肩こりの症状に悩む方は多いですが、更年期と肩こり・首こりとの関係や、更年期が悪化の原因となることは、あまり知られていません。

肩こりや首こりの症状がひどくなると、頭痛や吐き気、不眠、うつのような症状につながることもあるため、更年期に起こる肩こりや首こりの特徴や原因について解説します。

また、本記事で紹介するクラシエ独自の「バランス状態チェック」では、同じ「肩こり」や「首こり」でも、バランスタイプごとに異なる原因を知ることができます。

今の自分のバランス状態がどのタイプに当てはまるのかをチェックし、自分に合った対策を見つけましょう。

更年期で肩こりが悪化するの?

更年期に現れるさまざまな不調について、メノテックライフ(クラシエ)では、年4回のアンケートを実施し(※)、症状が「ない」「弱い」「強い」の3段階で評価してもらいました。

その結果、「弱い」~「強い」など、なんらかの不調を感じている症状の中で、群を抜いて多かったのが「汗をかきやすい」「目が疲れる」、そして「肩こり・首こり」の3つでした。

「前から肩こりはあったから仕方ない」「疲れているし年齢的にも仕方ない」ということではなく、更年期によって肩こりや首こりの症状が悪化しているのかもしれません。

更年期には、女性ホルモンの急激な減少により自律神経の乱れが生じます。自律神経の乱れは、女性のカラダやココロのバランス状態にも影響を及ぼし、肩こりや首こりなどの不調を引き起こすのです。

しかし、バランス状態は千差万別。同じように思える肩こりや首こりでも、隣の人とは原因が異なります。今の自分のバランス状態について、一緒に確認していきましょう。

※アンケートの共通の尺度として、簡略更年期指数(SMI)、日本産婦人科学会生殖・内分泌委員会報告の更年期症状スコア、バランス状態(3 軸)評価を使用し、年4回(春、梅雨、夏、冬)に分けて実施。アンケートでは症状の度合いを「無」「弱」「強」の3段階で評価する方法を採用。

【タイプ別】更年期の「肩こり・首こり」の特徴と対策

メノテックライフ独自の更年期に関する研究や生活者アンケート結果に基づいた「バランス状態チェック」では、バランスタイプごとに異なる原因を判定できます。今の自分のバランス状態がどのタイプに当てはまるのかをチェックしてみましょう。

女性の「肩こり・首こり」とバランス状態との関係

メノテックライフでは、漢方理論と世界の伝統療法を融合させた、独自の「虚-実、寒-熱、湿-燥」の3軸・6要素を定義。それらの視点から、個々のバランス状態を判断すると、その人により合ったケアができると考えます。

虚↔実、寒↔熱、湿↔燥はそれぞれ反対の性質で、「寒」は寒がりでこりや痛みを感じやすい状態なのに対し、「熱」は暑がりでほてりを感じやすいなど、異なる性質を持ちます。

どちらかに偏りすぎると、カラダやココロに不調が起きるとされるため、過不足や滞りのないバランスのとれた「中庸」を目指し整えることが大切です。

また、3つの軸はどれかひとつではなく、それぞれに影響し合っているため、バランス状態と3軸の組み合せを把握することが重要といえます。あなたはどのタイプなのか、チェックしてみましょう。

更年期の「肩こり・首こり」に多い「湿」タイプの特徴と対策

まずは、肩こり・首こりに多い「湿」タイプの特徴と対策からみていきましょう。

湿タイプ

  • 水の巡りがよくない
  • 水分バランスが過剰

<特徴>
□ 雨や台風の時に頭痛を感じやすい
□ 手足や顔などがむくみやすい
□ 背中や腰の痛み・関節痛がある
□ 疲れやすい

<対策>
水の巡りが滞りやすく、むくみや疲れがでやすいのが湿タイプです。湿の影響で血液循環が悪化し、周辺筋肉の緊張が高まることが肩こりの原因
と考えられています。

「湿」に「寒」を伴うことで肩こりが起こりやすくなります。体内の水の巡りを改善させることが対策として有効です。

体内の余分な水を循環させる作用を持つ食材(フェンネル/ビワの葉/ハトムギ/カリンなど)血液循環が悪く「寒」を伴うと貧血を起こしやすいため鉄分の多い食材(肉や魚/ヘム鉄、海藻・野菜/非ヘム鉄)もおすすめです。

