかるはずです。

ストレスを感じている状態が続くと、「自分にストレスがかかっている」ということすら気づけなくなります。これが続くと、ある日心が「ポキッ」と、折れてしまうことがあるので注意をしましょう。とても危険な状態です。

●深呼吸する
自律神経は体のあらゆる機能をコントロールしているもので、戦闘モードの交感神経と、リラックスモードの副交感神経のバランスで体を調整していることが知られています。

ストレス反応は交感神経が過剰に働くことで起こります。さらに、新しい自律神経の理論では、ストレスが続くことで環境から逃れられないと判断すると、副交感神経の一種が過剰に働き、心身がフリーズする反応が起きると考えられています。こうなると、心身が一気にシャットダウンして、もう頑張れなくなります。

ストレスを感じると体は自律神経を戦闘モードにしますが、ストレス過多だと戦闘モードばかりが続いてしまいます。一度フリーズしてしまうとなかなか元に戻すのが難しいため、この段階でリラックスに努めることが大切です。

そのバランスを整えるために有効なのが、深呼吸です。深い呼吸をゆっくり行うことで、交感神経の過剰を落ち着け、副交感神経を優位にします。ストレスが多い環境の人ほど、深呼吸を日常に取り入れましょう。

●香りを活用する
リラックスしたいけれど、なかなか切り替えができないという人は、香りを活用しましょう。

五感の中で、脳の深い部分にダイレクトに伝わるのが「嗅覚」です。自律神経を司る視床下部にもその情報が伝わり、バランスを整えてくれます。自分が好きな香りのアロマオイルを湯船に垂らしてください。

仕事中であればお湯を入れたマグカップに数滴アロマオイルを入れて、香りを楽しむのもおすすめです。

●体を動かす
心と体は繋がっています。体を動かし、凝り固まった部分をほぐすことで、ストレスでモヤモヤした気持ちを晴らすことができます

運動が苦手な人は、ストレッチや散歩など、軽い運動で大丈夫です。体を動かしていると、ストレスに感じていたことも小さなことと思え、スッキリします。

●趣味に没頭する
自分の好きなことに没頭するのは、ストレス解消にとても役立ちます。漫画を1日中読む、ショッピングに行く、ゲームをするなど、趣味に没頭しましょう。没頭している間は、ストレスを感じたことを考える隙もなく、ストレスから離れることができます

仲の良い友人とたっぷりおしゃべりするのもいいでしょう。気軽に楽しめてリラックスできる趣味を見つけましょう。

●睡眠をたっぷりとる
忙しいと睡眠時間が不足しがち。睡眠不足は心身に大きなストレスとなり、ストレスの耐性も低くします。だらだらとSNSを見る時間を削って、30分でも睡眠時間を長く確保しましょう。

時間が取れない人は、睡眠の質を上げるために、寝具を心地よいものにかえたり、寝室の温度や湿度を調整したりするなど、睡眠環境を整えましょう。

●職場や家以外の場所で気分転換
職場と家の往復だと、なかなか気分転換するのが難しいもの。あえて、普段行かない場所や、通らない道を通り、新鮮な気持ちを味わいましょう。気持ちの切り替えは、環境を変えると行いやすくなります。

大自然の中に出かけるのも良いでしょう。大自然の中で自分がちっぽけだと感じることを「Awe(オウ)体験」と言います。これによってストレスを感じていた脳が一気に解放されます。

●家族や友人、同僚に話す
ストレスは人によって感じ方が違うもの。同じものが起因でも受け取り方次第では、ストレスに感じない場合もあります。

家族や友人、同僚に話して、違った角度からの考え方や意見を聞いてみましょう。新たな視点を取り入れることによって、ストレスだと思っていたことが、ストレスではなくなる場合が多々あります。

