「女性活躍推進法」が2019年に公布され、働く女性たちをより積極的にサポートし、管理職へ登用しようという働きが企業内で活発になり、多くの女性が活躍する場が広がってきています。しかし、これまで男性が中心になって作られてきた職場の慣習や慣例は、必ずしも女性たちの働きやすさを後押しするものではありません。
女性活躍推進の裏側で、女性たちが直面しているからだの健康課題ジェンダー格差育児と仕事の両立など解決すべき問題はまだ多くあります。

毎年3月8日に祝われる国際女性デー(International Women’s Day)は、女性の社会的、経済的、文化的、政治的な功績を称えるとともに、ジェンダー平等の実現を目指す日です。
この日を機会に、女性が活躍するための課題や解決方法などを考えてみましょう。

仕事におけるジェンダー格差

世界経済フォーラム(WEF)が2024年に発表した「ジェンダー・ギャップ指数」によると、日本は146か国中118位と昨年(156か国中125位)よりは順位をあげたとはいえ、低い順位であることには変わりありません。

教育・健康の分野では世界でもトップクラスのスコアになっていますが、日本のジェンダーギャップ指数を押し下げている要因は、女性の「政治参画」「経済参画」の低さにあり、特に経済分野における女性管理職比率が課題になっています。

参考:世界経済フォーラム「Global Gender Gap Report 2024」

これまで男性が中心になって作られてきた職場の慣習などは、必ずしも女性達の働きやすさを後押しするものではありません。
2024年11月の労働力調査によると、女性の就業者数が3110万人と前年同月から27万人増加しました。しかし、女性を取り巻く労働環境の大きな変化に対して社会構造は適応しておらず、依然として女性特有の健康課題はキャリア実現の障壁となっています。
月経や更年期障害によるパフォーマンスの低下や退職は、個人のキャリアプランへの影響だけでなく、社会全体の損失にもつながります。

日本医療政策機構が2023年に公表した「社会経済的要因と女性の健康に関する調査提言」によると、月経随伴症状や更年期症状により、働く女性の約80%が仕事の生産性への影響を経験しています

参考:【調査報告】「社会経済的要因と女性の健康に関する調査提言」

育児から介護への移行と仕事の両立

更年期世代の女性は、子育ての終了から親の介護への移行期を迎えることが多いです。
この時期は、人生の中で非常に多忙な時期であり、身体的精神的社会的なプレッシャーが絡み合い、家庭内での役割が急激に変化することで、さらなる負担がのしかかります。

一方で、仕事においてもキャリアの成熟期にあり、重要なポジションを任されることも多くあります。
介護や家庭の責任と、職場での責任を同時に果たさなければならない状況は、心身のストレスを増大させます。多くの女性はこうした負担を抱える中で、仕事を続けることの難しさを感じ、勤務時間の短縮や退職を選ばざるを得ない状況になることも少なくありません。
このような選択は、経済的な影響だけでなく、キャリアの中断や職場での評価の低下を引き起こし、女性の自己肯定感や将来の収入にも影響を及ぼします

家庭と仕事の両立においては、職場環境や社会的支援の不足が大きな障壁となっています。
多くの職場では、介護休暇制度やフレキシブルな働き方が整備されていない場合が多く、介護に関する情報不足や社会的な孤立感も、女性が支援を求めるのをさまたげる要因となっています。

家庭と仕事の両立に大きな負担を抱える中で、更年期の症状とも付き合っていくことは、身体的・精神的に大きな影響を与えることになります。家庭や職場の環境課題と健康課題を同時に抱える更年期世代は、社会の協力がなくては乗り切ることが難しいのです。

更年期世代の活躍推進に向けた取り組み

更年期世代の女性が活躍し、さらなる躍進のためには社会全体の取り組みと個々の努力が欠かせません。更年期症状や家庭内の変化などの課題を克服するためには、以下のような取り組みが必要になります。

1.更年期への理解と周知

更年期症状への理解と、周囲の理解は必要不可欠です。
ホットフラッシュや不眠、集中力の低下など、更年期特有の健康問題は女性のパフォーマンスや生活の質に影響を及ぼします。企業や社会がこれらの課題に対してオープンに向き合い、適切な支援策を提供することが重要です。
職場での健康相談窓口の設置医療機関との連携柔軟な勤務形態の導入など、このような取り組みは更年期世代の女性が安心して働ける環境を整える基盤となります。また、更年期について話し合う機会や、正しく理解するためのセミナーを行うなど、社会全体での理解を深めることも大切です。Menotech Lifeでは女性活躍に向けた、正しい更年期の情報についてのセミナーや話し合いなども行っています。

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2.キャリア開発の支援・ロールモデルの育成

更年期世代の女性は豊富な経験と知識をもつ一方で、昇進やキャリアチェンジの機会を得ることが難しい場合があります。改善するために、企業は女性のリスキリング(新たなスキル習得)アップスキリング(既存スキルの強化)を積極的に支援するプログラムを提供することが必要です。

また、メンター制度などで更年期を乗り越えて活躍している女性リーダーを紹介し、次世代の女性に希望を与えることも、女性のキャリア継続のモチベーションを高めることができます。

3.社会全体でのジェンダー平等の推進

女性が家庭や介護の責任を一手に引き受けることが当たり前とされる風潮を見直し、男女が平等に役割を分担できる環境を整える必要があります。男性の育児休暇取得率を向上させる施策や、介護支援の充実が求められます。
加えて、教育やメディアを通じてジェンダーに関するステレオタイプを打破する努力が必要です。社会全体で更年期世代の女性を支える仕組みを強化することで、ジェンダー平等が進み、誰もが生きやすい社会を築く一歩となります。

4.自身の健康状態を正しく把握し環境を整える

更年期世代の女性が自らの可能性を広げるための努力が大切です。
自分の健康状態を正しく把握し、必要に応じて医療やサポートを求めることが大切です。個人差のある更年期症状を、小さなことでも気付けるように、定期的な健康チェック心理カウンセリングなど、職場に健康支援プログラムを導入することが重要です。

また、新しい分野への挑戦や自己啓発に取り組むことで、自身の市場価値を高めることができます。同時に、仲間やネットワークを広げることで、共通の課題を共有し、励まし会える環境を作ることも効果的です。

更年期の女性が輝く未来へ

企業や社会が更年期世代の女性に注目し、支援を強化することは、単に個人を助けるだけでなく、経済や組織全体の成長にもつながります。
多様な視点や経験をもつ更年期世代の女性が活躍することで、職場に新たな価値が生まれるようになるでしょう。

更年期世代の女性自身が前向きな姿勢でこの時期を捉えることが重要です。更年期は決して停滞の時期ではなく、人生の新たな挑戦や可能性を開拓する機会です
社会の支援と個々の努力が相乗効果を生むことで、更年期世代の女性がさらに輝ける未来が実現するのではないでしょうか。

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