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女性のイライラには、多くの方が悩んでいることが分かっています。イライラして人や物にあたってしまう、ささいなことが気になって眠れないという女性がとても多いのです。
女性がイライラしてしまう原因、イライラを上手に抑えるための対策についても紹介します。イライラを解消していくための道を一緒に探していきましょう。
また、本記事で紹介するメノテックライフ独自の「バランス状態チェック」では、同じ「イライラ」でも、バランスタイプごとに異なる原因を知ることができます。今の自分のバランス状態がどのタイプに当てはまるのかをチェックし、自分に合った対策を見つけましょう。
女性のイライラ!こんなにつらいのは私だけ?
イライラのせいでココロがざわざわし、つらい思いを抱えている女性はとても多いです。ストレスや、疲れ、PMSなどイライラの原因はさまざまですが、女性の場合は、更年期によるイライラである可能性があります。更年期のイライラはどのようなものか見ていきましょう。
女性のイライラは更年期・プレ更年期の始まりかも
女性のイライラについて、一般的に、20代〜30代では生理前に起こるPMS(月経前症候群)、生理やストレスなどに伴うイライラが多い傾向です。
30代後半〜40代前半(プレ更年期)、40代後半〜50代前半(更年期)も「イライラ」が増加する時期ですが、約1カ月の月経周期と関係なく起こる場合は、更年期が原因のイライラの可能性があります。
また、月経周期に関係なく、ささいなことでくよくよする、不安が募ってイライラするというような場合も、更年期によるイライラの可能性があるでしょう。
女性の半数以上が悩んでいる「イライラ」の症状
厚生労働省が行った更年期に関する調査(※)によると、なんらかのイライラの症状を感じている女性は、40代で56.6%、50代で50.7%と、半数の女性が自分のイライラ症状を自覚していることが分かりました。
中でも、年齢的に更年期を疑いにくい30代の割合も、55.3%と半数以上の割合でイライラを自覚している人が存在しています。更年期といわれる40代後半以降の女性だけでなく、30代も含めた女性の2人に1人が、「イライラ」という症状に、なんらかの自覚を持ち困っていることが推察できます。
参考:更年期症状・障害に関する意識調査_厚生労働省_2022年7月26日
女性のイライラ!みんなはどんな感じ?
女性に多いイライラには大きく分けて「怒りっぽいイライラ」と「ささいなことが気になるイライラ」の2つがあります。自分のイライラは、どちらに当てはまるのか、それとも両方の要素を持ち合わせているのか、一緒に見ていきましょう。
怒りっぽいイライラ
目についたことや感じたことに強い怒りや憤りを感じて、興奮したように怒ってしまうという場合は、「怒りっぽいイライラ」かもしれません。
カッとなって声を荒げたり、物にあたったりするといった衝動が止められないというのも特徴のひとつです。後から、そんなつもりではなかったのにと後悔することもあり、気分の波が激しくなる傾向です。
- 家族や同僚、子どものちょっとした言動や失敗が許せず、つい怒ってしまう
- 夜になるとイライラして、のぼせたようになり眠れない
- 机をたたいてしまったり、物にあたったりすることがある
- イライラを抑えようと、自分の太ももなどを軽くたたくことがある
- ドアの閉め方が乱暴になったという自覚または指摘があった
ささいなことが気になるイライラ
ささいなことが気になりくよくよしたり、原因の分からない不安感や憂うつ感でイライラしたりする場合は、「ささいなことが気になるイライラ」かもしれません。
イライラする対象は、人や仕事だけではなく、音に敏感になることで小さな音にびくっとしたりイライラしたりすることがあります。
- 家族や同僚、子どものちょっとした言動や失敗が許せず、いつまでも気になりイライラ・モヤモヤする
- 夜になると、あれこれ考えだしイライラが止まらず眠れない
- エアコンの音や、冷蔵庫の音が気になって落ち着かない
- 片付いていない部屋を見るだけで、イライラが増大する
- イライラするけど、もはや原因すら分からない
【タイプ別】女性の「イライラ」の特徴と対策
メノテックライフ独自の更年期に関する研究や生活者アンケート結果に基づいた「バランス状態チェック」では、バランスタイプごとに異なる原因を判定できます。今の自分のバランス状態がどのタイプに当てはまるのかをチェックしてみましょう。
3軸のバランス状態を組み合わせた8タイプの中から、今の自分の状態を判定できます。
【判定】あなたの「バランスタイプ」は?
