著者 : クラシエ編集部
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「MenotechLife(メノテックライフ)」は、クラシエ編集部が発信する更年期のためのサポート・メディアです。長年の研究やアンケート結果を基に、更年期の身近でリアルな情報を発信し、みなさまが自分らしく前向きに過ごすサポートができれば嬉しいです。

40代後半になったあたりから「なんとなく体調が悪い」「やけに疲れを感じる」「寝ても疲れが取れない」と感じることはありませんか?もしかすると、これらの体調不良は更年期の症状かもしれません。
病院に行くほどではないけれど、ちょっとした不調を和らげる自然の恵みとして、近年「ハーブ」が注目を集めています。

今回は更年期におすすめのハーブとその取り入れ方について詳しく紹介します。

更年期症状の原因は自律神経の乱れ?女性ホルモンとの関係

目次更年期に起こる自律神経の乱れと女性ホルモン・体調不良との関係自律神経と女性ホルモンとの関係女性ホ…

ハーブの起源は古代文明から?!

ハーブの歴史は古く、紀元前3000年頃にメソポタミアで医療や香料として利用されていた記録があり、古代から現代まで、人々の生活に深く根付いてきました。
また、医学が発達していない時代には、抗菌力をはじめとする薬効によって感染症に対処したり、心身の失調を癒したりと、病気を治す薬草として使われてきました。日本でもドクダミ、ヨモギ、ウコンなどの和漢植物が、古くから人々の暮らしや健康に役立ってきています
また、フランスでは「エルボリストリ」と呼ばれる薬草専門の薬局があり、「植物療法」を行う植物療法士たちが、身体の不調などの症状に合わせてハーブを調合し、アドバイスをしてくれます。

「植物療法」とは植物が持つフィトケミカルを利用して、心と体をケアする療法で、フィトセラピーと呼ばれます。近年では、植物の力を使いながら人間の自然治癒力を高めるという、昔ながらの植物療法が見直されています。

更年期症状を癒すハーブの効果

1.ホルモンバランスを整える

更年期になるとホルモンバランスが変化し、どうしても体調の変化が起こりがちです。特に女性ホルモンのエストロゲンの分泌量低下による自律神経への影響は大きく、ほてりやのぼせなども起こりやすくなります。
ハーブには、自律神経やホルモン系、免疫系に作用して、心と体のバランスを整える効果が期待できるものもあり、更年期症状におすすめです。

2.ストレス緩和

更年期世代の女性は、仕事、子育て、介護などでストレスを受けることが多く、強いストレスを受け続けると、自律神経の働きやホルモンの分泌が乱れ、心身の様々な不調として現れることがあります。
さらに、更年期にはエストロゲンの分泌が減ることで、「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」が脳内で合成されづらくなり、イライラや不安を感じやすくなります。

ハーブは不調の背景にあるストレス反応をコントロールして、緩和することで全身的に体調を整え、症状の改善に導いてくれます。

3.フィトケミカルの作用

フィトケミカルとは、植物が紫外線や昆虫などから体を守るために作り出す色素や香り辛味ネバネバなどの成分で、天然の化学物質です。第7の栄養素と言われています。

フィトケミカルは強い抗酸化力を持ち、体の酸化を抑えて細胞の老化を防ぎ、体に本来備わっている自然治癒力を高めてくれます。
また、フィトケミカルは、エストロゲンに似た働きを持つものや、ホルモンバランスを調整する作用を持つものがあり、更年期症状の緩和に役立つ可能性があります
フィトケミカルの代表的な成分として、ポリフェノール、イソフラボン、アントシアニン、カテキンなどがあります。

