更年期は女性ホルモンの分泌の低下により、さまざまなカラダとココロの不調が出やすくなります。その中でも、訴える声が多いのが頭痛です。

片頭痛や緊張型頭痛などの種類があり、こめかみや後頭部に痛みを感じたり、吐き気やめまいなどのつらい症状がでることもあります。

これらの原因はさまざまですが、更年期に起こるバランス状態の乱れも影響していると考えられます。

本記事では、更年期に起こる頭痛の主な種類や原因、タイプ別に更年期の頭痛におすすめの食べ物、飲み物を紹介します。頭痛を緩和するとされるツボ、温める・冷やすことによる対処法も紹介します。 

更年期に起こる頭痛の主な種類と原因

更年期の女性に多い頭痛の種類別に、症状や原因を見ていきます。頭痛といっても原因や症状はさまざまなため明確に分けることが難しいですが、主な特徴をつかんでいきましょう。

※頭痛は更年期にみられる症状のひとつで、ここでは代表的な例を紹介します。
今までなかったのに急に頭痛が出てきた、痛みなどの症状が増している・長引いているなど、気になる変化や症状がある場合は、緊急対応が必要な病気の可能性もあります。頭痛は放置せずに、神経内科や脳神経外科などの専門医、または、かかりつけ医や婦人科など早めに医療機関を受診しましょう。

片頭痛

片頭痛の症状は、頭の左側や右側だけが脈打つようにズキズキ痛む、または、両側のこめかみが脈打つように痛むのが特徴です。他にいくつかある特徴もあげておきましょう。

  • 数時間から数日にわたって続く
  • 光や音、においに対する過敏さを伴う
  • 吐き気やめまいが起こるケースもある
  • 視覚的に閃光が見える人もいる
  • 動くと頭に響く  など

片頭痛の原因は完全に特定されていませんが、ホルモンバランス変化との関連も指摘されています。20代から50代の女性に多く見られ、50代以降は年齢とともに症状が和らぐ傾向です。
また、ストレスや疲れのほか、空腹や光、音などの感覚の刺激が片頭痛を起こす引き金になることもあります。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭全体がきつく締め付けられるような圧迫感を伴う痛みが特徴です。他にもある特徴をあげていきます。

  • 片頭痛に見られるような脈打つ痛みではない
  • 肩こりや首こりを伴うことが多い
  • 吐き気はほとんどない
  • 温めると楽になる
  • 動いても頭には響きにくい  など

原因として、長時間のデスクワークで同じ姿勢を続けたときなどに、頭、首、肩の筋肉の緊張が一因となって発生するものや、慢性的な心的ストレスが継続することで頭痛が頻繁に発生することなどが挙げられます。
緊張型頭痛は年齢による差異や傾向は少ないと考えられています。

混合型頭痛

混合型頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛の両方が見られるのが特徴です。

症状の現れ方には個人や状況による違いがあり、片頭痛の特徴が強く現れたり、反対に、緊張型頭痛の特徴が強く現れるときもあるようです。また、いつもは片頭痛を持つ人が、体調などによって緊張型頭痛を経験することもあるでしょう。

どのようなときに片頭痛または緊張型頭痛が強く現れるのかをメモしておくと、自分の頭痛のパターンを把握することにつながり、適切な対処法を見つける手助けになるでしょう。

気候や気圧

低気圧の接近や台風、梅雨の時期に頭痛が起こりやすい女性は多いようです。これらの症状は、気象病や天気痛などとも呼ばれ、頭痛以外にも全身のだるさや意欲の低下などを伴うことがあります。

私たちのカラダは常に気圧と気温にさらされており、それらが急激に変化することで体内のバランスを崩しやすくなり、全身にさまざまな症状を引き起こすと考えられています。

一因として、気圧の急激な変化が血管や神経に影響を及ぼし、日頃から持っている頭痛を悪化させることが考えられます。

また、生理周期や更年期に伴う自律神経の乱れなどにより、より敏感に気圧の変動による影響を受けやすくなる可能性もあるでしょう。

【タイプ別】更年期の「頭痛」の特徴と対策

メノテックライフが提案する更年期の女性に多い8つのバランスタイプ

メノテックライフでは、更年期に関する研究や生活者アンケートの結果を多角的に分析し、更年期に乱れやすい症状に注目して独自に定義した「虚-実、寒-熱、湿-燥」3軸・6要素のバランス状態を判定する「バランス状態チェック」を考案しました。

3軸のバランス状態を組み合わせた8タイプの中から、今の自分の状態を判定できます。

【判定】あなたの「バランスタイプ」は?

