ある日突然、何もしていないのに胸がドキドキしたり、深く息が吸えないような感覚に襲われたり。それは、身体からの小さなサインかもしれません。

「疲れているだけかな」「年齢のせい?」そう思おうとしても、胸の違和感はどうしても不安を連れてきます。
更年期に起こる動悸や息切れは、決して珍しい症状ではありません。でも、あまり語られることがなく、戸惑いをひとりで抱えてしまう人も多い不調です。

更年期の動悸・息切れとは

更年期の動悸・息切れは、いわゆる「運動したあとの息切れ」とは少し違います。

  • 安静にしているのに突然ドキドキする
  • 胸の奥が落ち着かず、脈を強く感じる
  • 息が浅く、深呼吸をしたくなる

こうした感覚が、前触れなく現れることがあります。

検査をしても「異常なし」と言われることも多く、それがかえって「じゃあ、このつらさは何なの?」 という不安につながることも。
けれどこの症状は、目に見えない身体の調節機能が揺らいでいるサインである場合が少なくありません。

なぜ更年期に起こるの?

更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変化します。この変化は、ただ減っていくだけでなく、大きく揺れ動きながら少なくなっていくのが特徴です。
エストロゲンは、 心臓や血管、呼吸、体温調節など、私たちが意識せずに行っている身体の働きを支えています。
そのためホルモンバランスが崩れると、それをコントロールしている自律神経も影響を受け、心拍や呼吸が必要以上に反応してしまうことがあります。

動悸や息切れは、心臓が弱っているというより、調節役が一時的に混乱している状態。そう考えると、少し捉え方が変わるかもしれません。

ホットフラッシュと一緒に起こることも

更年期を代表する症状のひとつが、ホットフラッシュです。
急に体が熱くなり、汗が出て、同時に心臓がバクバクと鳴るように感じる。

これは、体温調節を担う自律神経が過剰に反応している状態。体は「危険」だと勘違いし、心拍数や呼吸を一気に上げてしまいます。

このときに感じる「このまま倒れてしまうのでは?」という感覚は、とても自然なもの。
けれど多くの場合、少し時間が経つと自然におさまり、後作用が残ることはありません。

心臓の病気との違いを知っておく

胸の症状があると、どうしても「心臓の病気では?」と心配になります。

更年期による動悸の多くは、

  • 発作的に起こる
  • 数分〜十数分で落ち着く
  • 深呼吸や姿勢を変えると和らぐ

といった特徴があります。

ただし、強い胸の痛みや、めまい、冷や汗、息苦しさが続く場合は、更年期に関係なく、医療機関での確認が必要です。
「何もなかった」と分かること自体が、その後の不安を軽くしてくれることもあります。

動悸・息切れが出やすいタイミング

更年期の不調は、心と生活の状態を映す鏡のようなもの。

忙しさが続いていたり、自分のことを後回しにしていたり、気づかないうちに無理を重ねていると、身体はサインを出しやすくなります。
特に、「やっと一息ついた夜」「寝ようとした瞬間」に症状が出る人も多く、これは緊張がほどけた反動とも言われています。

日常でできる、やさしいセルフケア

呼吸を整える

動悸を感じると、多くの人は「落ち着かなきゃ」「深呼吸しなきゃ」と、無意識にがんばってしまいます。けれど実は、がんばって呼吸を整えようとすること自体が、身体を緊張させてしまうことも。

おすすめなのは、「吸う」よりも「吐く」を意識する呼吸です。

  • 口から、細く長く息を吐く
  • 吐ききったあと、自然に空気が入ってくるのを待つ

これを数回繰り返すだけでも、自律神経は「安心していい状態だ」と感じやすくなります。「今、動悸があるけれど大丈夫」そう心の中で言葉を添えるだけでも、呼吸は少しずつ落ち着いていきます。

刺激物を減らす

カフェインやアルコールは、自律神経を刺激し、心拍数を上げやすいもの。
とはいえ、「コーヒーが好き」「お酒が楽しみ」という人も多いはず。
大切なのは、ゼロにすることではなく、タイミングと量を見直すことです。

  • 午後遅い時間のカフェインを控える
  • 動悸が出やすい日はアルコールを休む
  • 量を半分にしてみる

それだけでも、夜の動悸や息切れが軽くなる人もいます。
「身体の声を聞きながら調整する」そんな付き合い方で無理をせず調整しましょう。

休むことを許す

更年期は、これまでと同じペースで動こうとすると、身体が追いつかなくなる時期でもあります。

「疲れているのに無理をする」「自分のことを後回しにする」「まだ大丈夫」と言い聞かせる。こうした積み重ねが、動悸や息切れという形で表に出てくることも。休むことは、怠けることではありません。身体を整え直すための大切な時間です。

  • 少し早く布団に入る
  • 予定をひとつ減らす
  • 何もしない時間をつくる

小さな「休み」を重ねることで、自律神経は少しずつ安定していきます。

変化を知ることで、少し安心できる

動悸や息切れは、身体が変わっていく途中で起こる、揺らぎのひとつ。

正しく知ることで、必要以上に怖がらず、自分の身体と向き合うことができるようになります。また、誰かに話し、「それはよくあることですよ」と言われるだけで、身体がふっと緩むこともあります。

更年期を「不安な時期」ではなく、自分をいたわり直す時間として過ごしていきましょう。

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