更年期の女性の多くは、ほてり、のぼせなどのホットフラッシュ、激しい倦怠感といったカラダの不調や、イライラ、眠れないなどのココロの不調が現れるといわれています。

「ただの更年期だから」と我慢したり、無理を続けたりしている人も少なくありませんが、更年期のカラダやココロの不調があるとき、本当に、病院を受診する必要はないのでしょうか?

更年期の代表的な症状、病院を受診する目安となる「簡略更年期指数(SMIスコア)」について紹介し、更年期症状で受診したときの一般的な検査の種類、お薬についても解説します。更年期のさまざまな不調で、病院を受診すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

更年期で病院に行くべき?

更年期の体調不良の中、家事も頑張る女性

厚生労働省の「更年期症状・障害に関する意識調査」(※2022年7月)によると、更年期の症状を自覚している女性の中で「病院を受診していない」と回答した方が40代で81.7%、50代で78.9%にものぼりました。しかし、更年期に起こる症状の種類は多岐に渡り、つらさや程度も人ぞれぞれです。更年期で病院に行くべき、ひとつの基準について紹介します。

※参考:更年期症状・障害に関する意識調査_厚生労働省 2022年7月

更年期症状がつらいなら病院を検討

「更年期かも」という自覚があっても、ほとんどつらさを感じない方もいれば、日常生活にまで影響するほどの方もいます。まずは、更年期の代表的な症状について、一緒に見ていきましょう。

【更年期の代表的な症状】

  • ほてり・のぼせ・発汗(汗をかきやすい)・冷えなど
  • 怒りを抑えられない・イライラ・不安(情緒不安定)・憂うつ・無気力など
  • 眠れない・眠りが浅い
  • 頭痛
  • 動悸、息切れ
  • 腰痛・関節痛・肩こりなど
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 疲労感・倦怠感
  • 肌の乾燥・かゆみ
  • 疲れ目・かすみ目・ドライアイ
  • 腰や手足が冷えやすい
  • 肩こり、腰痛、手足の痛み

肩こりや腰痛、疲れ目やかすみ目などの症状は、「この年齢になれば仕方ない」とあきらめてしまう方も多いですが、症状が長く続いたり、日常生活に影響するほどの場合は、病院の受診を検討してみましょう。

SMIスコアで受診する目安を知る

いまの更年期の状態を知るひとつの目安になるのが、「簡略更年期指数(SMIスコア)」です。

更年期の症状と程度をチェックしていくことで、今の自分の状態を把握する目安が分かります。チェック表は、婦人科など日本の多くの医療現場でも利用されています。

SMIスコアが51点以上だった場合は、すでに更年期の症状が重い可能性があるため、病院の受診をおすすめします。

【簡略更年期指数(SMIスコア)の自己採点の評価方法】

以下の10症状について、その程度に応じて強・中・弱・無のいずれかに✔印をつけ点数を換算します。どれか1つの症状でも強く出ていれば、強に○をしてください。

症状 感じない やや
感じる
感じる 強く
感じる
点数
顔がほてる 0
汗をかきやすい 0
腰や手足が
冷えやすい
0
息切れ、
動悸がする
0
寝つきが悪い、
または
眠りが浅い
0
怒りやすく、
イライラする
0
くよくよしたり、
憂うつになる
0
頭痛、めまい、
吐き気が
よくある
0
疲れやすい 0
肩こり、腰痛、
手足の痛みが
ある
0
合計 0

10症状の点数の合計点をもとにチェックをします。
0点~25点:うまく更年期を過ごせています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。
26点~50点:食事・運動に注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。 
51点~65点:病院を受診し、生活指導や薬物療法を受けた方がよいでしょう。
66点~80点:半年以上の計画的な治療が必要でしょう。
81点~100点:精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医による長期的な対応が必要でしょう。

出典:厚生労働省 「更年期症状・障害に関する意識調査」

更年期で病院へ行くなら何科を受診する?

