
冬も終わりが近づき、冷たい空気の中にも少しずつ春の気配が感じられる頃となりました。
朝晩の冷え込みは厳しいものの、日差しの柔らかさや少しずつ長くなる日照時間に春の足音を感じられることもあるかと思います。
冬は栄養をためようとする力が働き、体にとって有害な物質や余分な脂肪や老廃物も溜め込みます。これを開放するのが新陳代謝が働きやすくなる春。
旬の食材を取り入れたレシピで、春に向けた準備を始めましょう。
ミネラルと旨みが豊富なあさり

あさりは春から初夏にかけて旬を迎える貝類で、食養生において非常に優れた食材とされています。
あさりには鉄分、ビタミンB12やタウリンが豊富に含まれており、貧血予防や疲労回復、肝臓のサポートにも役立ちます。特に春は新陳代謝が活発になる季節であり、冬の間に溜まった老廃物を排出するために血液の循環を促すことが重要です。
さらに、あさりは体内の余分な熱を冷ます作用があるとされ、春先の体調不良やのぼせの改善にも役立ちます。味噌汁や酒蒸し、パスタなど様々な料理に取り入れやすく、旨味成分が豊富で消化も良いため、体に負担をかけずに栄養を補給できます。
咳やのどの渇きなどを抑える働きもあるため、春に乾燥を感じる方にもおすすめの食材です。
春を代表する旬の食材菜の花

菜の花は春の訪れを告げる代表的な食材であり、食養生において重要な役割を果たします。春になって温かくなると新陳代謝が活発になり、冬に溜まった老廃物を体外に追い出そうとします。東洋医学では「春は肝の季節」といわれ、「肝」の活動が活発になる時期とされ、「肝」を養ってあげることが大切と考えられています。また、東洋医学における「肝」は自律神経を調整し、感情調節などの大切な働きを担っているとされています。
菜の花に含まれる豊富なビタミンCや食物繊維は、免疫力を高めるとともに腸内環境を整え、デトックスを促進します。特有のほろ苦さを持つ成分は、体内の解毒作用を高め、春特有の身体のだるさや疲労感を和らげてくれます。また、鉄分や葉酸も含まれており、貧血予防や血行促進にも効果的です。
旬の菜の花を食生活に取り入れることで、体内の巡りを良くし、心身のバランスを整え、春の変化にスムーズに適応する助けとなります。
食感と香りが魅力のたけのこ

たけのこは春を代表する食材で、食養生において体の調子を整える効果があります。
たけのこには食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整え便通を促進することで、冬に溜まった老廃物の排出を助けます。特有のシャキシャキとした食感とほろ苦さには、体内の余分な熱を冷ます作用があり、春先の疲れやだるさ、のぼせ感の解消にも効果的です。
また、カリウムも多く含まれており、体内の余分な塩分を排出してむくみを防ぐとともに、血圧の調整にも役立ちます。さらに、たけのこに含まれるチロシンという成分は、新陳代謝を活発にし、脳の働きを助ける効果があるとされています。これは春の環境変化に伴うストレスや疲労感の軽減に効果的です。
ただし、たけのこは体を冷やす性質があるため、冷えやすい体質の方は生姜や唐辛子など体を温める食材と一緒に加熱調理するとバランスが取れます。
旬のたけのこを上手に取り入れ、春の体調管理に役立てましょう。
身体のバランスを整えてくれる酸味

酸味は食養生において春の季節に適した味とされています。
春は体の新陳代謝が活発になる季節でもあり、肝臓の働きが重要で、酸味は肝臓の働きを助け整えます。また、酸味のある食材には、レモンや酢、梅干し、柑橘類などがあり、これらは唾液の分泌を促して消化を助け、新陳代謝を活発にします。
また、酸味には引き締める作用があり、体内の過剰な水分の排出を抑えたり、汗のかきすぎを防ぐ効果も期待できます。
春は冬に溜まった老廃物を排出し、新たなエネルギーを取り入れる時期ですが、酸味はその過程で生じる疲労感やだるさの軽減にも役立ちます。ただし、酸味の摂りすぎは消化器に負担をかけることがあるため、適量を心がけることが大切です。酸味を日常の食事にバランスよく取り入れることで、季節の変わり目の体調管理に役立ち、心身の調和を保つ助けとなります。
材料(2人分)

ゆでたけのこ100-200g
あさり100g
桜えび 大さじ1
玉ねぎ1/4個
菜の花 3-5束
にんにく1片
米1合
白ワイン1/4カップ
オリーブ油大さじ1
しょうゆ大さじ1
輪切りレモン4切れほど
塩適量
作り方

1. あさりは砂抜き※をした後、耐熱容器に入れ、白ワインを入れてラップをし、電子レンジ600Wで約3分間加熱します。

※あさりの砂抜き方法
こすり洗いした後、ボウルに50度のお湯を入れ、10分ほど漬けておく時短の方法と、常温で暗くした状態で3%濃度の塩水に2-3時間つけておく方法があります。
いずれの方法もあさりの頭が少し出るくらいに入れることが重要です。
あさりは温度が20℃のときが活発になるため、冷蔵庫ではなく常温で置きます。夏の暑い時期は涼しい場所もしくは冷蔵庫から出し入れすることで温度を調整します。
塩水は500mlのペットボトルに入れた水とキャップ2杯分の塩(約15g)で簡単に作れます。

2.にんにく・玉ねぎをみじん切りにし、たけのこは一口大のものを薄切りにカットしておきます。

3.にんにくを、オリーブオイルを入れたフライパンで炒めていきます。
香りが出たら、玉ねぎと、桜えびも入れて炒めます。
菜の花はさっと塩ゆでし、一口大に斜め切りにカットしておきます。(大きめの菜の花は先にカットしてから湯がきます。)

4. 2のフライパンに、たけのこを追加し、生米も入れてお米が少し透き通るまで炒めます

5. 1のあさりを電子レンジから取り出し、口が空いたら煮汁と分けておきます

6. 煮汁に水を足して200ccにしてフライパンに入れ、追加で100ccの水を入れ、醤油も入れて軽く混ぜます。沸騰したら蓋をして弱火にし、13分ほど炊いていきます。

菜の花・あさり・レモンの輪切りを入れて、水分が多い場合は蓋を取って、中火にし2-3分火にかけます。

お召し上がりの際にお好みで、粉チーズやレモン果汁をふりかけても香り高くお召し上がりいただけます。
参考記事:季節のお野菜レシピ≫たけのことあさりのパエリア | スタジオウィッシュ|京都の料理撮影スタジオ
バランス状態チェックで、ご自身に合う食材も探してみましょう!