心身のバランスが乱れる原因が分かれば、バランスを整えるための方法を知ることができます。あなたのバランス状態をチェックしてみませんか?
女性の「イライラ」に多い「熱」タイプの特徴と対策
【熱タイプ】
- 暑がり
- 冬でも冷たいものが好き
<特徴>
□暑がり・汗をかきやすい
□のどが渇きやすい・尿量が少なく、色が濃い
□冬でもアイスや冷たい飲み物を好む
□ほてりを感じやすい
熱タイプはカラダの中に余分な熱が滞りうまく排出されないことが原因となり、イライラなどの症状が出現します。そのため、カラダをクールダウンさせる対策がおすすめです。
イライラしてカーとなってきたら、ツボ押しや腹式呼吸、人と距離をおける場所に駆け込み気持ちを落ち着けるよう心がけてみましょう。
トマト・ひじき・昆布だしの食材は、カラダの熱を放出する効果が期待できます。
女性の「イライラ」に多い「湿」タイプの特徴と対策
【湿タイプ】
- 水の巡りがよくない
- 水分バランスが過剰
<特徴>
□めまいや耳鳴りを感じやすい
□雨や台風の時に頭痛を感じやすい
□オイリー肌・ニキビができやすい
□手足や顔などがむくみやすい
湿タイプは体内の水分の巡りが悪く水分バランスが過剰になっている状態です。水の巡りをよくする食べ物を意識して摂取してみましょう。
中でも、利尿作用と同時にリラックス効果を期待できるハーブティーが◎。ビワの葉のハーブティー、カリンをシロップにつけたカリンシロップなどがおすすめです。
女性の「イライラ」に多い「実」タイプの特徴と対策
【実タイプ】
- 食エネルギーが過剰
- 緊張やストレスが多い環境
<特徴>
□イライラしやすい・緊張する場面が多い
□つい食べ過ぎてしまう・おやつや間食をしがち
□お腹が張ったり、便秘になりやすい
□あざができやすい・出血しやすい
実の特徴は何かが過剰な状態にあることです。実タイプの方は、緊張やストレスを感じやすく、交感神経が緊張してイライラしやすい状態にあります。その原因として、間食やファストフードなどを好み、過食から不要なエネルギーが体内に滞りやすいことが関係していると考えらます。その結果、体内に余分な水と熱が生じやすくなり、自律神経が乱れてイライラしやすくなります。
腸は第二の脳といわれるように、脳の自律神経と腸の状態は相互的に関連していると考えられています。腸内環境を整えることで、お腹の張りや便秘を改善させるだけでなく、間接的にイライラにも効果があるとされています。ヨーグルト、納豆やぬか漬けなど腸によい発酵食品を積極的に摂取しましょう。
すぐできる|女性の「イライラ」におすすめの対策
イライラを抑えたいときにすぐにできるツボと、イライラを緩和するための対策を紹介します。イライラした時に「これをすれば落ち着く」という自分の「お守り」を見つけておくと安心です。
ツボ
イライラ対策としておすすめの方法がツボ押しです。イライラがこみあげてくるときは筋肉も血管も収縮しているため、自律神経を落ち着かせ血行を改善するツボを押すのが効果的です。
また、「イライラしてきたらツボを押す」という練習を重ねていくと、イライラが爆発する手前で、自分がイライラしている状況を見つめ、一呼吸置くことができるようになります。
- 膻中(だんちゅう)
胸の中央、ブラジャーの中央あたりにあるツボ。両胸の乳頭を結んだ真ん中にあります。 - 神門(しんもん・じんもん)
手のひらの付け根、手首のしわの上、小指側の筋の内側にあります。 - 百会(ひゃくえ)
頭のてっぺんの少しくぼんだところ。後頭部の下側、首の付け根付近にも効果的なツボが点在しています。気持ちいいと感じるところを指圧してみましょう。
睡眠
更年期やプレ更年期には良質な睡眠が大切です。中でも、寝入りの3時間は、肌や自律神経を整える働きがある成長ホルモンが多く分泌される時間帯であり、ここの睡眠の質を高めることが、とても大切といえます。
もしもイライラが原因で不眠が1〜3カ月以上続いているようなら、医療機関を受診してみましょう。自分に合うお薬で眠りの改善が期待できます。
アロマやハーブティーでリラックス
香りは脳に直接働きかけるため、イライラの改善にアロマやハーブティーもおすすめです。
【アロマ】アロマバスやティッシュに垂らして空間に香らせ楽しみましょう
- ゼラニウム:自律神経のバランスを調節し、更年期全般によい働きが期待
- クラリセージ/サイプレス:自律神経とホルモン調整作用があり、更年期のイライラやうつ状態などに効果的
【ハーブティー】
- レモンバーム:レモンのような香りが気持ちを鎮静化し穏やかにしてくれます
- チェストベリー:ホルモンバランスを整える効果が期待できます
※ハーブティーには妊娠・病中に禁止されている種類や利尿作用が強く就寝前に向かない種類もあります。飲む前に成分表や注意書きを確認しましょう。
女性のイライラが起こる原因とは?