更年期で受診といえば「婦人科」を思い浮かべるかもしれませんが、症状や程度はさまざまなため、婦人科だけに限られるわけではありません。更年期に起こる症状で何科を受診したらいいのかについて解説します。

更年期症状全般で受診するなら「婦人科」

更年期症状は、一般的に閉経する5年くらい前の45歳頃から女性ホルモンが徐々に減少し、自律神経が乱れることで現れます。そのため、更年期症状全般で悩んでいる場合は婦人科にかかるのが一般的です。

症状がとても重く、より深く医師に話を聞いてもらいたい場合には、更年期の専門医がいる更年期外来や、女性の心と体を総合的に診察する女性外来を受診するとよいでしょう。

かかりつけの「内科」でもOK

「近くに婦人科がない」「更年期症状なのか、他の病気なのか判断ができない」というような場合は、かかりつけの内科を受診するのもよいでしょう。

普段から付き合いのあるかかりつけ医であれば、通院や相談がしやすい点が大きなメリットです。受診する際は、「更年期症状の可能性も疑っている」ということも含めて相談すると、より的確な診察につながるでしょう。

心がつらいなら「心療内科・精神科」

「イライラが止まらない」「憂うつが続く」「やる気がでない」「眠れない」など、ココロの不調も更年期症状のひとつです。

「肉体的な症状ではないから」「更年期症状だから仕方ない」などと我慢せず、メンタルクリニック、心療内科、精神科など専門医の力を借りましょう。

受診するタイミングは、不眠や憂うつなどココロの不調が、1〜3カ月以上続いたり、日常生活に影響していると感じたときがひとつの目安といえます。「これくらいの症状で、大げさかな?」などと思わずに相談してみましょう。

メンタルクリニックや心療内科が近くになかったり、受診に抵抗がある場合は、婦人科やかかりつけ医への相談でも◎。更年期をうまく乗り越えるには、ココロのケアも大切です。

症状別の病院もあり

更年期には、体質や遺伝的に弱い部分に症状が出やすく、悪化するケースも見られます。

以前からつらい症状があったり、慢性的に悩みを抱えている場合には、症状に合った病院を受診するのもよいでしょう。

肩こりや腰痛持ちの方は整形外科、目の症状なら眼科、尿の悩みには泌尿器科などです。受診する際はより的確な診療につながるよう、自覚している別の更年期症状についても伝えることが大切です。

「漢方外来」もおすすめ

患者の体質や生活習慣、ココロの状態など全身の状態を総合的に診てアプローチするのが、漢方外来の特徴のひとつといえるでしょう。

漢方薬は、それぞれに異なる更年期の不調に対して、乱れたバランス状態を整えて、バランスが整った「中庸」の状態に戻すような作用が期待されています。

「漢方外来」が近くにない場合も、ホームページなどに「漢方相談」などと記載されている内科や婦人科でもOK。通いやすい病院を探して相談してみましょう。

更年期の病院|あなたの「バランス状態チェック」

メノテックライフでは、更年期に関する研究や生活者アンケートの結果を多角的に分析し、更年期に乱れやすい症状に注目して独自に定義した「虚-実、寒-熱、湿-燥」3軸・6要素のバランス状態を判定する「バランス状態チェック」を考案しました。

3軸のバランス状態を組み合わせた8タイプの中から、今の自分の状態を判定できます。

【判定】あなたの「バランスタイプ」は?

心身のバランスが乱れる原因が分かれば、バランスを整えるための方法を知ることができます。あなたのバランス状態をチェックしてみませんか?

更年期で病院を受診|どんな検査をする?

更年期症状のある患者と信頼できる医師

更年期で婦人科を受診したときには、どのような検査をするのでしょうか。婦人科で一般的に行われる検査について解説します(※)。

※代表的な内容や診察の流れを紹介しています。病院や症状、状況などによって異なるため、あくまで参考としましょう。

問診

診察の前には、医師による問診があります。一般的に聞かれることは以下の通りです。お薬手帳の持参とともに、手帳やスマホなどにメモしておくとよいでしょう。

【更年期症状で受診する際の基本的な問診内容】

  • 生理について(生理周期・生理期間・最後にあった生理の開始日)
    例:28日周期で、8日間くらい。最後の生理は2カ月前くらい
  • 更年期と思われる症状
    例:ほてり、イライラと落ち込み、肩こり
  • 症状が出た期間やタイミング
    例:半年くらい続いているかも。2カ月前に家族から指摘された
  • 症状がどれくらい続く(続いた)か
    例:ほてりは5分くらい。イライラは30分は止まらない
  • 特に気になる点・最近変わってきたこと
    例:ここ2カ月ほど、イライラ後の憂うつや落ち込みがひどくなってきた
  • 服用している薬・生活習慣など
    例:薬はなし。お酒は週末にビールくらい。運動はしていない。

