著者 : 新田晃代
ライター
ナチュラルコスメから美容医療の分野まで幅広く精通。 紙媒体やウェブなど幅広いメディアで美容企画を担当するかたわら、コス... [続きを読む]
ナチュラルコスメから美容医療の分野まで幅広く精通。 紙媒体やウェブなど幅広いメディアで美容企画を担当するかたわら、コスメのブランディングやネーミングなどにも携わる。 幼少期より野草に慣れ親しみ、和ハーブライフアドバイザー、薬草料理マイスターの資格を取得。

クリスマスや忘年会など、なにかと慌ただしい年の瀬が過ぎてやってくるのがお正月。ゆっくり過ごす大切な時間ですが、豪勢なお節料理や飲酒、運動不足など、食生活やライフスタイルが乱れることで、心身の不調が出やすくなったり、正月太りしたり…と、ゆらぎやすい大人世代は気をつけたいタイミングでもあります。

そんな心身の不調や正月太りを防ぐために、「お雑煮」がお役立ち。全国各地のお雑煮をご紹介しながら、お雑煮でおとなの女性の健康と美容を守る秘訣をお伝えします。

津々浦々!全国各地のお雑煮事情

一般的にお餅の入った汁物を「お雑煮」と呼びますが、その歴史は平安時代までさかのぼります。
農耕民族である日本人が、年神様に備えたお餅や大根や人参などを、その年最初に汲んだ水で煮込み、その年の豊作や家内安全を祈って元旦に食べたのがはじまりだとか。
いろんな具材を「煮雑ぜ(にまぜ)」したことがお雑煮の由来になっています。

地域が変われば特産物や流通も変わるので、地域によって味付けや具材が変わるのがお雑煮のおもしろいところです。

東と南はすまし汁、関西地方は味噌仕立て

広大な北海道は地域によって味付けが異なりますが、主流は醤油ベースのすまし汁。
東北地方、関東、中部地方もすまし汁派が多数。
関西地域は白味噌。中国地方、四国、九州も醤油ベースのすまし汁が定着しているようです。

東は角餅、西は丸餅

お餅は大きく分けると、北海道から中部地方にかけては角餅、関西から九州にかけては丸餅が使われています。香川県や熊本県など、あんこ入りの丸餅を入れる地域も。

餅の形の所以は、江戸時代にまでさかのぼります。
人口の多い江戸では、ひとつずつ丸める丸餅では生産が間に合わず、一度に大量にのしてから切り分ける「のし餅」が考案され、普及したからとも言われています。

具材は県によって変わってくる

具材に大根・人参・里芋・しいたけ・小松菜を入れる県が多いですが、北海道では鮭、富山県や兵庫県・九州地方ではブリ、広島県では牡蠣を入れるなど、地域によって、さらには家庭ごとでも具材が変わってくるのが興味深いところです。

薬膳師 大岩さんのオススメ!女性の不調にぴったりの、お雑煮の具

12月〜1月は一年のうちでもっとも冷え込み、体の冷えや胃腸の不調、肌の乾燥、喉の渇きなどを感じやすい時期。また、年末年始の食べ過ぎによる正月太りも気になるところ。


そんな不調を、お雑煮で防ぐことができるってご存知でしたか?
その理由を薬剤師で国際薬膳師としても活躍する大岩真子さんに伺いました。

日持ちするよう濃いめの味付けで冷たいまま食べるおせち料理と異なり、お出汁を効かせ温めて食べるお雑煮は、塩分を抑制し、かだらを芯から温めることができます。

冬に出やすい不調を和らげるといわれる食材をお雑煮の具材として入れることで、快適に冬を乗り切ることができます。
野菜をたっぷり摂ることができるので、正月太りの抑制にもなります。

大岩真子(おおいわまこ) @maco9249
薬剤師・国際薬膳師。
代々続く薬剤師家系に生まれ、自身もその道へ。
家族へのお弁当作りをきっかけに薬膳に興味を抱くようになり、薬膳コーディネーターを経て、国際薬膳師の資格を取得。

大岩さんがセレクトしてくださった、「冬に出やすい症状別におすすめしたいお雑煮の具」を、ご紹介します。

体の冷えや胃腸の不調が気になるとき

陽気を補い、臓腑(ぞうふ)を温めて冷えの改善をはかる食材を取り入れるのがオススメです。

  • 生姜
  • 葱白
  • にら
  • ししとう
  • えび
  • くるみ

岩手県ではお餅を汁から出してくるみダレにつけて食べる文化もあるようです。

肌の乾燥や喉の渇きが気になるとき

からだに必要な水分を補い、からだの組織や器官を潤す作用のある食材を取り入れましょう。

  • 山芋
  • 人参
  • 小松菜
  • 百合根
  • ホタテ
  • 牡蠣
  • イカ
  • 胡麻

正月太りが気になるとき

食べ過ぎにより体内にこもった熱を取り除き、胃腸の働きをスムーズにする食材を選びましょう。

  • 白菜
  • 水菜
  • 春菊
  • 豆腐
  • 豚肉
  • うずらの卵
  • 鶏卵

※胸焼けやげっぷが気になる場合は、具材に大根を加え、ゆずで香りづけをするのがおすすめです。

「バランス」を意識して、年末年始の身体のトラブルも上手に改善

2024年のお雑煮は、定番のお雑煮に、身体に合わせて選んだ具材をプラスしてみるのはいかがでしょうか?
気になる具材を組み合わせて、変わりだね&具だくさんのお雑煮を楽しむのも一案です。

バランス状態チェックで、ご自身の体質に合う食材も探してみましょう!

あなたも、自分のバランス状態をチェックしてみませんか?
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新田晃代
ナチュラルコスメから美容医療の分野まで幅広く精通。
紙媒体やウェブなど幅広いメディアで美容企画を担当するかたわら、コスメのブランディングやネーミングなどにも携わる。
幼少期より野草に慣れ親しみ、和ハーブライフアドバイザー、薬草料理マイスターの資格を取得。