漢方(漢方薬、東洋医学)でよく「証(しょう)」という言葉を聞きますが「証」とは何のことですか。
「証」とは、自覚症状及び他覚的所見からお互いに関連し合っている症候を総合して得られた状態(体質、体力、抵抗力、症状の現れ方などの個人差)を
あらわす漢方独特の用語で、治療の指示(処方の決定)につながります。言い換えますと、からだが病気とどんな戦い方をしているかをみるもので、
体質や抵抗力、病気の進行度などをあらわします。漢方では、その時のからだの状態を次のような観点から判断していきます。
例えば、
●冷えや寒さなどを感じているのか、ほてりがあって暑がっているのか。
●体力があり病気に対する抵抗力がある状態なのか、体力が低下していて病気に対する抵抗力が弱い状態なのか。
●かぜの場合には、かかったばかりなのか、かかってから何日か経過して胃や腸の具合も悪くなっているのか。
このように、からだ全体の状態をつかみ処方を決定することを「証をみる」、「証を決める」と言います。
漢方では、証に合った薬を使うことにより病気を治します。ですから、医師に診断してもらう時または薬局でお薬をお求めになる時は、
できるだけ詳しく症状をお話していただけると、からだに合ったお薬を服用することができます。