女性の45歳〜55歳前後の年齢は、更年期と呼ばれます。この時期は、卵巣機能が低下することで、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が低下し、バランス状態が大きく変化するのです。

その変化の影響で、カラダやココロに不調が現れます。わたしたち女性に多くの恩恵を与えてくれた女性ホルモンは、どのような働きをし、どのように変化していくのかを、一緒に確認していきましょう。

また、メノテックライフ独自の「バランス状態チェック」では、更年期に起こるカラダやココロのゆらぎについて、バランスタイプごとに異なる原因を知ることができます。今の自分のバランス状態がどのタイプに当てはまるのかをチェックし、自分に合った対策を見つけましょう。

女性ホルモンとは?

女性ホルモンとは、妊娠の準備を行うため脳からの指令を受けて、卵巣から分泌されるホルモンの一種です。丸みのあるカラダや、美しい肌や髪を作る働きも持っています。

女性は8歳ごろから女性ホルモンが増え始め、12歳前後で初潮を迎えます。

体内で作られる量は、一生でティースプーン1杯ほど。量は少なく感じますが、女性にとって非常に大切な役割を担っているのが、女性ホルモンです。 

更年期にかかわる女性ホルモンの種類と働き

更年期には女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量が徐々に減っていき、カラダにさまざまな変化をもたらします。

女性ホルモン「エストロゲン」の主な働き

「エストロゲン(卵胞ホルモン)」は、卵巣で分泌される女性ホルモンのひとつです。生理終了前後から分泌量が増え、生理2週間前の排卵期に分泌量は最大になります。

エストロゲンの役割は、卵巣の中にある卵子の赤ちゃん(原子卵胞)の成長を促し、子宮内膜を厚くして「妊娠の準備」をすることです。

その他にも、みずみずしい肌やつややかな髪、丸みのある豊かな胸を作るなど、女性の美容にも大きくかかわるホルモンで、エストロゲンが十分に分泌されることにより自律神経も安定します。

女性ホルモン「プロゲステロン」の主な働き

卵巣で分泌されるもうひとつの女性ホルモンが、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」です。

排卵後から大量に分泌され、受精卵が着床しやすい環境になるよう体温を高めたり、育ちやすいよう子宮内膜をやわらかい壁に整えたりするなど、「妊娠をサポート」する役割を持つのです。

妊娠準備として栄養を保持しようとする働きがあるため食欲が増加したり、水分も保持しようとするためむくみが生じやすくなります。

生理前にイライラするPMS(月経前症候群)も、プロゲステロンとの関係が考えられています。

女性ホルモンの1カ月の変化

生理が終わってから次の生理が始まるまでを「月経周期」といいます。月経周期をつかさどるのが、女性ホルモンです。約28日のサイクルで分泌量の増減を繰り返します(一般的に正常とされる生理周期は25〜38日です)。

<生理周期の仕組み>

  • 生理終了前後~生理前2週間
    脳からの指令で、原子卵胞を育てる命令が出されると、エストロゲンの分泌量が増え排卵のための準備が進み「排卵」します。
  • 排卵~生理開始直前
    排卵後には、エストロゲンの分泌量はいったん下がり、プロゲステロンが増えていきます。受精卵の到着(妊娠)を待ちますが、着床がなかった場合には、子宮内膜がはがれ生理を迎えます。
    このとき、2つの女性ホルモンの分泌量は低い状態です。

●女性ホルモンの分泌と更年期におこる自律神経の乱れ・不調の関係●

脳から排卵の準備をするように指令を受け「卵巣を刺激するホルモン(卵胞刺激ホルモン・FSH/黄体形成ホルモン・LH)」が分泌され、卵巣を刺激

卵巣から女性ホルモンが分泌される
●排卵前:排卵準備のための女性ホルモン「エストロゲン」が分泌
●排卵後:妊娠準備のための女性ホルモン「プロゲステロン」が分泌

妊娠に至らなければ生理がくる
30代後半から卵巣機能の衰えで女性ホルモンの分泌量が低下脳の指令通りに分泌されないことに脳が混乱し自律神経が乱れる

生理とは関係ないタイミングで、更年期のさまざまな不調が発現する

更年期と女性ホルモンの変化との関係

女性ホルモンは初潮を迎えたころから成熟期、更年期を経て閉経まで、女性のカラダやココロに影響を与えます。女性ホルモンの分泌には個人差があるため一概に定義することはできませんが、各時期の一般的な特徴について解説します。

