更年期の体調管理で大切なことは食事、睡眠、適度な運動であることは周知の通り。女性ホルモンの減少による心身への影響を最小限におさえられるように、規則正しい生活を心がけることが重要です。

でも、時には肩の力をふっと抜きたい時もありますよね。そんな時にぴったりなのが「推し活(おしかつ)」!「推し活」と聞くと、若い世代の人がするものというイメージがあるかもしれませんが、いえいえ、そんなことはありません。むしろ推し活は、更年期の女性にこそ積極的に取り組んでほしいことのひとつなのです。

今回は、更年期の女性に推し活をおすすめする理由をひもといていきましょう。

カギは「幸せホルモン」

更年期は女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減ることで自律神経が乱れてしまい、身体やメンタルにさまざまな不調が現れます。また自律神経は、ホルモンバランス以外にストレスの影響も受けやすいもの。ストレスが多い生活ではより自律神経が乱れやすく、更年期症状が重くなってしまうこともあります。

このような自律神経の状態をサポートしてくれるのが「幸せホルモン」という存在。更年期を快適に過ごしていくためには、幸せホルモンを増やすことによってストレスを軽減し、自律神経のバランスを整えていくことが大切なカギとなります。

更年期症状の原因は自律神経の乱れ?女性ホルモンとの関係

目次更年期に起こる自律神経の乱れと女性ホルモン・体調不良との関係自律神経と女性ホルモンとの関係女性ホ…

幸せホルモンとは?

幸せホルモンは、心と身体を安定させ、幸福感をもたらしてくれるホルモンや神経伝達物質の総称として一般的に使われている言葉です。幸せホルモンが分泌されると、更年期にできるだけ減らしたいストレスを和らげてポジティブな影響を与えてくれる効果が期待できます。幸せホルモンにはいくつか種類があり、代表的なホルモンは下の3つになります。

【代表的な幸せホルモン】

・セロトニン
緊張やストレスなどを感じると分泌され、朝日を浴びることで分泌が促されます。
脳内の興奮を鎮めて、心を安定させたり、感情のバランスを整えてくれる働きがあります。

・オキシトシン
「愛情ホルモン」とも呼ばれ、スキンシップをしたり、一緒に楽しい時間を過ごしたりすると分泌されます。
他者との信頼感を強め、温和な気持ちにしてくれる働きがあります。

・ドーパミン
「やる気ホルモン」とも呼ばれ、ワクワクしたり、達成感を得られた時に分泌されます。もっと頑張ろうとやる気が出たり、前向きな気持ちにする働きがあります。

幸せホルモンは増やすことができる!

年齢とともに分泌量が変化する女性ホルモンとは異なり、幸せホルモンは自分の意識や行動次第で増やすことができるところが最重要ポイント。

それならば、必ずやってくる更年期、女性ホルモンの減少に哀しみ暮れるのではなく、積極的に幸せホルモンを増やしてポジティブな時間を過ごしたいと思いませんか?

推し活で幸せホルモンを増やそう

そこで、幸せホルモンを増やすためにおすすめしたいアクティビティ、それは「推し活」です。

「推し活」とは?

好きなタレントや俳優、アーティストなどのことを「推(お)し」と言います。その「推し」をさまざまな方法で応援する活動が「推し活」です。

推し活には明確な定義がないので、年齢に関係なく誰でも気楽に始められるアクティビティです。
好きになる対象は、アイドルや歌手など実在する人間以外に、歴史上の人物やマスコットキャラクター、動物、仏像、乗り物、建築物、ジュエリーなど、なんでもOK。シンプルに「好きで無性に気になる」と思える対象がみつかれば、すでに「推し活」のスタートラインに立っているも同然です。

また、推し活の活動内容も三者三様。アクティブなものから内々的に行うものまでさまざまで、自分のやりたい方法で取り組むことができます。

今回は推し活の活動内容の中から、「幸せホルモンの分泌を促す」という観点で、更年期の女性におすすめしたいものを3つピックアップしました。

幸せホルモンを増やす「推し活」3選

①推しに会いに行こう!

推しに会えるワクワク感や、実際に会えた時の達成感は、ドーパミンの分泌に効果があります。
前向きな気持ちになり、更年期の不調にへこたれない明日への活力が湧いてくるでしょう。

また、せっかく推しに会えるなら、おしゃれをしてお出かけしたくなるのが女心。お洋服を選んだり、いつもより念入りにメイクアップしたり、お出かけ前からすでに気分は上向きに。幸せホルモンのチャージタイムは準備の時間から始まっています

推し仲間と交流しよう!