更年期症状におすすめのハーブ

ホットフラッシュにおすすめ

クラリセージ

エストロゲンに似た作用を持ち、特にのぼせ、発汗、ほてりを和らげる働きがあります。収れん作用に優れているため、ホットフラッシュや月経が多い人に適しています。

ゼラニウム

嗅ぐだけで唾液中のエストロゲン濃度を増加させ、更年期症状の改善に効果が期待できます。不安感の軽減にも効果的です。

サイプレス

精油の香りは、むくみ改善や鎮静作用があり、ほてりを和らげる効果が期待できます。

イライラ、ストレスにおすすめ

ジャーマンカモミール

飲みやすく、様々な効果を持つ「万能ハーブ」です。PMSや月経痛、冷えなどの女性特有の症状を緩和し、ホルモンバランスの乱れにも働きかけます。リラックス効果が高く、不安や抑うつ睡眠障害を改善するほか、体のこわばりを和らげる効果も期待できます。

ラベンダー

更年期のイライラや不眠などの症状を和らげる効果が期待できます。副交感神経を優位にして、心身ともにリラックスさせます。

レモンバーム

レモンに似た香り。更年期に揺らぐ心を鎮静させたり高揚させたり、両面でサポートしてくれる頼もしいハーブ。女性ホルモンのプロゲステロンと似た作用があり、ホルモンバランスを整える効果もあります。

不眠におすすめ

ラフマ

脳内のセロトニンを増やす働きがあり、睡眠の質の向上に役立ちます。

リンデン

リンデンは上品な甘い香りが特徴。不眠、不安、冷え、動悸、更年期の不定愁訴などに

バレリアン

不安やストレスを改善し、睡眠の質を高めてくれます。ストレスからくる不眠肩こり頭痛にも効果が期待できます。

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手軽にできるハーブの取り入れ方

ハーブティーとして楽しむ

ハーブティーは、ポットにハーブを入れて沸騰したお湯を注ぎ、蓋をして蒸らすことで淹れます。この時、ハーブの香り成分が大事なので、香りが逃げないように必ず蓋をするのがポイント。カップに移し、まずはその湯気を十分に吸い込むことで、ハーブの香り成分(精油成分)が鼻から吸引されます。

香りの刺激はダイレクトに脳に伝わり、リラックス効果やスッキリ効果をもたらしてくれます。湯気がある程度消えたら、ハーブティーをゆっくり味わいましょう。
より手軽に摂るなら、ティーバッグを活用するのもよいでしょう。まずは1日1杯を目安に、生活のいろいろなシーンで楽しんでみましょう。

芳香浴

ハーブや精油(アロマオイル)を含む蒸気をアロマポットやディフューザーなど専用器具を使って楽しむ方法もありますが、もっと手軽に取り入れる方法をご紹介します。

ティッシュペーパーやハンカチに精油を1滴つけて香りを楽しむ

ハンカチやティッシュを使うこの方法は、かさばらず、水や火を使わないためどんなシーンでも活躍する芳香浴の楽しみ方です。

外出先で混雑した電車に乗った時や、人ごみの中にいて気持ちをリフレッシュしたい時にもおすすめです。

マグカップで楽しむ

マグカップにお湯(70~80度)を入れ、お好みの精油を1~4滴垂らします。目をつぶり、コップから立ち上がる蒸気と一緒に香りを吸い込むことで、お仕事の休憩中などでも簡単に芳香浴を楽しむことができます

温かいタオルでほっと一息

お湯に精油を2、3滴垂らし、タオルを浸して絞ったら完成。
夏は冷たいお水で冷えタオルを作るのもさっぱりして気持ちよいです。

アロマバス

浴槽に張ったお湯に5滴以下の精油を入れて、よくかき混ぜて入浴しましょう。精油は水に溶けにくいため、バスソルトに混ぜてから使用するのもおすすめです。

半身浴や、手浴・足浴といった部分浴法もおすすめです。

ハーブを日常生活に取り入れよう

更年期は、心身に様々な変化が現れる時期ですが、ハーブの力を借りることで、穏やかに過ごすことができます。
ハーブティーやアロマテラピーなど、自分に合った方法でハーブを取り入れ、心身ともに健やかな毎日を送りましょう。

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