思春期

女性のカラダでは8歳ごろから女性ホルモンの分泌量が上がり始め、その後12歳前後で初潮を迎えます。

20歳ごろまでにエストロゲンはどんどん分泌量を増やしていきますが、生理周期や生理期間、経血量などが安定しないのも、この時期の特徴のひとつです。

性成熟期

10代後半〜30代前半は女性ホルモン量も十分で、分泌が安定している時期です。妊娠や出産にもっとも適した時期といえるでしょう。

月経周期に伴い女性ホルモンの分泌量が変化し、妊娠や出産の準備が行われます。

プレ更年期

30代後半〜40代前半は、更年期の入り口にあたるプレ更年期と呼ばれる時期です。

1カ月単位の生理周期とは別に、女性ホルモン分泌量が減り始め自律神経の乱れが生じる結果、更年期のような症状が現れる人もいます。

更年期

女性ホルモンの分泌の大幅な減少による自律神経の乱れで、カラダやココロにも大きな変化が起こる更年期は閉経を挟んだ前後10年間、おおよそ40代後半〜50代前半頃に起こります。

急なほてりや発汗、イライラ、気分の落ち込みなどつらい症状が発現する人が多いです。

閉経

閉経は、更年期の中間地点にあたる50歳前後で迎えるのが一般的です。

閉経と判断する一般的な方法は、最後の生理からさかのぼり12カ月間生理がないと分かったときです。婦人科を受診し血液検査で推定することも可能です。閉経後約5年をかけて、女性ホルモンの量はさらに減少していきます。

アフター更年期 

心身の不調から解放される50代後半以降をアフター更年期などと呼びます。このころになると、卵巣からのエストロゲンの分泌はなくなり、卵巣以外で作られる男性と同じレベルの分泌量のみが維持されます。

エストロゲンは肌のつやはもちろん、血管や代謝など女性のカラダを守る働きをしているため、分泌されなくなると動脈硬化や体重の増加、糖尿病など今までとは別の病気にかかりやすくなります。

更年期の女性ホルモン減少|あなたの「バランス状態チェック」

メノテックライフ独自の更年期に関する研究や生活者アンケート結果に基づいた「バランス状態チェック」では、バランスタイプごとに異なる原因を判定できます。今の自分のバランス状態がどのタイプに当てはまるのかをチェックしてみましょう。

女性の体・心とバランス状態との関係

メノテックライフでは、漢方理論と世界の伝統療法を融合させた、独自の「虚-実、寒-熱、湿-燥」の3軸・6要素を定義。それらの視点から、個々のバランス状態を判断すると、その人により合ったケアができると考えます。

虚↔実、寒↔熱、湿↔燥はそれぞれ反対の性質で、「寒」は寒がりでこりや痛みを感じやすい状態なのに対し、「熱」は暑がりでほてりを感じやすいなど、異なる性質を持ちます。

どちらかに偏りすぎると、カラダやココロに不調が起きるとされるため、過不足や滞りのないバランスのとれた「中庸」を目指し整えることが大切です。

また、3つの軸はどれかひとつではなく、それぞれに影響し合っているため、バランス状態と3軸の組み合せを把握することが重要といえます。あなたはどのタイプなのか、チェックしてみましょう。

【判定】あなたの「バランスタイプ」は?

メノテックライフでは、更年期に関する研究や生活者アンケートの結果を多角的に分析し、更年期に乱れやすい症状に注目して独自に定義した「虚-実、寒-熱、湿-燥」3軸・6要素のバランス状態を判定する「バランス状態チェック」を考案しました。

3軸のバランス状態を組み合わせた8タイプの中から、今の自分の状態を判定できます。

心身のバランスが乱れる原因が分かれば、バランスを整えるための方法を知ることができます。あなたのバランス状態をチェックしてみませんか?

