肌がカサカサしたり、目や口が乾いて不快だったり…実は4月から5月は、一年の中で一番低い湿度が出現しやすく、30%を下回る日も珍しくありません。山を吹き降りた風が乾いた熱風となるフェーン現象が発生する場合も多くあり、乾燥を感じる方が多くなります。
空気の乾燥だけでなく、加齢、生活習慣など…乾燥の原因は様々ですが、ホルモンバランスの変化も原因のひとつにあります。

更年期の乾燥の仕組みや、毎日のケアでできる簡単な改善方法を知り、春の乾燥に負けない自分に合った対策をしていきましょう。

乾燥の連鎖… 実はドライシンドロームかも?

一般的に、乾燥というと「肌」をイメージしますが、口(ドライマウス)目(ドライアイ)など、乾燥の悩みは多岐にわたります。

近年では、こうした全身の複合的な乾燥を一つの症候群として捉え『ドライシンドローム』とも呼ばれています。『ドライシンドローム』は放置すると風邪や感染症のきっかけになるため、ただの乾燥と思わずに注意することが必要です。

ドライシンドロームとは?

ドライシンドロームとは、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキンといった体の乾燥のことで、皮脂、汗、唾液や涙といった乾燥を防ぐ外分泌の働きが弱くなっている状態を指します。

肌、口、目などの乾燥により、粘膜など本来潤っているべき部分まで乾燥すると、皮膜が薄くなるため柔軟性が失われ、粘液の分泌量が減り、乾燥の連鎖が始まります。
粘膜の乾燥は抵抗力の低下を招き、風邪や感染症のきっかけにもなるため注意が必要です。体のどこかに乾燥を感じている人は、実はさまざまな場所が乾燥しているかもしれません。

以下の項目に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

ドライシンドロームチェック

ドライスキン(皮膚)
  • 粉が吹いたりカサカサする
  • 肌荒れ
  • 刺激に敏感になる
  • 化粧ノリが悪い
ドライアイ(目)
  • 疲れやすかったり、目がかすむ
  • ゴロゴロする
  • 充血しやすい
  • 目ヤニが出やすい
ドライマウス(口、のど)
  • 乾きやすい
  • 口がねばつく
  • 口臭を感じる
  • 水を飲みたくなる

実は、更年期やストレスも乾燥の原因に

「ドライシンドローム」が起こる原因として、空気の乾燥だけでなく、スマホやパソコンによる目の酷使睡眠不足、マスクによる口呼吸など、生活習慣も挙げられます。また、更年期による女性ホルモンのエストロゲン分泌低下も原因の一つとして考えられており、ドライシンドロームは女性に起こることが多いとされています。

一方で、外分泌腺の働きは自律神経によって調整されているため、ストレスの多い現代社会で自律神経が乱れた結果、男性や若い人もドライシンドロームを引き起こしてしまいます。

1.バリア機能と水分保持能力の低下

エストロゲンは、皮脂の分泌をコントロールし、肌のバリア機能を維持する役割があります。 しかし、更年期になって肌に潤いを与えるエストロゲンと、皮脂分泌を促すプロゲステロンが低下して皮脂膜が作られにくくなるため、肌の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進む原因になります。

また、エストロゲンには、肌のハリや潤いに関係する、コラーゲンやヒアルロン酸を生成する働きがあります。更年期に入るとエストロゲンの分泌が低下し、肌の真皮にあるコラーゲンやヒアルロン酸が生成されにくくなることで、肌の水分保持能力が低下し、乾燥しやすくなります。
つまり、バリア機能と潤いを生み出す機能が低下することで、乾燥に拍車がかかるのです。

2.ターンオーバーの乱れ

エストロゲンは、肌の細胞分裂を活性化し、ターンオーバーを促進する働きがあります。エストロゲンが減少することで肌のターンオーバーが乱れ、ターンオーバーのサイクルが長くなり、古い角質が肌に留まりやすくなります。これにより、肌がゴワつき、水分が浸透しにくいため、乾燥だけでなく、シミ、シワ、たるみなどの肌トラブルが起こりやすくなります。

3.ストレスによる自律神経の乱れ

ストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良を引き起こします。血行不良は肌への栄養供給を妨げ、ターンオーバーを乱すため乾燥を招きます。
また、ストレスを感じると、交感神経が優位になり、涙腺、唾液腺などの外分泌腺の働きが抑制されます。その結果、涙や唾液の分泌量が減少し、乾燥を引き起こしやすくなります。

他にも、ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールが過剰に分泌されると、肌の水分保持に重要なセラミドが減少し、バリア機能が低下します。そのため、外部からの刺激を受けやすくなり、水分が蒸発しやすくなります。
また、ストレスは、体内の炎症反応を促進することがあります。炎症は、肌のバリア機能を構成する脂質やタンパク質を破壊し、バリア機能を低下させます

更年期の「ドライシンドローム」対策

スキンケアで保湿する

セラミドヒアルロン酸コラーゲンなど、保湿成分が豊富なスキンケア製品を選び、しっかり潤いを与え、バリア機能、ターンオーバーを回復させましょう。

●洗顔料は、洗浄力の強すぎる物を選ぶと、必要な潤いまで取り去ってしまいます。アミノ酸系など肌に優しいものを選び、ぬるま湯で優しく洗うようにしましょう。

日焼け止めを毎日塗りましょう。紫外線を浴びると肌のバリア機能が低下し、水分が蒸散しやすい状態になります。紫外線は3月頃から急激に強くなり、5~7月にかけてピークを迎えるため、まだ大丈夫…と日焼け止めを使わないと、うっかり日焼けや乾燥の原因に。

365日UVケアを行いましょう。

乾燥や花粉、大気汚染に加え、ホルモンバランスの変化でデリケートに傾いた大人の肌の正しいお手入れ法を皮膚科医が指南!