同じように思える更年期の「頭痛」でも、人によってタイプは異なります。心身のバランスが乱れる原因が分かれば、バランスを整えるための方法を知ることができます。あなたのバランス状態をチェックしてみませんか?

更年期の「頭痛」|おすすめの食べ物・飲み物

「バランス状態チェック」は、もう試されましたか?

更年期の「頭痛」は、バランス状態チェックの中で独自に定義している「湿」「寒」のタイプに多い傾向にあります。そこで、「湿」「寒」のタイプにおすすめの食べ物、また、頭痛を訴える女性に多い「貧血」におすすめする食べ物、タイプに関係なく更年期の「頭痛」におすすめの飲み物を紹介します。

更年期の頭痛|湿タイプにおすすめの食べ物

バランス状態チェック 湿

□ 雨や台風の時に頭痛を感じやすい
□ めまいや耳鳴りを感じやすい
□ 手足や顔などがむくみやすい

バランス状態チェックの中の「湿」タイプに多い症状で、体内の水の巡りがよくなく、水分バランスが過剰になっている可能性があります。

特に、片頭痛は、水の巡りが悪くて血管や神経の周りに滞るため、血管が広がろうとする時に圧迫されることによる痛みと考えられています。

余分な水分を排出する(水をさばく)作用が期待できる食べ物

湿タイプの頭痛には、体内の水分バランスを整え余分な水分を排出する(水をさばく)食べ物がおすすめです。

ハトムギ、小豆、ひじきやわかめなどの海藻類は、水分代謝を促したり、体内の余分なものを排出したりする効果が期待できます。

また、トウモロコシにも体内の余分なものを排出する作用が期待でき、トウモロコシのひげにも同じ働きを持つ栄養素が含まれています。トウモロコシのひげは捨てずに、刻んで味噌汁に入れる、素揚げしてサラダなどのトッピングにする、乾燥させてハーブティーとしていただくなどして上手に取り入れてみましょう。

更年期の頭痛|寒タイプにおすすめの食べ物

バランス状態チェック 寒

□ こりや痛みを感じやすく、温めると改善される
□ 腰や手足が冷えやすい・寒がり
□ 顔色は青白い方だと思う

バランス状態チェックの中の「寒」タイプに多い症状で、頭痛のほかにも、目の疲れや肩こり、腰の痛みなどを感じやすい傾向にあります。

「寒」と「湿」が組み合わさると、痛み、疲労感、寒さに対する嫌悪感なども起こりやすくなります。

冷え性対策になる食べ物

寒タイプの頭痛には、カラダを温める食べ物を積極的に取り入れることがおすすめです。

血流を改善し、体温を上げる効果が期待できる食べ物として、かぼちゃ、たまねぎ、生姜、湿タイプでも紹介した小豆があります。

また、シナモン、ナツメグ、フェヌグリークといったスパイスも◎。紅茶にシナモンパウダーを入れたり、ナツメグやフェヌグリークが入ったカレースパイスを料理に加えるのもおすすめです。

更年期の頭痛|貧血対策になる食べ物

更年期に頭痛の症状を持つ女性には「貧血」の症状を訴える人が少なくありません。血の量を増やしたり巡りを促したりする食べ物を取り入れましょう。

シソに含まれるαリノレン酸は体内でEPAに代謝され血流を改善し頭痛を緩和させる効果が期待できます。料理に使うスパイスでは、フェンネルは血行を促し、八角は頭痛などの痛みを和らげる作用があると考えられています。

