ご存知のとおり薬膳茶やハーブティーには、さまざまな植物がブレンドされています。
一般的な食材としてスーパーで手軽に購入できるものから、道端に生えている雑草と呼ばれるものまで、有用益な植物にフィーチャー。
中には更年期世代の女性にうれしいボタニカルも。
今月は、道端や土手だけでなく、アスファルトの割れ目などにもたくましく根を張る「タンポポ」について調べてみました。
ヨーロッパでは、野菜として食べられているタンポポ
タンポポ…キク科タンポポ属。花言葉は「愛の信託」「幸せ」「真心の愛」
春になると、あちこちで黄色い花を咲かせるタンポポ。
可憐な見た目とは裏腹に、生命力が強く、どんなに過酷な環境下でも深く根を張り生き延びます。
私たちがよく見かけるのは、明治時代に日本に持ち込まれた「セイヨウタンポポ」が野生化したものです。
セイヨウタンポポは「ショクヨウタンポポ」とも呼ばれ、ヨーロッパでは野菜として食べられています。
葉はサラダやスープの具となり食卓に並び、根は乾かしてハーブティーやコーヒーのようにして飲まれています。
アメリカでは花を自家製の醸造酒(タンポポワイン)の原料に使う地域も。
まさに捨てるところナシ！な植物です。
実は日本でも江戸時代に、タンポポをおひたしにしたり、汁の実にしたりして食べていたそうです。
江戸時代の古医書「食用簡便」では、「血の巡りをよくする」「便秘解消」「解毒」などの効果が期待できる薬草としてタンポポが紹介されています。
また、中国でも蒲公英(タンポポ)の地上部葉が湿熱のトラブルに生薬として利用されてきた歴史があります。
タンポポは、女性にうれしい栄養の宝庫！
今では雑草扱いされているタンポポですが、とても頼もしい有用植物であることはお分かりいただけたと思います。
実際に葉も根もとても栄養が豊富です。
それぞれにどのような栄養が含まれているのかを調べてみました。
【タンポポの葉に含まれる栄養素】
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンE
- ビタミンK
- カルシウム
- 鉄
- マグネシウム
- イヌリン
ブロッコリーと比較するとビタミンAは1.5倍、カルシウムは4倍、ビタミンKは7.5倍含まれるというから驚きです。
骨密度が気になる更年期世代の女性に、うれしい栄養素がギュッと凝縮されていますね。
【タンポポの根に含まれる栄養素】
- 鉄
- カルシウム
- カリウム
- マグネシウム
- リン
- 亜鉛
- イヌリン
現代人に不足しがちなミネラルの補給にもよさそうです。
タンポポのスペックの高さに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
タンポポの栄養を手軽に摂る選択肢は、お茶
興味が湧いた方もいらっしゃると思いますが、排気ガス、除草剤や農薬、犬の糞などの汚染も気になりますし、食べる前の下準備に手間がかかるなど、自分で採取して食べるのは少しハードルが高いかもしれません。
おすすめは、市販されているタンポポ入りのお茶です。
自分の体質に合うほかの有用植物が一緒にブレンドされたものなど、香りを楽しめるものもおすすめ。
ネットで買えるものもありますし、ティーパックタイプなら好きなタイミングでお湯をそそぐだけで簡単に、タンポポのもつ生命力を取り入れることができるのでお試しあれ。
