著者 : クラシエ編集部
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「MenotechLife(メノテックライフ)」は、クラシエ編集部が発信する更年期のためのサポート・メディアです。長年の研究やアンケート結果を基に、更年期の身近でリアルな情報を発信し、みなさまが自分らしく前向きに過ごすサポートができれば嬉しいです。

「運動したいけど仕事が忙しくて続かない…」「何から始めたらよいか分からない」など、運動が良いのは分かっているけど、なかなか出来ていない方も多いのではないでしょうか?
更年期世代の方は家事や仕事、育児で忙しく、運動はハードルが高いと思われがち。
また、更年期の時期は、ホットフラッシュ・倦怠感・体重増加・気分の落ち込みなどの不調が現れ、女性の身体も心も変化が現れる時期になります。
ですが、適切な運動を取り入れることで、これらの不調を軽減し、健康的な生活を送ることができます。
更年期に運動を取り入れるメリット、おすすめの運動と、継続させるコツについて、詳しく解説します。

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更年期に運動を取り入れることのメリット

更年期の時期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少することで、自律神経のバランスが乱れ、ホットフラッシュ・動悸・肩こり・体重増加など「身体的な変化」が起きたり、いらいら・うつ・不眠など「精神的な変化」が現れることがあります。それだけでなく、骨粗しょう症動脈硬化などの病気のリスクも高まります。

更年期に運動を取り入れることは、更年期症状の改善や緩和だけでなく、更年期以降の病気の発症リスク低下にも繋がるのです。

1.ホルモンバランスの調整

適度な運動を行うことで、エストロゲンの分泌を促す効果が期待できます。運動によって血行が良くなり、卵巣や視床下部などのホルモンを分泌する器官に酸素や栄養が届きやすくなるためです。

特に有酸素運動は、血行を良くしてホルモンの分泌を促し、自律神経のバランスを整え、ホットフラッシュや不眠の症状を緩和するといわれています。

2.骨粗しょう症の予防

女性ホルモンのエストロゲンは、骨の新陳代謝を調節しており、骨吸収を緩やかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。更年期になってエストロゲンが少なくなると、骨形成と骨吸収のバランスが崩れ、骨量が減り、骨粗しょう症を起こしやすくなります

運動することで骨に重力や圧力がかかり、骨の形成が促進されるため、骨密度を増加させたり、転倒によるリスクを下げたりする効果があります。

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3.筋力や基礎代謝の向上

筋肉量は30代以降、加齢とともに少しずつ減少していきますが、更年期になると活動量や成長ホルモンの減少からそのペースが加速します。動くとすぐに疲れたり、何もないところでよくつまずいたりするのも筋肉量低下の症状です。
筋力トレーニングによって、筋肉量が増えることで基礎代謝が高まり、体脂肪の減少にもつながり、日常生活の動作も快適になります。

また、更年期に入る40代後半くらいから基礎代謝量が低下し、余ったエネルギーが体脂肪として蓄えられやすくなるため、20〜30代の頃とさほど変わらない食生活をしていても、太りやすくなります。運動は基礎代謝を高め、脂肪燃焼を促進するためダイエットにも効果的です。

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4.気分の改善

更年期の時期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少することで、自律神経のバランスが乱れ、イライラ気分の落ち込みなどの症状が現れることがあります。
適度な運動を行うことで自律神経が整い、精神的なイライラ、気分の落ち込みなどの症状を緩和できる効果があります。

また、運動をすることでβ-エンドルフィン(「幸せホルモン」のひとつ)が分泌され、ストレスや不安感を軽減し、更年期でイライラした気分もリフレッシュできます。

更年期におすすめの運動

更年期には、有酸素運動無酸素運動(筋肉トレーニング)を組み合わせると、より効果的に体の変化に対応することができます。

1. 有酸素運動

更年期には有酸素運動が非常に効果的です。 有酸素運動は心肺機能を向上させるだけでなく、ホルモンバランスの改善やストレス解消、体重管理にも役立ちます。ウォーキングスイミングサイクリングが、無理のない範囲で継続できるのでおすすめです。