更年期の「肩こり・首こり」に多い「寒」タイプの特徴と対策

つぎに、肩こり・首こりに多い「寒」タイプの特徴と対策を解説します。

寒タイプ

  • 寒がり
  • 夏でも温かいものが好き

<特徴>
□ 腰や手足が冷えやすい・寒がり
□ のどがあまり乾かない
□ 顔色は青白い方だと思う
□ 一年を通して、温かい飲み物を飲むことが多い
□ こりや痛みを感じやすく、温めると改善される

<対策>
「寒」と「湿」が組み合わさると、筋肉や関節のこわばりや痛み、疲労感、寒さに対する嫌悪感が起こりやすくなります。

電子レンジで温めるタイプの温感商品や、貼るタイプのお灸などで温めたり、痛みがなければ、肩回しや肩甲骨周辺からのストレッチで筋肉を温めたりしましょう。

食べ物だと、あずき、かぼちゃ、たまねぎ、生姜などがカラダを温める作用があります。ジンジャー、シナモン、フェヌグリーク、ナツメグ、イチョウの葉、オレンジピールは、ハーブティーや料理のスパイスなどとして取り入れてみましょう。

【判定】あなたの「バランスタイプ」は?

メノテックライフでは、更年期に関する研究や生活者アンケートの結果を多角的に分析し、更年期に乱れやすい症状に注目して独自に定義した「虚-実、寒-熱、湿-燥」3軸・6要素のバランス状態を判定する「バランス状態チェック」を考案しました。

3軸のバランス状態を組み合わせた8タイプの中から、今の自分の状態を判定できます。

心身のバランスが乱れる原因が分かれば、バランスを整えるための方法を知ることができます。あなたのバランス状態をチェックしてみませんか?

詳しくチェックしたい方は「バランス状態チェック」へ


すぐできる|肩こり・首こりを改善させるための対策

ここでは、つらい肩こりや首こりを緩和させるのに有効な方法を紹介します。誰でも試せる方法なので、パートナーや親子、お友達と一緒に試してみましょう。

更年期の肩こり・首こりにおすすめのツボ

後頭部の髪の生え際(後頭部と首の境目)沿いには、肩こりや首こり、眼精疲労、自律神経の乱れなどに有効なツボがあります。

完骨(かんこつ)~風池(ふうち)〜天柱(てんちゅう)〜あ門(あもん)という後頭部にあるツボの位置を紹介します。押し方は両方の親指の腹を使い、痛すぎず気持ちいい程度が適切です。

●スタートは左右の親指の腹で、両耳の後ろの出っ張った骨、すぐ下のくぼみ(完骨)

完骨から親指1本分ほど内側にあるくぼみ(風池)

●風池から、内側に向かって斜め上に親指を移動。後頭部の骨を感じる辺り(天柱)

●天柱から、右手の親指だけ、さらに内側に向かって斜め下に移動。
後頭部の中央にあるくぼみ。髪の生え際から親指1~2本分ほど上にある(あ門)

更年期の肩こり・首こりの回復には睡眠が大事

質のよい睡眠をしっかりとることも、肩こり・首こりの解消に役立ちます。中でも、自律神経を整え、傷ついた細胞を修復する働きがある成長ホルモンは、寝はじめの3時間に多く分泌されます。

寝つきの質が悪いと、カラダの回復が遅くなったり、慢性的な疲れがとれにくかったりするため、肩こりや首こりが悪化する一因にもなるのです。

更年期では、急なホットフラッシュや不安感などから「眠れない」「寝つきが悪い」といった不眠の症状を訴える女性がとても多くいますが、肩こり・首こりと寝つきの両方におすすめなのが、「入浴」と「軽い肩回し」の軽い運動です。

<肩こり・首こりにおすすめの寝る前の対策>

  • 入浴

シャワーだけではなく湯船につかる「入浴」を行うことで、寝つきを促す深部体温の低下を促します。入浴は38~40℃のぬるめのお湯にゆっかり浸かり、眠る90分前くらいに済ませるのが理想的です。