詳しくチェックしたい方は「バランス状態チェック」へ

女性ホルモンの波をサポートしてくれる治療法

女性ホルモンの波は、カラダやココロの不調になって現れます。つらい症状に悩まされたときは病院で受診し、適切な治療を受けましょう。 

まずは病院で血液検査

更年期には、卵巣から分泌される女性ホルモンは減少しますが、脳から卵巣へ指令を出すホルモンは増加します。

血液検査では、それぞれのホルモンの数値を見て、自分が更年期のどの状態なのかを推定します。更年期にあたるケースとは、一般的に以下のような傾向です。

  • 脳から分泌されるFSHなどのホルモン数値が高い・増加傾向
  • 卵巣から分泌されるエストロゲンなどの女性ホルモン数値が低い・減少傾向 

更年期と分かったら始める「ホルモン治療」

ホルモン治療には主に2種類あり、血液検査によるホルモンの数値に合わせた治療が行われます。

一般的に、プレ更年期の場合は「低用量ピル(OC)」、更年期でエストロゲンの減少が見られたときには「ホルモン補充治療(HRT)」が選択されることが多いでしょう。

ホルモン補充治療(HRT)は、主に、「飲み薬」「貼り薬」「塗り薬」の3つの種類があります。

自分の体に合わせてはじめられる「漢方治療」

漢方医学では、「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(体液)」のバランスがとれた状態を、良好な状態と考えます。

更年期などの不調は、この「気・血・水」のバランスが崩れることで、カラダやココロに不調が起こると考えます。

漢方医学に基づく漢方薬は、人によって異なるバランス状態の乱れを整えることを目指すため、人によって異なる更年期のカラダとココロの不調にも適しているといえます。

漢方薬が更年期の女性に多く用いられる理由のひとつが、ここにあるでしょう。

参考:Kampoful Life byクラシエの漢方

女性ホルモンを補うための栄養・食べ物

女性ホルモンは食べ物で増やすことはできませんが、低下しつつある女性ホルモンの働きをサポートすることは可能です。しかし、それだけを食べていてもあまり効果は期待できません。

複数の食材や栄養素を同時に摂取することで、栄養の吸収率アップや効果を大きく引き出すことになるからです。バランスよく栄養を含んだ食事をとることを大前提とした上で、この後に紹介する更年期におすすめの食材や栄養を取り入れていきましょう。

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは、納豆、豆腐、豆乳など大豆や大豆製品に多く含まれる栄養素です。

体内でエストロゲンと似た働きをすることから、エストロゲンの減少に伴う更年期のさまざまな症状や骨粗しょう症に対して効果が期待できます。

ビタミンB群 

豚肉・魚介類・レバー・穀類などに多く含まれるビタミンB群には8種類のビタミン(ビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・パントテン酸・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・ビオチン)があります。

ビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変えるときに欠かせない栄養素のため、パワーが足りないときに特におすすめの栄養素です。

ビタミンB6にはエストロゲンの働きを助け、バランスを整える作用が期待されています。

ビタミンE

ナッツ類・マグロ・アボカド・オリーブオイルなどに多く含まれるビタミンEは、ホルモンの代謝にかかわる栄養素であるため、更年期には積極的に食事に取り入れましょう

血行を促進する働きもあるため、冷えや肩こり、乾燥肌などにも有効です。

ビタミンC 

ビタミンCはブロッコリーやキウイをはじめとする野菜や果物に含まれる栄養素です。ストレス対抗、副腎皮質ホルモンの分泌を促すため、更年期のイライラの緩和が期待できます。

皮膚や血管などのコラーゲンの生成・維持にも深くかかわるため、ほてり、発汗、肩こり、肌の乾燥の悩みにもおすすめ鉄分はビタミンCと一緒にとると吸収率が上がります

カルシウム・マグネシウム

エストロゲンの減少で骨量が減ることが分かっています。

骨の生成をサポートするカルシウム(牛乳・シジミなど)と、マグネシウム(昆布・ほうれん草・ひじきなど)、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(白キクラゲ、鮭など)を、積極的に摂取しましょう。

タンパク質

タンパク質は、肉・魚・大豆製品などに含まれ、カラダのすべての細胞を作るのはもちろん、ホルモン生成の材料になります。

更年期には筋肉量が低下し、消化酵素の活性も低下するため、今までよりも意識してタンパク質を摂る必要があります。

タンパク質は、体の中でアミノ酸になり、イライラを解消するセロトニンや睡眠スイッチのメラトニンなどが作られるため、更年期のさまざまな症状の予防にも大切な成分といえるのです。

更年期は女性ホルモンから卒業する時期

女性は子どものころから女性ホルモンによって守られてきましたが、更年期を境に、女性ホルモンから卒業する時期を迎えます。

更年期の10年間とは、女性ホルモンのない生活に慣れていくための準備期間です。

女性ホルモンがなくても自分でバランス状態を整えていけるよう、しっかり栄養を取り、カラダとココロを整える習慣をつけていきましょう。