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急なほてりやのぼせ、イライラ、憂うつ……。これらは、更年期の症状として多くの女性が悩んでいるカラダやココロの不調です。
こんなにつらい更年期はいつから始まり、いつまで続くのか?
更年期がはじまる年齢や終わる年齢、閉経の時期、プレ更年期やアフター更年期の年齢や期間、それぞれの特徴について解説します。
漢方医学に古くから伝わる「女性は7年を基数として成長・老化する」という考え方とともに、7歳、14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳、56歳という7つの年齢ごとの女性のカラダの変化や特徴についても紹介します。
更年期とは、いつからいつまで?
更年期とは、閉経を挟んだ前後の約10年間を指します。日本人の一般的な閉経時期は、50歳前後とされ、更年期はその前後にあたる45歳〜55歳ごろをいいます。
更年期が始まる年齢は45歳くらいから
更年期が始まる年齢は、一般的に45歳ごろといわれています。個人差があり、30代後半からカラダの変化が現れる人、50歳近くになって更年期症状が出始める人、これといった大きな更年期症状を感じずに終わる人もいます。
更年期とは、閉経〜閉経後に向けたカラダへの転換期を指すため、ほてりやのぼせ、イライラといった更年期症状の有無に関係なく、すべての女性に訪れるものといえます。
更年期が終わるのは閉経を挟んで55歳くらい
毎月きていた生理がこなくなる「閉経」は50歳前後で迎える人が多く、55歳くらいで更年期が終わります。
閉経した後も5年ほどかけてゆっくりと女性のカラダは変化を続け、女性ホルモン「エストロゲン」が分泌されないカラダへと移行していきます(※)。
※閉経後、女性ホルモン「エストロゲン」は卵巣からの分泌はなくなりますが、卵巣以外からわずかな量は分泌されます。
プレ更年期は30代後半から始まる
更年期は一般的に45歳ごろから始まりますが、女性ホルモン「エストロゲン」の減少といったカラダの中の変化は、30代後半から始まります。そのような変化が始まる35歳ごろ〜45歳ごろまでの期間を「プレ更年期」と呼びます。
アフター更年期は55歳くらいから
更年期が終わる55歳以降を「アフター更年期」と呼ぶことがあります。女性ホルモン「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌はほぼなくなり、更年期に見られるさまざまな不調が落ち着き始めるのもこの頃です。
女性ホルモンが減少することで、今まではかかりにくかった生活習慣病、糖尿病、子宮体がん、骨粗しょう症などが発現しやすくなるといわれています。
更年期|女性の体と年齢との関係は7の倍数で考える
中国最古の医学書で漢方医学の原典とされる『黄帝内経(こうていだいけい)素門霊枢(そもん れいすう)』では、「女性は7年を基数として成長・老化する」と考えられています。7つの年齢ごとの女性のカラダの変化について解説します。
女性の体|年齢7歳ごろの特徴
7歳になると腎気が盛り上がり、その現われに永久歯が生え、毛もふさふさとなる
腎気(じんき)とは、「元気」や「生命の源」になるエネルギーのようなものをいいます。腎気が盛んな状態であれば、風邪などの病気にもかかりにくいとされます。
保育園時代はよく熱を出していた子どもが、小学校にあがると急に丈夫になりますが、腎気の充実と重なることが分かります。女性ホルモンの分泌が盛んになり初潮の準備が始まるのも、腎気が満ちるこの頃です。
女性の体|年齢14歳ごろの特徴
14歳になると任脈が完全に流通し生殖能力ができ、衝脈も盛大になって月経が定期的に下りてきて、子を胎む能力が完備する
任脈(にんみゃく)、衝脈(しょうみゃく)とは、生理や妊娠、出産にかかわる体内エネルギーの経路を指します。
女性ホルモンは7歳頃から分泌が盛んになり12歳頃に初潮を迎えますが、実際に妊娠などができるように成熟するのは14歳頃と考えられています。
女性の体|年齢21際ごろの特徴
21歳になると腎気のバランスが良く、親知らずが生えてくる
21歳のころになると腎気のバランスが安定し、女性としてのカラダが成熟期を迎えます。
10代のころは不安定になりがちな生理周期も、安定するようになります。
女性の体|年齢28歳ごろの特徴
28歳になると筋骨がともに引き締まってきて、髪の毛も豊かになり、女性として最も充実した状態になる
生物学的な視点で、妊娠・出産という女性としての機能がもっとも充実した時期です。
女性の体|年齢35歳ごろの特徴とプレ更年期との関係
35歳になると陽明の経絡がだんだんと衰え始め、髪の毛が抜けるのが目立つようになる
漢方医学における「陽明(ようめい)」とは、主にカラダの前側を指し、陽明経(陽明の経路)とは目の下あたりから足までつながるエネルギーの経路をいいます。
陽明がつかさどるのは肌肉とされ、肌のはりが落ちてきたり、洗髪時の抜け毛が気になり始めたりする時期です。目にも通じる経路であるため、疲れ目やドライアイ、老眼などの不調が現れはじめるのも特徴です。
プレ更年期にあたるこの時期は、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量も減少しはじめ、20代までにはなかったカラダの変化・それに伴う不調が現れはじめます。
