著者 : クラシエ編集部
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「MenotechLife(メノテックライフ)」は、クラシエ編集部が発信する更年期のためのサポート・メディアです。長年の研究やアンケート結果を基に、更年期の身近でリアルな情報を発信し、みなさまが自分らしく前向きに過ごすサポートができれば嬉しいです。

新しい季節の到来に胸がはずむ・・・と思えていたのはいつの日か。歳を重ねるにつれて、季節の変わり目になると頭痛やめまいがしたりいつもより疲れやすさを感じることはありませんか?なんとなく見過ごしてしまいがちなその不調、もしかしたら「寒暖差疲労」かもしれません。女性がなりやすく、特に更年期の女性は影響を受けやすい寒暖差疲労。その原因と対策を詳しく解説します。

寒暖差疲労とは?

寒暖差疲労とは、言葉通り寒暖の差によって生じる疲労のことです。朝晩と昼間との寒暖差が激しい季節の変わり目や、エアコン・暖房器具によって室内と屋外との気温差が大きい夏や冬など、大幅な寒暖差は一年を通して起こりうるもの。あまり深く知られていない寒暖差疲労ですが、実は私たちにとって非常に身近な不調なのです。

原因は自律神経の乱れ

寒暖差疲労が起こる主な原因は、自律神経の乱れです。自律神経には、気温の変化に合わせて体温を調節してくれる機能があります。自律神経が正常に働くことで、寒い時は無意識に身体をぶるっと震わせて筋肉を動かし熱を産生させたり、暑い時は汗をかくことで体温を下げたりして、体温を一定に保っています。しかし急激な温度変化が続くと、寒さ、暑さに反応して自律神経が過剰に働き、オーバーワークの状態に。その結果、気温差に適応することができず自律神経が乱れ、疲労感や身体の不調といった「寒暖差疲労」が引き起こされてしまうのです。

寒暖差疲労の症状をチェック!

寒暖差疲労の症状には、身体的症状精神的症状の2種類があります。あなたにも思い当たるものがあるか、チェックしてみましょう。

身体的症状

  • だるさ、疲労感
  • 肩こり、腰痛
  • 頭痛、めまい
  • 不眠、睡眠の質の低下
  • 食欲不振、胃もたれ
  • 便秘や下痢
  • 冷え、むくみ

精神的症状

  • イライラ
  • 不安感
  • 落ち込み

寒暖差疲労と女性の関係

近年の日本では、寒い冬が終わったと思うとすぐに夏になり、残暑が続くと思っていたらいつの間にか冬になっていた、というように、季節の変わり目の寒暖差が激しい年が続いています。とはいえ、日本人みんなが寒暖差疲労を感じているわけではありません。

女性の方がなりやすい

寒暖差疲労は、一般的に男性より女性の方がなりやすいと言われています。その理由のひとつが、筋肉量の違い。女性はホルモンの関係で筋肉が発達しにくく、一般的に男性よりも筋肉量が少ないと考えられています。筋肉は収縮することで熱を産生することができるので、筋肉量の少ない女性は体温を上げる力が弱く、寒暖差への対応がしにくいのです。

また、女性は毎月の月経周期に伴って2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が増えたり減ったり変動する中でホルモンバランスを崩しやすく、自律神経の乱れ、ひいては寒暖差疲労を起こしやすくなっています。

特に影響が大きいのは更年期の女性

特に更年期の女性は、寒暖差による影響を受けやすいのでより注意が必要です。なぜなら、更年期の女性は、女性ホルモンの分泌が急激に減少し自律神経が不安定になりやすくなっています。そこに寒暖差によって引き起こされる自律神経の乱れが加わり、身体はダブルパンチを浴びている状況に。更年期の症状と寒暖差疲労は相互に影響し合い、更年期の女性にさまざまな体調不良を引き起こすことになってしまうのです。

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身近なことから始める「寒暖差疲労」対策

寒暖差疲労の対策としてもっとも大切なのは、オーバーワークになってしまった自律神経を正常に保つことです。日常生活の中で簡単に取り入れられる方法からまずは試してみてはいかがでしょうか?