人とのスキンシップによって分泌されるオキシトシン。身体に直接触れなくても、親しい人との会話を通じても分泌は促されます。
友人や推し仲間と共通の話題で盛り上がる時間は、人とのつながりを感じることでオキシトシンの分泌が促進。更年期に現れやすい不安や孤独感を薄め、穏やかな気持ちにしてくれます。

また、楽しく会話をしている間は悩みや不調を忘れてストレスフリーな状態に。より一層、自律神経のバランスが整いやすくなります。

③ゆったり鑑賞タイムで癒されよう!

感情が動いた時は、精神バランスを整えるためにセロトニンが分泌されます。推しの作品や映像を見て感動することで、セロトニンの分泌が活性化。安心感や幸福感がもたらされ、更年期に起こるイライラや不安感などのストレスを軽減してくれます。

また、ライブや推し仲間との情報交換はポジティブな気持ちになれるチャンスですが、過度な興奮は疲労感を作りだし、ストレスの原因になりかねません。心と身体をリラックスさせるためにも、少しはしゃぎすぎたな、と思ったら、温かいお茶を片手に、家でゆっくり推しにひたる時間を作ってみましょう。

気軽にプチ推し活

ライブやファンミーティングのような大きなイベントがなくても、推し活は存分に楽しめます。むしろ、毎日楽しめるような「プチ推し活」の方が、日常的に幸せホルモンの分泌が促され、更年期の女性には好都合なことも。手軽なプチ推し活も、日々の生活の中にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

スマホや携帯の待ち受け画面は推しの写真にチェンジ

すきま時間に何気なく手にしてしまう携帯電話。推しについて検索したり、写真アプリの画像を開いたら長い時間見すぎてしまい、後悔したことはありませんか?
そこでおすすめしたいのが待ち受け画面を推しの写真に設定すること。仕事や家事の合間にサッと推しの姿を愛でることができ、数秒で幸せホルモンチャージ完了。wifiや電波の入らないところでも困りません。

SNSで情報収集、発信、交流

SNSは推し活の強い味方。推しに関する新しい情報を入手したり、年齢や国の異なる推し仲間と出会い交流することで、幸せホルモンの分泌が期待できます。
また、普段SNSを使い慣れていない人にとっては操作方法を学ぶ絶好のチャンス。新しいことにチャレンジする時は、ドーパミンの分泌が促進されます。
SNSで推し情報を得る、SNSで自ら発信する、SNSで推し仲間と交流する。自分にとって使い勝手のよい方法でSNSを活用し、幸せホルモンを増やすアプローチをしてみてはいかがでしょうか。

自分を推しにしてみる

実は、一番応援してあげたい人って、自分だったりしませんか?家事や仕事、子育てなど、毎日の奮闘ぶりは、自分が一番知っているはず。そんな日々のがんばりを客観的にみつめ、認めてあげる「自分推し活」時間を、習慣的に持ってみてはいかがでしょうか。
「駅でエレベーターを使わずに階段を上った」「つい朝ごはんを抜きがちだけど、今日は温かいスープだけは飲んでから出かけた」など、内容はどんなにささやかでもかまいません。手帳やメモアプリに書き留めて、自分のがんばった行為に意識を向けてみましょう。
自分で自分をいたわることでも「オキシトシン」は分泌されます。

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推し活でリフレッシュ

更年期は女性ホルモン「エストロゲン」の急減により自律神経のバランスが乱れやすい時期。それに加え、職場や家庭でストレスを感じる出来事も増えやすく、心や身体に不調が現れがちです。

そんな更年期の女性には、幸せホルモンの分泌を促してくれる「推し活」がとてもおすすめです。ときめきや共感、感動することで分泌されるさまざまな幸せホルモンが、ストレスを軽減し、自律神経を整え、更年期に起こる不調を感じにくくしてくれます。

推し活は、推す対象も推す方法も十人十色なので、「好き」「応援したい」という自分の気持ちを最優先にして取り組める気楽なアクティビティです。途中でやめてもいいし、推しがいくつあっても問題はありません。
今の自分に無理のない推し活の方法を見つけて、幸せホルモンとともに、更年期を明るく前向きに過ごしてくださいね。

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