また、きのこの一種であるきくらげは、鉄分を多く含む食べ物で貧血対策におすすめです。

中でも、黒きくらげは貧血に効果が高いとされており、ナツメなどと一緒に食べることで相乗効果が期待できます。これまでに紹介した野菜やスパイスと、黒きくらげ、ナツメを入れた栄養たっぷりのスープなどで食べるのがおすすめです。

更年期の頭痛|おすすめの飲み物はハーブティー

更年期に起こる頭痛にはハーブティーがおすすめです。

  • カモミールは、カラダや神経の緊張をほぐす、カラダを温める、甘い香りでリラックスさせるといった効果が期待できます。
  • ペパーミントは、頭痛などの痛みを和らげたり、清涼感のある香りでココロを落ち着かせる作用が期待できるでしょう。
  • フィーバーフュー(ナツシロギク)というハーブにも頭痛のつらさを緩和する作用があるといわれています。やや苦味があるため、カモミールティーなど口当たりのよいハーブティーとブレンドして飲むのがおすすめです。

なお、仕事や家事のリラックス時間にコーヒーを飲む人も多いと思います。コーヒーに含まれる適度な量のカフェインは頭痛を緩和する効果があると指摘されている一方で、飲みすぎは頭痛の引き金になる可能性があるといわれています。つまり、コーヒーは飲みすぎない程度に楽しむことがポイントといえるのです。

午前中にコーヒーを楽しんだら、午後はハーブティーに切り替えるなど、飲む量やタイミングを調整して上手に楽しみましょう。

女性の「頭痛」におすすめの対策とは?

頭痛の緩和に効果的な対処方法を紹介します。簡単なツボ押しや、頭痛の種類に応じた温め・冷やすことによる対処法です。日々の生活に上手に取り入れていきましょう。

※ここで紹介するのは、一時的に頭痛を緩和させるための対処法です。頭痛がある場合は、適切なタイミングで医療機関の受診を検討しましょう。

ツボ

息を吐きながらゆっくりリラックスしてツボを押すことで、頭痛を和らげたり、更年期で乱れた自律神経を整えたりする効果が期待できます。

肩・首・頭の筋肉が緊張して血流が悪くなる緊張型頭痛におすすめのツボ

  • 百会(ひゃくえ):頭のてっぺんの少しくぼんだ所
  • 風池(ふうち):耳の後ろの骨と、後頭部のくぼみの中間
  • 天柱(てんちゅう):髪の毛の生え際付近、首の太い骨の外側

ズキズキと脈打つような片頭痛におすすめのツボ

  • 合谷(ごうこく):手の甲の親指と人差し指の骨が交差するくぼみ

※ツボの刺激で頭痛が悪化する場合はツボ押しをやめ、医療機関を受診しましょう。

頭痛は温める・冷やすどっちがいい?

頭痛の種類によって、冷やすか温めるかの対処法が異なるといわれています。

片頭痛は血管が広がることで痛みが強くなると考えられるため、基本的には頭の痛い場所を気持ちいいと感じる程度に冷やすとよいでしょう。

緊張型頭痛では温めることで、緊張している頭や首、肩の筋肉が緩み楽になると考えられています。蒸しタオルや市販の温熱グッズを痛い部分に当てたり、ゆっくりと湯舟に浸かりカラダを温めたりしてリラックスを心がけましょう。

混合型頭痛は片頭痛、緊張型頭痛のどちらが強く現れているかで最適な対処法は変わります。急激に冷やしたり温めたりしないで、そのときに快適と感じる方法を確かめながら対処しましょう。

頭痛の原因と自分のタイプを知り適切な対処方法を

更年期に頭痛がひどくなる人は少なくありません。若いころから頭痛があると、「いつもの頭痛だから……」と我慢してしまいがちですが、生活の質を落としかねないつらい症状のひとつのため、病院へ相談することも含めて上手に対処していくことが大切です。

頭痛を緩和しよりよい日々を送るためには、更年期に乱れがちなバランス状態を意識し、今の自分の状態を知って、それに合った対策を取り入れてみるのがポイント。自分のカラダをいたわり、更年期のつらい症状を和らげていきましょう。

あなたも、自分のバランス状態をチェックしてみませんか?
メノテックライフのバランス状態チェック