女性の体|年齢42歳ごろの特徴と更年期との関係
42歳になると、太陽、陽明、少陽の経絡(小腸経、大腸経、三焦経)がそれぞれ衰え、顔がやつれ、しわが増え、頭には白髪がちらほら見えてくる
更年期にさしかかるこの頃は、太陽経、陽明経、少陽経というカラダにとって重要な経路が衰え始めます。実際に、肌の代謝が衰え、しみ・しわが増えたり、白髪が目立ち始めたりするのも、多くの場合40代に入ってからです。
卵巣から分泌される女性ホルモンも、卵巣の衰えで減り、自律神経の乱れへとつながります。それにより、さまざまな更年期の不調が現れます。
女性の体|年齢49歳ごろの特徴と閉経との関係
49歳になると、任脈がうつろになり始め、衝脈が衰えてきて、月経も終りとなり、生殖能力がなくなる
14歳で盛んになった任脈、衝脈が衰え、「閉経」を迎える時期です。
卵巣では女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」が、ほぼ分泌されなくなります。エストロゲンは卵巣以外に脂副腎や脂肪組織でわずかに作られますが、プロゲステロンはほぼゼロまで低下します。
女性の体|年齢56歳ごろの特徴とアフター更年期との関係
56歳ごろになると、肝気が衰え始める
更年期が終わり、アフター更年期にあたる時期です。
肝気(かんき)とは、カラダの中のエネルギーをカラダ中に巡らせる機能や働きをいいますが、肝気の衰えにより、それまでになかった病気や不調が現れやすくなります。女性ホルモンの減少に伴う更年期の不調は和らぎます。
更年期はいつからいつまで?|あなたの「バランス状態チェック」
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更年期の体に起こる代表的な症状
更年期のカラダに起こる代表的な症状について解説します。
ほてり・のぼせなどのホットフラッシュ・発汗・動悸
更年期の症状の代表格が、ほてり、のぼせなどのホットフラッシュと呼ばれるものです。特に運動中や緊張するような場面ではないのに、急にカラダが熱くなりのぼせたようになります。
大量の汗が出てきたり、胸がどきどきするような動悸を発現したりすることもあります。
疲れやすい・疲れがとれない・倦怠感
疲れやすい、疲れがとれない、強い倦怠感も更年期に多い症状です。これまで負担に感じなかった家事などでどっと疲れてしまうことや、そもそもソファーから起き上がれないほど強い倦怠感を伴うことも。
他者からは怠けているように見られるなど理解されにくく、精神的な負担に悩まされることも少なくありません。
肩こり・首こり
肩こり・首こりが昔からある場合、更年期との関連性を意識しない女性が多いのですが、更年期のカラダの変化に伴い、肩こりや首こりが悪化するケースはよく見られます。
腰痛や手足の関節痛、手指のこわばりとして現れる人もいます。
疲れ目・ドライアイ
疲れ目やドライアイも、更年期に起こるカラダの変化が一因です。目の奥の痛み、かすみ目など、さまざまな目の不調が出やすくなるのも特徴。
頭痛・めまい
頭痛やめまいも、更年期の症状のひとつとして挙げられます。頭をしめつけるような緊張型頭痛や偏頭痛など、症状の出方、程度、頻度には個人差がありますが、めまいを伴うような辛いケースもあります。
しみ・しわ・抜け毛・白髪
漢方医学でいう太陽経、陽明経、少陽経などが衰えはじめることで、肌や髪への栄養が減り、しみ、しわ、抜け毛、白髪などが増えます。
更年期の心に起こる代表的な症状
更年期ではカラダだけでなく、ココロにもさまざまな不調が起こります。多くの女性が悩まされる例を見ていきましょう。
すぐにイライラする・怒りっぽい
何気ない他者の言動に怒りが湧きイライラする、すぐに興奮して怒ってしまうということも更年期の女性にとても多く見られます。
ささいなことが気になる・憂うつ・気分の落ち込み
ささいなことが気になりイライラしたり、憂うつになる、気分が落ち込む機会が増えることは、更年期で多い症状です。
興奮してイライラするのではなく、くよくよ考えすぎるようなケースがこれにあたります。「更年期うつ」の可能性もあります。
やる気がでない・仕事が辛い
やる気が出ない、仕事がつらいというココロの不調も更年期には起こりやすいです。
仕事では、新しいことが覚えにくい、物忘れが増える、今までではありえないようなミスが増えるなど、自信をなくして退職まで考えるようなケースに至ることも……。
日常生活では、洋服や趣味に無関心になったり、何もやる気がでず無気力になったりするなど、やらなきゃという気持ちはあるのに、やる気がでず踏ん張れないという女性が多くいます。
不眠・眠りが浅い・日中も眠い
更年期のほてりや発汗などが夜間に出て眠れなかったり、不安感が強く眠りが浅くなったりすることが更年期では起こります。
眠る時間や眠りの質が下がることで、日中も眠たいと訴える女性はとても多いです。
更年期が終わる日は来る 上手に乗り切ろう
更年期はいつから始まり、いつまで続くのか……。更年期の真っただ中で苦しんでいる人、更年期かも?と不安に思うプレ更年期世代の人にとって「更年期」は終わりが見えない怖い存在のように思われがちです。
しかし、今のバランス状態を知れば、自分の足りていないところ、余剰なところが分かり、バランス状態を整えるために、自分ができることを探し出すことができるはず。
更年期が終わる日は必ず来ます。今の自分に向き合い、自分をいたわりながら、更年期を上手に乗り切っていきましょう。