  • 肩回し

ただ肩を回すのではなく、背中にある肩甲骨がしっかり動くことを意識して、ゆっくり回すのがポイントです。両肩10回ずつ行いましょう

寝る前のストレッチ運動なども有効ですが、強めの運動は寝つきを促す深部体温の低下を遅らせ、寝つきを悪くすることがあります。適度な運動を心がけましょう。

もしも、ひどい肩こりや首こりと同時に、不眠にも悩んでいるなら、寝つきをサポートする漢方薬や西洋薬などもあるので、婦人科やかかりつけの病院に相談してみましょう。

おすすめ記事:【タイプ別】更年期女性の不眠|つらさの原因・対策・いつまで?

更年期と肩こり・首こりとの関係・原因

そもそも、更年期になるとどうして肩こりや首こりの症状が現れたり、ひどくなったりするのでしょうか。ここでは、更年期と肩こり・首こりの関係や原因について解説します。

体内の「巡り」の悪化

更年期の肩こり、首こりには、加齢に伴う血管の老化や筋力低下に加え、カラダの巡りの悪化が大きな原因のひとつになっています。

女性ホルモンの「エストロゲン」には血管を広げて血流をよい状態にする働きがあります。

しかし、更年期の頃には、エストロゲンの分泌量が減少。血管が少しずつ硬くなり血流自体が悪くなっていきます。血流が悪くなった周辺の筋肉は硬くなり、肩や首などのこりとして現れると考えられています。

●女性ホルモンのエストロゲンと自律神経と更年期との関係●

脳から排卵の準備をするように指令を受け、「卵巣を刺激するホルモン(卵胞刺激ホルモン・FSH/黄体形成ホルモン・LH)」が分泌され、卵巣を刺激

卵巣から女性ホルモンが分泌される
●排卵前:排卵準備のための女性ホルモン「エストロゲン」が分泌
●排卵後:妊娠準備のための女性ホルモン「プロゲステロン」が分泌

妊娠に至らなければ生理がくる
30代後半から卵巣機能の衰えで女性ホルモンの分泌量が低下。脳の指令通りに分泌されないことに脳が混乱し自律神経が乱れる

生理緒は関係ないタイミングで、更年期のさまざまな不調が発現する

コラーゲンの減少

コラーゲンは肌の弾力を維持するだけでなく、関節を動かすのにも必要不可欠な関節軟骨成分です。コラーゲンが減少すると肩周辺の関節の動きも悪くなり、肩こりや首こり、周辺の痛みが生じます

コラーゲンは加齢とともに減少しますが、女性ホルモンの「エストロゲン」がコラーゲンの生成を促す働きも持っているため、更年期にエストロゲンが低下することで、肩こりや首こりが悪化する原因となります。

パソコンやスマホも影響

更年期が直接的な原因ではありませんが、パソコンやスマートフォンの長時間の使用も肩こりや首こりに影響を及ぼします。

女性はもともと男性よりも筋力が少なく肩や首にこりや痛みを感じやすいこと、血流の悪化やコラーゲンの減少で筋肉の柔軟性や可動域が狭まっていることなどが重なり、今まで以上に、長期間のスマートフォンなどの使用が、肩や首への負担を増加させてしまうのです。

ストレス

一般的に、更年期とされる45歳〜55歳の期間は、子どもの自立や親の介護、仕事の立場の変化など、生活のさまざまな変化が起こりやすい時期といえます。

外部環境によるストレスで自律神経が乱れることも、肩こりや首こりを悪化させる原因になります。

特に、更年期の症状は、もともと悪い部分や弱っている部分に発現する傾向があります。昔から肩こりや首こりの症状がある方は、更年期になると悪化しやすい傾向にあるのです。

適切なケアでつらい肩こり・首こりをケアしよう

更年期のつらい肩こりや首こりは、多くの女性が悩んでいる症状であることが分かりました。肩こりから頭痛やめまいが起こることもあり、生活の質にも影響します。

つらい肩こりや首こりであっても、今の自分のバランス状態を知り、それにあった食生活や対策をとって、自律神経のバランス状態を整えていけば、上手に改善できる可能性があります。

ぜんぶ完璧に取り入れようとすると、かえってストレスになることがあるので、今できる目の前の対策から少しずつ始めてみませんか。