更年期になると急に顔やカラダがほてったり、突然気分が落ち込んだり…。自分の意思とは関係なくココロ不調が起こることがあります。

今まで感じなかったような更年期の体調不良に、不安や憂うつ感を覚えている女性も多いことでしょう。

このような更年期によるつらい症状は、女性ホルモンの減少による自律神経の乱れが関係しています。

本記事では、なぜつらい更年期の症状が出るのかについて、女性ホルモンと自律神経の関係に注目して解説していきます。

また、本記事で紹介するクラシエメノテックライフ独自の「バランス状態チェック」では、同じ「自律神経の乱れ」でも、バランスタイプごとに異なる原因を知ることができます。今の自分のバランス状態がどのタイプに当てはまるのかをチェックし、自分に合った対策を見つけましょう。

更年期に起こる自律神経の乱れと女性ホルモン・体調不良との関係

更年期に起こる自律神経の乱れと女性ホルモン、体調不良との関係について、順を追って解説します。

自律神経と女性ホルモンとの関係

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンという2つの種類があります。これらの女性ホルモンは、生理や妊娠に関することだけでなく、女性のカラダやココロを支えるさまざまな働きをしています。

●生理・妊娠に関する働き
●女性らしいカラダを作る
●肌や髪の潤いを保つ
●血管のしなやかさを保ち血流をよくする
●幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を間接的に促す 
●抗うつ作用  など

この女性ホルモンをはじめさまざまなホルモンの分泌を調整しているのが、脳にある視床下部です。女性ホルモンは、視床下部から出される指令によって、卵巣で作られるという仕組みになっています。

この視床下部はホルモン分泌を調整する働きのほかにも、自律神経を調整する役割も担っています。

自律神経とは、血圧、心拍、体温、呼吸、消化、代謝、排尿・排便など、生きていく上で必要不可欠で自分の意思では制御できない部分を調整する役割を果たしています。

このように、女性にとって非常に重要な働きを持つ女性ホルモンの分泌と自律神経系は、視床下部を介してとても深い関係にあるということができます。

女性ホルモンの低下で自律神経の乱れが起こる

更年期になると、卵巣機能が低下することで女性ホルモンを生成する機能が落ち、分泌できる量が徐々に減っていきます。中でもエストロゲンの分泌量の減少は視床下部にも大きな影響をもたらします。

エストロゲンを分泌するよう指示を出している視床下部は、指令を出しているにもかかわらず、十分に分泌されないことに混乱をしはじめます。

この状態が続くと、同じ視床下部によってコントロールされている自律神経にも乱れが生じてくるのです。

自律神経を調整する視床下部と脳の感情を司る部分(大脳辺縁系)が情報をやりとりをしているためココロの状態にも影響を与え、不安や緊張感の高まりが現れることもあります。

このように自律神経の乱れは、カラダやココロの機能にも変化を引き起こします。これこそが、更年期に起こるカラダやココロの不調を生み出す主な原因になっているのです。

●自律神経の種類とバランス機能について●

自律神経には、交感神経と副交感神経という2つの種類があります。交感神経とはアクセルのような存在。活動的な行動や気分を高揚させるような働きを持ちます。

副交感神経はブレーキのような存在です。交感神経で高まりすぎたカラダやココロを鎮めたり、リラックスさせたりする作用があります。

これらは常にバランスを取りながら、カラダとココロを健康に保っています。

更年期に入り自律神経に乱れが出てくると、交感神経と副交感神経のバランス状態にも乱れが現れます。

交感神経だけが過剰に働いたり、副交感神経だけが過剰に働いたりすることで、カラダやココロのバランスにも乱れが生じるようになるのです。

更年期の自律神経の乱れによって生じる体・心への影響

更年期の自律神経の乱れによって生じるカラダやココロの症状について詳しく解説します。

更年期|自律神経の乱れによるカラダへの影響

  • ほてり・ホットフラッシュ
    自律神経の血圧や発汗に関する調整機能が乱れると、運動したわけでもないのに、急に上半身にほてりやのぼせを感じたり、汗がとまらなくなったりするような更年期の症状が発現します。動悸や息切れが出る人もいます。
  • 倦怠感
    普段通りの仕事なのに異常につかれを感じる、家事でつかれてしまいソファーから起き上がれないといったことも、自律神経の乱れによる更年期特有の症状です。
  • 肩こり・首こり・腰痛
    自律神経の乱れで交感神経が過剰に働きすぎると、筋肉などが異常に緊張するなどして肩こりや首こり、腰痛が悪化することがあります。
  • めまい・耳鳴り・頭痛
    これらも、自律神経の乱れによって起こる更年期に出やすい症状のひとつです。
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更年期|自律神経の乱れによるココロへの影響