目次大人の肌は春に老ける!?肌の2大天敵、乾燥と花粉から肌を守る方法春に肌が荒れやすい2大理由は乾燥…

〈日焼け止めの目安〉
  • 散歩やちょっとしたお買い物など日常生活では SPF10〜20、PA++
  • 屋外での軽いスポーツやレジャーの場合は SPF30以上、PA+++
  • 炎天下でのお出かけやマリンスポーツなどには SPF50以上、PA++++

ー実は逆効果!やりがち…NGスキンケアー

●とにかく潤うコスメをたくさん重ねる

うるおわせたいからと大量にスキンケアを付けても、多すぎるとニキビや肌荒れ、毛穴の開きなどの原因になることも…。目安は、肌が吸い付くようにもっちりしてくる感じ。これが肌が潤ったサインです。特にクリームは塗りすぎると肌の上で酸化します
化粧水や美容液、クリームなど種類が違うものや、美容液成分が違う美容液は複数重ねても効果的ですが、化粧水やクリームなどを、複数個重ねても浸透する量は決まっているため、つけすぎに注意しましょう。

●長時間パックしたまま放置

しっかり浸透させたいからと長時間放置すると、乾いたマスクから肌の潤いを奪われてしまい、乾燥がどんどん加速します。記載のある指定の時間を守ってパックするようにしましょう。

●スキンケアをバシャバシャ付ける

乱暴にバシャバシャ叩くように付けてしまうと、刺激になり乾燥の原因になります。

同様にシャワーを顔に直接当てるのもNG!お湯の温度が高ければさらに乾燥しやすくなります。

自律神経を整える

自律神経のバランスを調整するのに、効果的なことの一つとして、お風呂がおすすめです。心身のリラックスや活性化を促すことができ、乾燥対策も一緒にすることができます。

熱すぎるお湯は肌の油分を奪い乾燥を悪化させるため、38~40℃のぬるま湯にしましょう。副交感神経を優位にしリラックス効果を高めます。長時間の入浴は肌の水分を奪うため、20分以内を目安に入浴するのがおすすめです。
また、バスソルトを入れた入浴は、自律神経を整えるのに役立ちます。バスソルトに含まれるミネラルは体を温める効果があり、血行を促進します。血行が良くなると筋肉の緊張がほぐれ、副交感神経が優位になりやすくなります。
さらに、ミネラルバランスが整うことで、自律神経の働きも安定しやすくなります。より、リラックス効果を得たい方は、アロマ成分が含まれるバスソルトを使用することで、香りの効果も得られます。

入浴後はタオルでゴシゴシ拭かず、優しく押さえるように水分を拭き取ると、肌の刺激にならず乾燥を防げます。

ドライアイ対策

エストロゲンは目の潤いを維持する役割も担っているため、更年期によって分泌が減ると、目の表面が乾燥しやすくなり、目が受けるダメージも大きくなります。
更年期症状とドライアイの関連性は深く、ほかの更年期症状も見られるケースでは、更年期外来や女性外来での治療を受ける流れになります。

目に負担をかけない生活を意識

更年期外来や女性外来、眼科での治療はもちろん必要ですが、日常生活での目を守る努力も大切なポイントです。
部屋の湿度の調整やまばたき、ストレスをためない生活を心がけることで、ドライアイから目を守れるようになります。治療を適切に続けながら、毎日の生活でもドライアイの原因を取り除きましょう。

ドライマウス対策

更年期で女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスの乱れが生じ、唾液の分泌も低下するようになります。
さらに更年期には口の周りやあご、喉の周囲の筋肉が衰えたり、こりが起こりやすくなったりするため、咀嚼回数が減ることも唾液の減少につながります

唾液分泌を促すベロ回し&水分補給で自分でセルフケアも

セルフケアで唾液の分泌を促すためには、舌や口、あごを意識して動かすようにします。

‐おすすめの「舌の体操」‐
  • 大きく口を開けて「あいうえお」と発声する
  • 舌をベーッと出したり引っ込めたりするのをくり返す
  • 舌を出して上下左右に動かしたり、右回り・左回りに回す

食事のときにしっかりよく噛んで食べる、ガムを噛むなどの方法で、咀嚼回数を増やすのも効果的です。さらに、酸っぱくて唾液が出てくるような梅干しやレモン、酢の物など酸味の強いものを食べるのもよいでしょう。
また、こまめな水分補給も大切です。外出先でもペットボトルやマイボトルを持ち歩き、少しずつ飲みながら口の中を潤しましょう。カフェインが多い飲み物よりも、麦茶ハーブティーなどカフェインが含まれていない飲み物がおすすめです。

うるおいケアで更年期も快適に

更年期のドライシンドロームは、適切な対策を行うことで症状を緩和し、快適な毎日を送ることができます。まずは、日常で取り入れられるところから始め、ご自身に合った対策を見つけ、うるおいのある健やかな日々を過ごしましょう。

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