更年期やプレ更年期になると、女性ホルモンが減り始めることがイライラの原因になります。仕事や家事、子育てで忙しくストレスを抱えている場合は、自律神経のバランスが崩れているかもしれません。複合的な要因もイライラを増幅させてしまいます。
PMSによるイライラ
生理の前3〜10日ほど前から現れる不快な症状をPMS(月経前症候群)と呼びます。
イライラや気分の落ち込み、眠気、頭痛、倦怠感などさまざまな不調が現れます。特徴は、20代〜30代に多く、生理が始まると症状が和らいだり治まったりすることです。
PMSは一般的には病気ではなく、正常な月経周期が機能していることで起こりますが、日常生活に支障をきたすような場合は早めに受診することをおすすめします。
●女性ホルモンの分泌とPMSとの関連性●
脳から排卵の準備をするように指令を受け、「卵巣を刺激するホルモン(卵胞刺激ホルモン・FSH/黄体形成ホルモン・LH)」が分泌され、卵巣を刺激
↓
卵巣から女性ホルモンが分泌される
●排卵前(生理終了前後~次の生理2週間前~排卵)排卵準備のための女性ホルモン「エストロゲン」が分泌
●排卵後(排卵後~次の生理まで)妊娠準備のための女性ホルモン「プロゲステロン」が分泌
※PMSの発生にはプロゲストロンの水分貯留作用が関係するという説がある(クラシエ漢方研究所:2010年日本薬学会報告)
↓
妊娠に至らなければ生理がくる
生理開始とともにプロゲステロンの分泌が減るため、(水分貯留が解消され)PMSが治まると考えられている
※PMS発生のメカニズムには諸説あり、プロゲステロンとプロゲステロン代謝物のバランス状態の変調でPMSが起こるという説もある。
この場合、エストロゲンとプロゲステロンの分泌がともに減少することでPMSも治まると考えられている
女性ホルモンの減少による自律神経の乱れ
プレ更年期・更年期になると、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が低下。それにより自律神経が乱れ、自律神経によってコントロールされているココロやカラダにも不調が起こります。
●女性ホルモンの分泌と更年期の自律神経の乱れ・不調の関係●
脳から排卵の準備をするように指令を受け、「卵巣を刺激するホルモン(卵胞刺激ホルモン・FSH/黄体形成ホルモン・LH)」が分泌され、卵巣を刺激
↓
卵巣から女性ホルモンが分泌される
●排卵前:排卵準備のための女性ホルモン「エストロゲン」が分泌
●排卵後:妊娠準備のための女性ホルモン「プロゲステロン」が分泌
↓
妊娠に至らなければ生理がくる
30代後半から卵巣機能の衰えで女性ホルモンの分泌量が低下。脳の指令通りに分泌されないこに脳が混乱し、自律神経が乱れる
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生理とは関係ないタイミングで、更年期のさまざまな不調が発現する
ジェンダーストレス
ストレスによる自律神経の乱れが原因となることも多くあります。生物学的に、女性の方が男性よりストレスを感じやすい脳構造になっているため、ストレスに敏感な女性ほど、イライラしやすい傾向があるのです。
さらに、女性の社会進出が進む現代においても、家事や育児の負担を女性が多く求められたり、仕事との両立を当たり前のように求められたりして、女性の負担が大きくなってしまっているのが日本における社会課題でもあります。
女性にかかる見えないストレスやプレッシャーは大きく、イライラの原因になっているといえるでしょう。
女性のイライラ|自分がダメなわけではない
女性のカラダとココロは、デリケートにできています。イライラするのはあなたがダメなわけではなく、がんばろうとしているからこその、イライラなのです。
このようなイライラも自分のバランス状態がどこにあるのかを知り、そこに寄り添った対策をしていくことで改善していくことができます。
バランス状態チェックで知った、足りているところ、足りていないところの「バランス状態」を意識しながら、日々を笑顔で過ごせるように対策していきましょう。