  • イライラ・怒りっぽくなる
    自律神経の感情のコントロールが乱れると、急にイライラしたり、怒りがこみあげてきたりするような症状が出ます。
  • ささいなことが気になる・気分の落ち込み・憂うつ
    同じように自律神経の感情のコントロールの乱れでも、ささいなことがいつまでも気になったり、気分が落ち込んで憂うつになる機会が増えたりする女性もいます。
  • やる気が出ない・だるい
    やる気が出ない、仕事や家事がつらい・だるいといった意欲や気分の低下も自律神経の乱れで起こる更年期の症状のひとつです。
  • 不眠
    実は、自律神経の睡眠に関する調整機能が乱れて眠りが浅くなり日中も眠たいなど、不眠の症状が出る方がとても多いのです。夜間に起こる急なほてりや発汗で目が覚めてしまう方もいます。
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更年期の自律神経の乱れ|あなたの「バランス状態チェック」

メノテックライフでは、更年期に関する研究や生活者アンケートの結果を多角的に分析し、更年期に乱れやすい症状に注目して独自に定義した「虚-実、寒-熱、湿-燥」3軸・6要素のバランス状態を判定する「バランス状態チェック」を考案しました。

3軸のバランス状態を組み合わせた8タイプの中から、今の自分の状態を判定できます。

【判定】あなたの「バランスタイプ」は?

心身のバランスが乱れる原因が分かれば、バランスを整えるための方法を知ることができます。あなたのバランス状態をチェックしてみませんか?

自律神経を整えるための栄養・食事

更年期の自律神経の乱れによって起こるさまざまな症状を軽減させるために、おすすめの栄養や食事を紹介します。栄養素はバランスよく摂取することで最大限に機能を発揮するため、どれかだけに偏るのではなく、バランスのよい食事という意識を持って上手に取り入れていきましょう。

トリプトファン

トリプトファンとは必須アミノ酸のひとつで、別名「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンの原料になる栄養素です。

セロトニンは感情面や精神面、睡眠といった人間の重要な機能に関係する神経伝達物質です。トリプトファンは基本的に体内で生成できないため、積極的に食べ物から摂取するようにしましょう。

【トリプトファンが多い食べ物】

  • 大豆製品(豆腐や納豆、味噌など)
  • 乳製品(チーズや牛乳、ヨーグルトなど)
  • 米などの穀類
  • バナナ など

ビタミン・ミネラル類

自律神経を整えるためには、ビタミンやミネラル類を積極的に摂取しましょう。

ビタミンやミネラルは体の機能を維持し正常に保つために欠くことのできない基本的な栄養素で、お互いに作用しあうことで効果を大きく発揮します。

そのため、どれかに偏りすぎず、バランスよく摂取するのがポイントです。

ビタミンB12・ビタミンB12は自律神経を安定させる効果が期待
・魚介類や卵、海苔、レバー など
ビタミンB6 ・ビタミンB6はセロトニンやGABAなどの合成を助け気持ちを落ち着かせる作用が期待
・かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉類など
ビタミンB1・ビタミンB1は自律神経の働きを正常に保つ効果が期待
・ほうれん草、落花生、豚肉 など
ビタミンC
・ビタミンCは抗ストレスホルモンを合成しストレスの抑制・自律神経安定効果が期待
・レモン、ブロッコリー、パプリカ など
ビタミンE
・ビタミンEは自律神経を整える効果が期待
・ウナギ、マグロ、カボチャ、ナッツ類 など
マグネシウム・交感神経を抑制し、体温を調節する効果が期待
・玄米やアーモンド、くるみ、海藻類 など
カルシウム・ココロの緊張や興奮を和らげる効果が期待
・牛乳、チーズなどの乳製品、魚介類、大豆製品 など

ハーブティーでリラックス効果

現代人は緊張やストレスがかかることが多く、自律神経の中でも、交感神経が過剰に働きがちです。

緊張やストレスを感じるときや不安感が強いときは副交感神経を優位にする作用を持つハーブティーがおすすめ。静かに読書をしたり、好きな音楽を聴きながらリラックスする時間を作りましょう。