1. 食べ物で身体を温める

身体の中が温まると、臓器の代謝がよくなり、自律神経の働きが安定します。冷たい飲み物や食べ物は取りすぎに注意して、できるだけ温かいものを摂るように心がけましょう。仕事や家事の合間に温かいお茶を飲んだり、食事に温かいスープを一品加えるだけでも身体はポカポカに。手軽にできる方法で温かいものを食べたり飲んだりすることを習慣化してみてはいかがでしょうか。

また、普段の食事でも、意識的に身体を温める食材を積極的に取り入れることもおすすめです。時間をかけて手の込んだお料理をしなくても、簡単なレシピで大丈夫。例えば、しょうがネギニンニクしそなどを薬味としてプラスしたり、ごぼうかぼちゃじゃがいもなどの根菜類で蒸し野菜サラダを作るなど、簡単に取り入れられるお気に入りの方法を見つけてみましょう。

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2.入浴で血行をよくする

入浴によって血行が促進されると身体が温まり、自律神経の働きが整います。ポイントは38度〜40度くらいのぬるめのお湯にゆったりとつかること。身体が温まるだけでなくリラックス効果もあるので、ストレス解消にもつながります。シャワーだけで済ませてしまわずに、湯船につかる習慣を身につけましょう。

3.適度な運動をする

軽めの運動は血行を促進させ、自律神経を正常に整えてくれます。また、運動をすることで筋肉が収縮すると熱産生量が増え、継続することで筋肉量が増加し体温を上げる力がアップしたり、イライラした気分がリフレッシュしたりと、更年期の女性にとってうれしい効用がたくさん。ここでは、手軽にできる運動法を3つピックアップしました。

ウォーキング

歩くことは、特別な道具も場所も必要のない、もっとも手軽に始められる運動の一つ。ただ歩くだけで筋肉が動き、血行が促進します。わざわざウォーキングの時間が取れなくてもOK!今まで自転車で行っていた買い物に歩いて行ってみたりエレベータやエスカレーターを使わずに階段で上り下りするなど、日常生活の中で無理なく歩けそうなシーンからウォーキングに取り組んでみましょう。

ラジオ体操

誰もが一度はやったことがあるラジオ体操。たった5分程度の短い運動ですが、身体を伸ばしたり、ジャンプしたり、全身を動かす要素が盛り込まれ、終わる頃には身体が温まっていることを実感できます。ラジオやテレビの放送時間に合わせて行うことで習慣づけしてしまうことがおすすめですが、自分の好きな時間にユーチューブを見ながらやるのも一つの方法です。気分や体調に合わせて無理のない範囲でチャレンジしてみてください。

筋肉を緩めるストレッチ

疲れやストレスによってこわばった筋肉は血流を悪くさせ、自律神経を乱す原因に。ストレッチで筋肉や関節をじっくり伸ばすことによりコリや筋肉がほぐれると副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整いやすくなります。特に首や肩のまわりには全身に血液を送る血管や自律神経が通っているので、この部分のストレッチはおすすめ。あご下を指でクイッと持ち上げて首の前をのばしたり、頭を手で軽く押し下げながら左右や前に倒したりするだけでもストレッチの効果を実感。身体を大きく動かさなくても、椅子に座ったままの状態で取り組めるので、仕事や家事のすきま時間にぜひトライしてみましょう。

4. 服や小物で工夫する

服装やファッション小物を上手に活用することも、寒暖差疲労の影響を少なくすることにつながります。

簡単に脱ぎ着ができるコーディネートが◎

朝、家を出る時は寒いのに、日中は気温が上がってうっすら汗が、、、というように、1日の気温が上下するときは、気軽に脱ぎ着ができる服装がおすすめ。さっと羽織れるカーディガン薄手のジャケット首に巻いたり肩や膝にかけられるストールなどを持っていると、気温の変化に対応ができて安心です。

ファッション小物で温度差を和らげる

室内と屋外との温度差を最小限に抑えるには、ファッション小物が有効です。夏にクーラーのきいた冷えた室内から暑い外に出る時は、帽子や日傘で直射日光を避けて体感温度を下げたり、冬に暖まった部屋から寒い外に出る時はマフラーや手袋、イヤーマフで冷気をシャットアウト。お気に入りのアイテムがあれば、寒暖差を気にせずお出かけが楽しめます。

5. 専門の医療機関を受診する

不調が続くときは、我慢や無理をすることはご法度です。つらい、しんどい気持ちを一人で抱えこむことでストレスがたまり、さらに自律神経がバランスを崩してしまう悪循環は避けたいもの。適切な診断と治療を受けるために病院や専門医に相談してみましょう。

寒暖差疲労を感じたら、早めの対策が◎

季節の変わり目になると起こる疲労や身体の不調、それは寒暖差疲労によるものかもしれません。寒暖差疲労の原因は自律神経の乱れです。寒暖差疲労かも?と思ったら、急激な温度差を和らげる工夫を取り入れながら、乱れた自律神経のバランスを整える対策を早めに行うことを心がけましょう。日常的に取り入れやすい食事や入浴で自分の身体をいたわる習慣を。寒暖差に負けず、季節の移ろいに心踊らせながら、日々を楽しく過ごせるようにしたいですね。