やり方
  • 1日30~60分ほど行うようにし、1週間の合計時間がおおよそ 150~160分になるように設定すると良いでしょう。
  • 有酸素運動は30分以上続けることで、脂肪燃焼効果が高まり、成長ホルモンの分泌が始まります。成長ホルモンは「修復ホルモン」とも呼ばれ、身体の回復や病気の治療に役立ちます。
  • 普段あまり運動をしていない場合は、いきなりハードな運動をすると体に負担がかかったり、継続しにくくなったりすることがあります。まずは10分を3回に分けて行うなど、体を慣れさせることを意識しましょう。

2.無酸素運動(筋力トレーニング )

無酸素運動は筋肉量を維持・増加させ、基礎代謝を高め、骨密度を維持するのに効果的です。体重増加を抑えたり、骨粗しょう症やサルコペニア(筋肉減少症)の予防にもなります。
特に、更年期になると、エストロゲンの減少により基礎代謝が下がり、太ももなどの下半身の筋力が低下しやすくなるため、下半身のトレーニングを行うことは大切です。

スクワット

下半身の大きな筋肉を鍛えることで、効率的に基礎代謝を上げてくれ、自宅で簡単にできるので特におすすめです。

やり方
  1. 足を肩幅に広げ、つま先は真っすぐ前に向ける。
  2. 背筋をしっかり伸ばす
  3. お尻を軽く後ろに引いた状態で姿勢を崩さないようゆっくり腰を下ろす
  4. 床と太ももが平行になるまで下ろしたらゆっくりと元に戻す
  5. ここまでの動作を10回繰り返す(慣れてきたらこれを3セット)

プランク 

体幹を鍛える筋トレとして、更年期女性に適した運動です。おなか周りの筋肉を保つことで、腰を支える力を鍛えることができます。

やり方
  1. うつぶせになり、腕を肩幅に広げ、肘の下を床につける
  2. 足を肩幅ほどに開き、つま先を立てる
  3. お尻を引き締めるイメージで腰を持ち上げる
  4. 肩とお尻、かかとが一直線になるイメージで10〜20秒間キープする

3. ヨガ

ヨガには有酸素運動無酸素運動、両方の要素があり、さらにストレッチやマッサージの要素もあり、更年期の方におすすめです。呼吸法を取り入れたポーズは、自律神経を整えることでストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、ストレスを軽減することができます。

ヨガのポーズで全身を動かすことで凝り固まった筋肉がほぐれ、腹式呼吸で酸素が行き渡るようになります。これにより副交感神経が刺激され心身がリラックスし、自律神経バランスが整ってきます。
さらに深い腹式呼吸によって精神を安定せる「幸せホルモン」セロトニンの分泌が促され、イライラなどの精神状態も安定します。

運動を継続するポイント

まずは「週に3回、30分歩く」など、具体的な目標を設定すると、モチベーションが維持できます。アプリや手帳を活用し、運動記録(内容や時間)を記録することで、自分の頑張りを可視化するのもおススメです。

初めは頑張ってしまいがちですが、最初から激しい運動をする必要はありません。例えば、「30分を3回に分けて10分ずつ歩く」などでかまわないので、自分の体調や体力に合わせて、少しずつ無理のない程度で始めていきましょう。まずは、継続することを重視し、日々の習慣として運動を取り入れていきましょう。
また、自分が楽しいと思える運動をしたり、好きな音楽を聴きながら運動したりして、楽しむということも長続きさせるコツです。

無理せず楽しみながら始めてみよう

更年期は人生の一つの節目であり、適切な運動を取り入れることでより健康的に過ごすことができます。ウォーキングや筋力トレーニング、ヨガなど、自分に合った運動を見つけ、楽しく続けていきましょう。
日々の運動習慣が心身の健康をサポートし、更年期の症状を和らげてくれるはずです。
今すぐ、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

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