【副交感神経に効果的なおすすめハーブティー】

  • ジャーマンカモミール
  • レモンバーム
  • フェンネル 

自律神経を整えるためのセルフケア

更年期に乱れやすい自律神経を整えるのに、すぐに取り組めるセルフケアを3つ紹介します。

朝日を浴びる・一駅歩く

自律神経を整えるには体内のリズムを整えることが大切です。

もっとも簡単にできる体内のリズムを整える方法は、朝日を浴びること。朝日を浴びると、体内時計がリセットされ、目覚めがよくなるといった効果が期待できます。

これは「セロトニン」「メラトニン」という睡眠に関するホルモンが関係しています。

「セロトニン」は日光を浴びることで生成の開始・分泌が行われるため、夜になるにつれ徐々に体内の分泌量が減っていきます。一方で、「セロトニン」を材料に生成される「メラトニン」は夜になると増えていきます。

夜眠くなるのは、この「メラトニン」が増えるためで、私たちの睡眠の質に深く関わっているホルモンなのです。朝日を浴びることは間接的にメラトニンを増やして質の良い睡眠につながるといえるのです。

夜間勤務など朝日を浴びることが難しい方におすすめなのは、時間の余裕がある日に、少し早めに出勤して一駅分ほど歩くというセルフケア方法です。適度な運動は自律神経を整える効果が期待でき、質のよい睡眠にも有効です。

早く家を出た分、お気に入りのカフェで少しゆったりとコーヒーブレイクを楽しむのも、副交感神経を刺激してよいリラックス効果が得られるでしょう。

無理のない範囲で少しの工夫を心がけることが自律神経の乱れを整えるポイントです。

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しっかり睡眠

自律神経を整えるには、しっかりとした時間と質を確保した睡眠を取ることが大切です。

しかし、なかなか上手に睡眠をとれないという女性もいるでしょう。しっかり睡眠を取るためのポイントを紹介するので、無理のない範囲で試してみましょう。

  • 睡眠の90分ほど前に、湯船につかる入浴をする
    入浴で深部体温を高めてあげると、体温が下がる時に入眠がスムーズになります。
  • 就寝30分~1時間前にはスマートフォンやパソコンを見ないようにする
    SNSや動画などでリフレッシュした後は、覚醒モードから徐々に睡眠モードに近づけていきましょう。
  • 部屋の明かりは暖色系(オレンジ色)にする
    可能なら間接照明のみがおすすめです。
  • 寝る前にカフェインやアルコールを摂取しない
    できる日だけでもOKです。
  • 腹式呼吸
    息を吸うときは、おへその下あたりがふくらむのを意識します。息をはくときは、おへその下あたりが少しずつへこんでいくよう、5秒ほどかけてふーとゆっくり息をはき出します。
    5〜10回ほど、気持ちいいと感じる程度繰り返してみましょう。副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待できます。
  • どうしても眠れないときは、無理して寝ようとせず、好きな音楽やアロマをたいてリラックスする
    寝落ちできるようにひざ掛けや毛布は忘れずに。

更年期による不眠が1~3カ月以上続くようなら、婦人科医やかかりつけ医、薬剤師などの専門家に相談してみましょう。眠りを促す睡眠導入剤や、漢方薬など、自分にあったお薬を処方してもらえるでしょう。

【タイプ別】更年期女性の不眠|つらさの原因・対策・いつまで?

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心の不安を減らすのも重要

ココロの不安やつらさが大きいときは、家族や友人、SNSなど、自分にとって安らげる人や居場所で、自分の気持ちを話してみましょう。

人と会いたくない・話したくないときは、無理に話さなくてもOK。

その代わり、不安やつらさを紙に書き出してみるのがおすすめです。ぼんやりしていた不安感が見えてくれば、今の自分に取り組めることが見えてくるはずです。

更年期は病院に行く?何科の外来?検査や治療について

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バランス状態を知って自律神経の乱れを整えよう

更年期に起こるつらい症状は、女性ホルモンの低下による自律神経の乱れが主な原因です。

自律神経は自分の意志でコントロールすることが難しいため、多くの女性が明確な解決法が見えない中、つらい思いをしています。

しかし、今の自分のバランス状態を知って対策していけば、つらさを軽減したり、自分のペースで楽しみながら過ごすこともできるはずです。

まずは、今できる身近な対策から、無理のない範囲で始めてみましょう。

あなたも、自分のバランス状態をチェックしてみませんか?
メノテックライフのバランス状態チェック