一人で抱え込まず、いろんな人の意見を取り入れることはストレスに強くなるためのポイントです。

●ストレスの要因に対応
ストレスに感じることの原因に対して、アプローチして解決する方法はないか考えてみましょう。

例えば、上司の言い方がきつい、夫が家事を手伝ってくれないなど、自分はそれをストレスと感じていることを相手に伝えてみるのです。もしかしたら、相手はまったく気づいていないかもしれません。

やんわりと、自分が感じていることを伝えるだけで、相手が改善してくれる可能性は大いにあります。少し勇気のいることではありますが、伝えてみましょう。

●漢方薬を試す
漢方薬には、イライラやストレスなどに有効な成分もあります。漢方薬局のほか、ドラッグストアでも販売されています。漢方薬に詳しい、医師や薬剤師に相談の上、自分の体質に合ったものを選んでもらいましょう。

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●病院を受診して相談する
ストレスは体のあらゆるところに影響します。不調のある臓器があれば、各専門家、また精神的な症状が目立つ場合は、精神科や心療内科に相談しましょう

重度の場合は、薬物療法が必要になる場合もありますが、根本的な解決をしなければ治療が長期に及ぶことも。職場の問題は、産業医に相談して、職場環境の調整が必要になることもあります。また、心理療法やカウンセリングなどによって、自分の心の内を外に出して解放することで治癒することもあります。

あなたのストレス度は大丈夫? 最近の自分の状況と照らし合わせてチェックしてみてください。当てはまるものが多いほど、ストレスが多い、または知らず知らずにたまっていると考えられます。

  1. 食欲がない、もしくはつい過食してしまう
  2. 睡眠不足、または質が悪く眠りが浅い
  3. 最近、楽しいことがない
  4. 疲れている、疲れが取れない
  5. 気持ちが晴れない時が多い
  6. 何かしらの不安を感じている
  7. 緊張状態にある
  8. 体に何かしらの不調がある

ストレスは、外部からの刺激を受けて生じる緊張状態のこと。ストレスを起こす外部の刺激にはたくさんの種類があります。

人によってストレスの感じ方は変わり、ストレスに対する耐性も異なります。また、年代やライフステージによってもストレスの種類が変化していきます。どういうことが自分のストレスになりやすいのか理解しておくと、対処しやすくなります。

ストレスは過度な状態が続くと、心身がフリーズしてしまい、うつ病や不眠症のほか、体のさまざまな病気を引き起こし危険です。気持ちの落ち込みや、不眠など、思い当たることがある場合は、日常生活に支障が出る前に専門家に相談しましょう。

ストレス社会と言われて久しくなりました。長期化するストレスでもはや心身膠着状態となり、がんばれない人も増えているように思います。ストレスに対応できる心身を保つためには、こまめに解消したり、ストレスを受け止めることなくかわしたりと、自分なりの方法を身につけることが有効です

また、ストレスを感じている場合は、専門家に相談するのはもちろん、ドラッグストアでもストレス症状に対応する漢方薬が販売されているのでチェックしてみてください。

自分では中々イライラを解消できない、またストレスによる肥満が気になる…そんな場合は、漢方薬を取り入れる方法もあります。

イライラしてやけ食い、夜遅い時間に食べてしまうなど、ストレスからくる肥満には大柴胡湯(だいさいことう)がおすすめです。自律神経を整えながら、脂質代謝を上げることで、ストレス太りに効果があります。

大柴胡湯(だいさいことう)」のタイプ:年を重ねることやストレスなどでホルモンバランスが乱れ、脂質代謝が低下し、上半身を中心に、筋肉の少ない二の腕・脇腹に溜まりやすいタイプ。また、このタイプは食生活が乱れやすく、便秘にもなりがちです。

この処方は、ドラッグストア等でクラシエ薬品のコッコアポとして販売されていることがあります。漢方薬で自分にあうストレスや肥満の改善法を探したいときは、ぜひチェックしてみてください。

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からだにいいこと
記事監修
からだにいいこと編集部
創刊18周年を迎えた女性向けの健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。