「カラダのどの部分がどのようにつらいのか」「どれぐらい不調が続いているか」「特につらいのはどういった症状か」など、不調についての詳細を医師に伝えると、治療の足掛かりになります。

血液検査

現れている症状が更年期症状かどうかを診断するひとつの指針となるのが、血液検査による結果です。血液検査では、血液中のホルモン濃度を調べることで、更年期に入っているかどうかを推察することが可能とされています。主に、以下の血液数値を調べます。

  • E2(エストラジオール)※
  • 卵胞刺激ホルモン(FSH)
  • 黄体形成ホルモン(LH)

    ※エストロゲンの主成分で、エストロゲンの中で最も活性が強い。

また、ほかの病気の可能性がないかを確認するため、コレステロール値や血糖値、肝機能、甲状腺機能なども調べるのが一般的です。

内診・超音波検査

生理不順などの症状が見られる場合は、病気(子宮内膜症や子宮筋腫など)の有無を確認するため、内診や超音波検査を行うことがあります(※)。

ほかの病気などが隠れていないことを確認した上で更年期と診断され、更年期の治療が開始されるのが一般的です。

※受診日はお腹や下腹部の検査を想定し、脱ぎ着しやすい服装を選びましょう。念のため、下着にはナプキンやおりものシートをあてておくと安心です。

骨密度検査が行われることもある

骨は、骨芽細胞によって新しく骨を形成するとともに、破骨細胞によって古い骨を吸収する(古くなった骨が溶かされる)ことで新陳代謝を繰り返しています。エストロゲンは、骨芽細胞と破骨細胞の両方に作用するホルモンで、骨形成と骨吸収のバランスをとっています。

更年期になってエストロゲンが少なくなると、骨形成と骨吸収のバランスが崩れ、骨量が減少して骨粗しょう症を起こしやすくなるといわれています。

血液検査では、骨形成と骨吸収の程度について、骨代謝マーカーと呼ばれる指標で調べることが可能です。骨代謝マーカーからは、骨密度の今後の変遷を予想でき、骨粗しょう症の治療が必要かどうかの判断や、治療が必要な場合に治療方針を決めることに役立つとされています。

更年期症状の治療法とは?

更年期のお薬を服用して辛さが和らいだ女性

更年期症状に対する治療法としては、ホルモン補充療法と漢方薬が代表的とされています。それぞれについて詳しく解説します。

※治療法や効果は人によって異なります。また、医師の判断などにより治療法や処方薬(保険適応・保険適応外など)なども異なります。代表的な例として参考にしてください。

ホルモン補充療法

「ホルモン補充療法(HRT)」は、少量のエストロゲンを「経口剤(口から飲む薬)」「貼付剤(貼り薬)」「塗布剤orゲル剤(塗り薬)」のいずれかの方法で補充する治療法です。

ほてりやのぼせをはじめとする更年期症状に効果が期待されていますが、血液検査の結果や出ている症状などによって治療の必要性を医師が判断します。

通常は保険適用であるため、自己負担が少ない治療法という点もメリットのひとつです。

漢方薬

陰と陽のバランス状態を整えて人本来が持つ働きを促すような作用がある漢方薬は、更年期のさまざまな不調に対するお薬として選ばれることが多いです。

「肩こり」「目の不調」といった個別の症状にアプローチする西洋医学的な治療と並行して、それらを引き起こす「バランス状態の乱れ」を整えるような漢方薬を取り入れることで、症状が和らぐケースが多くあります。

漢方薬も保険適用が一般的なため、自己負担が少なく安心してはじめられる治療法です。近くに漢方を処方する病院がない場合には、市販の漢方薬でも◎。薬剤師さんに相談してみましょう。

更年期のつらい症状は我慢せずに病院へ

更年期症状は個人差があり、軽い症状で過ごせる方もいれば、日常生活に影響するほど症状が重い方もいます。

「ただの更年期だから」「この年齢だから仕方ない」などと我慢せず、少しでも軽くなるよう医療の力を借りるべく、病院を受診する機会を検討しましょう。

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